残業代の計算

未払残業代の計算式

 未払残業代額は,「残業代の時間単価×残業時間数+遅延損害金-既払いの残業代」で計算します。

残業代の計算式

 時給制のアルバイトと月給制の正社員の残業代は,次のように計算します。

時給制のアルバイトの残業代

 残業代=時給単価×所定の割増率×時間外・休日・深夜労働時間数

    =時間外・休日・深夜割増賃金の時間単価×時間外・休日・深夜労働時間数

 

月給制の正社員の残業代(割増賃金)の計算式

 残業代=通常の労働時間・労働日の賃金(時間単価)×所定の割増率×時間外・休日・深夜労働時間数

    =時間外・休日・深夜割増賃金の時間単価×時間外・休日・深夜労働時間数

通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価の計算

 残業代の時間単価は,「通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価×割増率」で算定されます。

時給制のアルバイトの場合

 時給制のアルバイトの場合は,通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価=時給で算定されます。

 たとえば,時給1000円であれば,通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価=1000円/時となります。

日給制の場合

 日給制の場合は,通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価=日給÷一日の所定労働時間数で算定されます。

 たとえば,日給1万円で所定労働時間数が8時間の場合は,1万円÷8時間=1250円/時となります。

月給制の正社員の場合

 月給制の正社員の場合は,通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価=月給÷一年間における一月平均所定労働時間数で算定されます。

 例えば,月給26万円で除外賃金がなく,一年間における一月平均所定労働時間数が160時間であれば,26万円÷160時間=1625円/時が通常の労働時間・労働日の賃金となります。

一年間における一月平均所定労働時間数の計算

 月給制の通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価を計算する場合,「月における所定労働時間数」を算出する必要があります。月によって所定労働時間数が異なる場合には,「一年間における一月平均所定労働時間数」を算出する必要があります。

 一年間における一月平均所定労働時間数は,次のように計算します。

①年間所定労働日数の計算

 1年の日数(365日または366日)-年間所定休日数

②年間所定労働時間数の計算

 年間所定労働日数(①)×1日の所定労働時間数

③一年間における一月平均所定労働時間数の計算

 年間所定労働時間数(②)÷12

 

 たとえば,1年の日数が365日,年間所定休日数125日であれば,一年間における一月平均所定労働時間数は次のように計算します。

 年間所定労働時間=365日-125日=240日

 年間所定労働時間数=240日×8時間=1920時間

 一年間における一月平均所定労働時間数=1920時間÷12=160時間

除外賃金とは

 残業代を計算する際の基礎賃金には,除外賃金は含まれません。

 除外賃金とは,家族手当,通勤手当,別居手当,子女教育手当,住宅手当,臨時に支払われた賃金,1か月を超える期間ごとに支払われる賃金など,労働の内容や量と無関係な労働者の個人的事情で変わってくる賃金手当のことをいいます。

 たとえば月給26万円のうち,4万円が除外賃金に該当する家族手当・通勤手当等の場合,一年間における一月平均所定労働時間数が160時間であれば,通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価は,(26万円-4万円)÷160時間=22万円÷160時間=1375円/時となります。

 なお,除外賃金に該当するかどうかは実質的に判断されるため,「家族手当」とか「通勤手当」といった名目で支給されていたとしても,除外賃金にあたるとは限りません。

 扶養家族数に応じて支給される家族手当,通勤に必要な実費に対応して支給される通勤手当等であれば,除外賃金に該当しますが,扶養家族数とは関係なく一律に支給される家族手当,通勤距離や通勤に要する実費等とは関係なく一律に支給される通勤手当等は,除外賃金には該当せず,割増賃金(残業代)の基礎となる賃金に算入します。

 また,労基法37条5項,労規則21条には「割増賃金(残業代)」が掲げられていませんが,割増賃金の趣旨で支給する手当については,これを割増賃金計算の基礎に算入すると,趣旨が重複するため,割増計算の基礎賃金から除外します。労基法37条5項,労規則21条に「割増賃金」が掲げられていないせいか,割増賃金の趣旨で支給する手当についてまで基礎賃金に含めて割増賃金を計算したり,基準内賃金扱いにしたりしている賃金規程が散見されます。割増賃金の趣旨で支給する手当を割増賃金計算の基礎に算入したり,基準内賃金扱いにしたのでは,当該手当が残業代請求対策のために形式的に割増賃金の趣旨と規定しているだけであって,実質は割増賃金の趣旨を有していないと認定されるリスクが高くなります。

残業代の取扱い

 残業代の実質を有する賃金については,これを残業代計算の基礎賃金に算入すると趣旨が重複してしまうため,残業代計算の基礎賃金には算入しないと考えられています。

 「時間外勤務手当」「休日勤務手当」「深夜勤務手当」等の残業代の趣旨で支払われたと推認できる名目で支払われた賃金については,通常は残業代として取り扱われ,残業代計算の基礎賃金には算入されません。定額残業代については,残業代(残業の対価)としての実質を有しているかどうかが問題となることがあります。

 他方,「営業手当」等,その名目から残業代であるとは推認できないものについては,賃金規程に当該手当が残業代である旨明記して周知させたり,労働契約書にその旨明示して合意したりしておかなければ,残業代として取り扱われず,基礎賃金に算入されるリスクが生じます。就業規則や労働契約書に明記していた場合であっても,残業代(残業の対価)としての実質を有しないと判断された場合には,基礎賃金に算入されることになります。

 したがって,残業代の名目は,「時間外勤務手当」「休日勤務手当」「深夜勤務手当」等,名称自体から残業代であることを推認することができる名目とすることが望ましいと考えます。

割増率

 通常の労働時間・労働日の賃金の時間単価を算定した後,「割増率」を乗じて残業代の時間単価を算定することになります。この割増率は,次のとおり,残業した時間帯等によって異なります。

法定時間外労働時間 25%増し(1月60時間超の場合は50%増し)

休日労働時間 35%増し

深夜労働時間 25%増し

 平成22年4月1日の労働基準法の改正により,1か月に60時間を超える法定時間外労働を行わせた場合,その超えた部分については,通常の時間単価の50%増し以上の割増率で計算した残業代を支払わなければならないと規定されましたが,中小事業主(資本金の額が3億円以下である事業主及び常時使用する労働者の数が300人以下である事業主等)については,この規定は猶予されています。

 休日労働については,休日労働における時間外労働という概念が無いため,時間外労働に関する規制が及ばず,休日に8時間を超えて労働した場合でも,深夜にわたらない限り,割増率は,通常の労働時間の賃金の35%増しで良いとされています。

残業時間数

1.残業時間の種類と基本的な考え方

 残業時間には,①時間外労働時間,②休日労働時間,③深夜労働時間の3種類があります。

 時間外労働時間は,労基法32条の規制を超えて労働させた時間のことをいい,週40時間,1日8時間を超えて労働させた時間は,原則として時間外労働時間に該当します。時間外労働をカウントする場合,1日8時間超の時間外労働時間としてカウントした時間については,週40時間超の時間外労働時間をカウントする際には重複してカウントしません。

 例えば,日曜日が法定休日の企業において,月曜日~土曜日に毎日9時間ずつ労働させた場合,月~木に9時間×4日=36時間労働させているから金曜日に4時間を超えて労働した時間から週40時間超の時間外労働になると考えるのではなく,月~金に1時間×5日=5時間の時間外労働のほか8時間×5日=40時間労働させているから土曜日の勤務を開始した時点から週40時間超の時間外労働となると考えることになります。

日曜日 法定休日

月曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

火曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

水曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

木曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

金曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

土曜日 労働時間9時間(時間外労働9時間)←週40時間超

2.特例措置対象事業場

 次の事業場のうち,常時10人未満の労働者を使用するもの(特例措置対象事業場)については,1週間については44時間,1日については8時間まで労働させることができます。特例措置対象事業場についても,1日8時間を超えて労働させた場合には時間外労働となりますが,1週間については44時間を超えて労働させて初めて時間外労働となります。

 例えば,日曜日を法定休日として,月~土に1日9時間ずつ労働させた場合,土曜日に4時間を超えて労働し始めた時点から週44時間超の時間外労働時間となります。

日曜日 法定休日

月曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

火曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

水曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

木曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

金曜日 労働時間9時間(時間外労働1時間)←1日8時間超

土曜日 労働時間9時間(時間外労働5時間)←週44時間超

3.所定労働時間が1日8時間未満の会社

 所定労働時間が1日8時間未満(例えば,7時間)の会社で1日8時間ちょうど働いたような場合,労基法上の時間外労働はしていなくても,所定時間外労働はしていることになります。このような,所定時間外労働ではあっても,労基法上の時間外労働ではない時間については,割増ししない通常の時間単価の賃金を支払うのが原則となります。就業規則等で所定時間外労働についても割増しした残業代を支払う旨の定め場ある場合には,就業規則の定めによることになります。

4.休日労働時間

 休日労働時間とは,労基法35条の法定休日(原則として1週1休以上)に労働させた時間のことをいいます。土日が休日の週休二日制の会社において,日曜日が法定休日の場合,休日である土曜日に労働させた場合であっても,ここでいう休日労働には該当せず,週40時間を超えて労働させた結果,時間外労働に該当する可能性があるにとどまります。

5.深夜労働時間

 深夜労働時間とは,深夜(22時~5時)に労働させた時間のことをいいます。昼間の仕事の場合には,深夜労働時間は,時間外労働時間でもあるのが通常です。夜勤の場合は,深夜労働ではあっても,時間外労働ではないことがあります。

 

残業時間数の計算例

 モデルケース(始業午前9時,終業午後6時,休憩時間1時間,法定休日は日曜日)を使って時間外労働時間(残業時間)の計算すると,次のようになります。

1.時間外労働時間数の計算

 通常の労働日に,午前9時に労働を開始し,午後8時まで働いた場合,時間外労働時間数は2時間となります。

計算1

2.深夜労働時間数の計算

 通常の労働日に,午前9時に労働を開始し,深夜1時まで働いた場合,時間外労働時間数は6時間,深夜労働時間数は3時間になります。

計算2

3.週40時間超の計算

 月曜日から土曜日まで,毎日,午前9時に労働を開始し,午後8時まで働いた場合,月曜日から土曜日までの時間外労働時間数の合計は15時間になります。

計算3

 なお,1日8時間超の時間外労働時間としてカウントした時間については,週40時間超の時間外労働時間をカウントする際には重複してカウントしませんので,3月5日(金)の労働時間から週40時間超をカウントするのは誤った計算方法となります。

4.所定労働時間が7時間30分の場合の計算

 始業午前9時,終業午後5時30分,休憩時間1時間(1日の所定労働時間7時間30分),法定休日が日曜日の会社において,月曜日から金曜日まで毎日午前9時から午後8時まで働き,土曜日は午前9時から午後3時まで働いた場合,月曜日から土曜日までの法内時間外労働時間数の合計は2時間30分(30分×5日),法外時間外労働時間数の合計は15時間((2時間×5日)+5時間)となります。

計算4

 なお,誤った計算として,1日の所定労働時間を基準に計算すると,次のようになります。

(所定労働時間7時間30分×5日)+土曜日5時間=42時間30分

週40時間超=42時間30分-40時間=2時間30分

 1日の所定労働時間が8時間未満の場合でも,上記3同様,1日8時間超の時間外労働時間としてカウントした時間については,週40時間超の時間外労働時間をカウントする際には重複してカウントしないという考え方で計算します。

残業代の時間単価

時給1000円のアルバイトの場合

 時給制のアルバイトの残業代の時間単価は,時給単価に割増率を乗じて計算します。

 時間外割増賃金=時給1000円×1.25=1250円/時

 休日割増賃金=時給1000円×1.35=1350円/時

 深夜(22時~5時)の労働時間については,

 深夜割増賃金=1000円/時×0.25=250円/時

を加算します。したがって,

 深夜の時間外労働の時間単価=1250円/時+250円/時=1500円/時

 深夜の休日労働の時間単価=1350円/時+250円/時=1600円/時

となります。

通常の労働時間の賃金が1500円/時の正社員の場合

 月給制の正社員における残業代の時間単価を算定するには,まず,通常の労働日における労働時間の時間単価を計算します。通常の労働日における労働時間の時間単価は「月によって定められた賃金(基礎賃金) ÷ 一月平均所定労働時間数」で計算します。(「月によって定められた賃金」,「一月平均所定労働時間数」については,上項で解説しています。)

 そして,算出された通常の労働日における労働時間の時間単価に,所定の割増率を乗じて,残業代の時間単価を計算します。

 たとえば,通常の労働日における労働時間の時間単価が1500円の場合,残業代の時間単価の計算は次のようになります。

 時間外割増賃金=1500円/時×1.25=1875円/時

 休日割増賃金=1500円/時×1.35=2025円/時

 深夜(22時~5時)の労働時間については,

 深夜割増賃金=1500円/時×0.25=375円/時

を加算します。したがって,

 深夜の時間外労働の時間単価=1875円/時+375円/時=2250円/時

 深夜の休日労働の時間単価=2025円/時+375円/時=2400円/時

となります。

月給制の残業代計算

 これまでの残業時間の計算方法に従って,実際に月給制の労働者の残業代を計算してみましょう。

 [モデルケース]

 1日の所定労働時間:8時間

 所定休日:土,日,祝日,年末年始12月28日~1月4日,夏季休暇3日

 月給:基本給25万円(他の手当等無し)

 当月の残業時間数:時間外労働時間数35時間(内深夜労働時間数15時間),休日労働時間数20時間

1 通常の労働時間における賃金の時間単価の計算

 残業代は,「通常の労働時間における賃金の時間単価×割増率×時間外労働時間数」で計算しますので,まずは,「通常の労働時間における賃金の時間単価」を計算します。

 「通常の労働時間における賃金の時間単価」は,「月によって定められた賃金(基礎賃金)÷一月平均所定労働時間数」で求められますので,今回のモデルケースでは次のように計算します。

 年間(平成29年)所定労働日数=365日-休日131日=234日

 年間所定労働時間数=年間所定労働日数234日×1日の所定労働時間数8時間=1872時間

 一月平均所定労働時間数=1872時間÷12か月=156時間

 通常の労働時間における賃金の時間単価=月によって定められた賃金(基礎賃金)25万円÷156時間=1602円/時(小数点以下切り捨て)

2 残業代の時間単価の計算

 算出した通常の労働時間における賃金の時間単価に割増率を乗じ,残業代の時間単価を計算します。(小数点以下切り捨て)

 時間外労働の時間単価=1602円/時×1.25=2002円/時

 休日労働の時間単価=1602円/時×1.35=2162円/時

 深夜労働の時間単価=1602円/時×0.25=400円/時

3 残業代の計算

 残業代は,上記で算定した残業代の時間単価に,残業時間数を乗じて計算します。

 時間外割増賃金=2002円/時×35時間=7万0070円

 休日割増賃金=2162円/時×20時間=4万3240円

 深夜割増賃金=400円/時×15時間=6000円

 当月の残業代=11万9310円

歩合給制の残業代計算

 歩合給(出来高払)制の残業代は,歩合給制によって計算された賃金総額を,当該賃金算定期間における「総労働時間数」で除して計算します。

 歩合給の残業代を計算するにあたっては,残業時間に対する時間当たりの賃金(1.0の部分)は支払済みであり,残業代として支払うのは,基礎賃金×割増率(時間外労働であれば0.25)×時間外労働時間数で算定した部分で足りるとされています。

 つまり,月給制では通常の労働時間の時間単価に1.25を乗じて時間外労働の賃金の時間単価を算出するのに対し,歩合給制は,歩合給を総労働時間で除した金額に0.25を乗じて時間外労働の賃金の時間単価を算出するということになります。これは,歩合給の対象となる成果は,実労働時間全体によって生じているという考え方に基づくものと考えます。

 それでは,この計算方法に従って,実際に歩合給制の労働者の残業代を計算してみましょう。

 [モデルケース]

 歩合給:30万円

 当月の総労働時間数:200時間

 当月の残業時間:時間外労働時間数30時間,休日労働時間数10時間

1 残業代の時間単価の計算

 時間外労働の時間単価=(歩合給30万円÷総労働時間数200時間)×0.25=375円/時

 休日労働の時間単価=(歩合給30万円÷総労働時間数200時間)×0.35=525円/時

2 残業代の計算

 時間外割増賃金=375円/時×30時間=1万1250円

 休日割増賃金=525円/時×10時間=5250円

 当月の残業代=1万1250円+5250=1万6500円

固定給と歩合給の両方がある場合

 固定給と歩合給の両方を支払っている場合は,固定給部分と歩合給部分を分けて計算します。

  [モデルケース]

 固定給:基本給25万円

 歩合給:5万円

 一月平均所定労働時間数:156時間

 当月の総労働時間数:206時間

 当月の残業時間:時間外労働時間数30時間,休日労働時間数20時間

固定給部分の残業代の計算

1.通常の労働時間における賃金の時間単価の計算(小数点以下切捨て)

 通常の労働時間における賃金の時間単価=固定給25万÷一月平均所定労働時間数156時間=1602円/時

2.残業代の時間単価の計算(小数点以下切捨て)

 時間外労働の時間単価=1602円/時×1.25=2002円/時

 休日労働の時間単価=1602円/時×1.35=2162円/時

3.残業代の計算

 時間外割増賃金=2002円/時×30時間=6万0060円/時

 休日割増賃金=2162円/時×20時間=4万3240円/時

4.固定給部分の残業代の計算

 固定給部分の残業代=6万0060円+4万3240円=10万3300円

歩合給部分の残業代の計算

1.残業代の時間単価の計算(小数点以下切捨て)

 時間外労働の時間単価=(歩合給5万円÷206時間)×0.25=60円/時

 休日労働の時間単価=歩合給5万円÷206時間×0.35=84円/時

2.残業代の計算

 時間外割増賃金=60円/時×30時間=1800円

 休日割増賃金=84円/時×20時間=1680円

3.歩合給部分の残業代の計算

 歩合給部分の残業代=1800円+1680円=3480円

当月の残業代

 当月の残業代=固定給部分の残業代10万3300円+歩合給部分の残業代3480円=10万6780円

所定労働時間が7時間30分の場合

 所定労働時間が,労基法32条で1日8時間,週40時間と規定している労働時間よりも短い場合,当該所定労働時間を超えて1日8時間,週40時間を超えない範囲の労働時間を「法内時間外労働時間(法内残業)」といいます。

 このような法内時間外労働時間について,就業規則で割増率が定められている場合には,その割増率で計算し,就業規則で割増率が定められていない場合には,通常の労働時間の賃金を支払えば足りるとされています。

 所定労働時間が,1日8時間,週40時間よりも短い場合の計算方法は,次のとおりです。

[モデルケース]

1日の所定労働時間:7時間30分

一月平均所定労働時間数:156時間

月給:基本給30万円(他の手当等なし)

当月の残業時間:法内時間外労働時間10時間,時間外労働時間数35時間(内深夜労働時間数15時間),休日労働時間数20時間

1 通常の労働時間における賃金の時間単価の計算(小数点以下切捨て)

 通常の労働時間における賃金の時間単価=固定給30万÷一月平均所定労働時間数156時間=1923円/時

2 残業代単価(小数点以下切捨て)

 時間外労働の時間単価=1923円/時×1.25=2403円/時

 休日割増賃金=1923円/時×1.35=2596円/時

 深夜の時間外労働の時間単価=1923円/時×0.25=480円/時

3 残業代の計算

 法内時間外賃金=1923円/時×10時間=1万9230円

 時間外割増賃金=2403円/時×35時間=8万4105円

 休日割増賃金=2596円/時×20時間=5万1920円

 深夜時間外割増賃金=480円/時×15時間=7200円

4 当月の残業代

 当月の残業代=1万9230円+8万4105円+5万1920円+7200円=16万2455円

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