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	<title>四谷麹町法律事務所（東京）</title>
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	<description>労働問題の相談，弁護士による労働審判・問題社員の対応，東京都千代田区の四谷麹町法律事務所</description>
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		<title>労基署に相談してから解雇を行えば，裁判にも勝てますよね？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/189.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/189.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 30 Dec 2011 08:08:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　自社の社員を解雇するに当たり，解雇手続について労基署に相談をしてから，解雇する会社があります。　誰にも相談せずに解雇するよりはいいことだと思いますが，労基署（行政機関）は裁判になった場合，民事上，解雇が有効となるかどうかまで決めてくれるわけではありません。　解雇の有効性を判断する最終的な権限があるのは裁判所（司法機関）だけですから，労基署に相談してから解雇を行ったとしても，直ちに裁判にも勝てることにはなりません。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　自社の社員を解雇するに当たり，解雇手続について労基署に相談をしてから，解雇する会社があります。<br />　誰にも相談せずに解雇するよりはいいことだと思いますが，労基署（行政機関）は裁判になった場合，民事上，解雇が有効となるかどうかまで決めてくれるわけではありません。<br />　解雇の有効性を判断する最終的な権限があるのは裁判所（司法機関）だけですから，労基署に相談してから解雇を行ったとしても，直ちに裁判にも勝てることにはなりません。</p>
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		<item>
		<title>心理的負荷による精神障害が労災認定されるかどうかは，行政レベルでは何を基準に判断されるのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/188.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/188.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 30 Dec 2011 07:43:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　心理的負荷による精神障害が労災認定されるかどうかは，行政レベルでは，平成２３年１２月２６日付け基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準」により判断されます。　従来，心理的負荷による精神障害に関し，業務上外の認定に使用されてきた平成１１年９月１４日付け基発第５４４号「心理的負荷による精神障害の業務上外に係る判断指針」は，上記通達の施行に伴い，廃止されました。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　心理的負荷による精神障害が労災認定されるかどうかは，行政レベルでは，<a title="心理的負荷による精神障害の認定基準" href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf">平成２３年１２月２６日付け基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準」</a>により判断されます。<br />　従来，心理的負荷による精神障害に関し，業務上外の認定に使用されてきた平成１１年９月１４日付け基発第５４４号「心理的負荷による精神障害の業務上外に係る判断指針」は，上記通達の施行に伴い，廃止されました。</p>
]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>解雇が強行法規違反で無効になる場合には，どのようなものがありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/187.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/187.html#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 29 Dec 2011 07:09:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　解雇が強行法規違反で無効になる場合には，以下のような規定に違反した場合が挙げられます。①　国籍，信条又は社会的身分による差別的取扱いの禁止（労基法３条）②　公民権行使を理由とする解雇の禁止（労基法７条）③　業務上の負傷・疾病の休業期間等，産前産後休業期間等の解雇制限（労基法１９条）④　性別を理由とする差別的取扱いの禁止（男女雇用機会均等法６条４号）⑤　婚姻，妊娠，出産，産前産後休業を理由する不利益取扱いの禁止（男女雇用機会均等法９条）⑥　育児休業，介護休業，子の看護休暇，所定外労働の制限，時間外労働の制限，深夜業の制限，所定労働時間の短縮措置の申出等を理由とする不利益取扱いの禁止（育児介護休業法１０条，１６条，１６条の４，１６条の９，１８条の２，２０条の２，２３条の２）⑦　通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止（パートタイム労働法８条）⑧　都道府県労働局長に対し個別労働関係紛争解決の援助を求めたこと，あっせんを申請したことを理由とする不利益取扱いの禁止（個別労働関係紛争解決促進法４条，５条）⑨　公益通報したことを理由とする解雇の無効（公益通報者保護法３条）⑩　不当労働行為の禁止（労働組合法７条）
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　解雇が強行法規違反で無効になる場合には，以下のような規定に違反した場合が挙げられます。<br />①　国籍，信条又は社会的身分による差別的取扱いの禁止（労基法３条）<br />②　公民権行使を理由とする解雇の禁止（労基法７条）<br />③　業務上の負傷・疾病の休業期間等，産前産後休業期間等の解雇制限（労基法１９条）<br />④　性別を理由とする差別的取扱いの禁止（男女雇用機会均等法６条４号）<br />⑤　婚姻，妊娠，出産，産前産後休業を理由する不利益取扱いの禁止（男女雇用機会均等法９条）<br />⑥　育児休業，介護休業，子の看護休暇，所定外労働の制限，時間外労働の制限，深夜業の制限，所定労働時間の短縮措置の申出等を理由とする不利益取扱いの禁止（育児介護休業法１０条，１６条，１６条の４，１６条の９，１８条の２，２０条の２，２３条の２）<br />⑦　通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止（パートタイム労働法８条）<br />⑧　都道府県労働局長に対し個別労働関係紛争解決の援助を求めたこと，あっせんを申請したことを理由とする不利益取扱いの禁止（個別労働関係紛争解決促進法４条，５条）<br />⑨　公益通報したことを理由とする解雇の無効（公益通報者保護法３条）<br />⑩　不当労働行為の禁止（労働組合法７条）</p>
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		</item>
		<item>
		<title>一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行う必要がある場合，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うことができますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/186.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/186.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 17 Dec 2011 14:49:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2174</guid>
		<description><![CDATA[
　「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」（労基法９１条）とは，一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が，当該賃金支払期における賃金の総額の１０分の１以下でなければならないという意味と考えられています（昭和２３年９月８日基収第１７８９号）。　したがって，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行う必要がある場合，一賃金支払期ごとには賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行うことはできませんが，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うのであれば，これを行うことができることになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」（労基法９１条）とは，一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が，当該賃金支払期における賃金の総額の１０分の１以下でなければならないという意味と考えられています（昭和２３年９月８日基収第１７８９号）。<br />　したがって，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行う必要がある場合，一賃金支払期ごとには賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行うことはできませんが，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うのであれば，これを行うことができることになります。</p>
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		<item>
		<title>問題を起こした社員がいたので，６か月に渡り減給処分１０％としようと思いますが，法的に問題がありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/185.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/185.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 17 Dec 2011 13:36:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　労基法９１条は，「就業規則で，労働者に対して減給の制裁を定める場合においては，その減給は，一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え，総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定しています。　そして，労基法９１条は，同条の制限に違反する減給の制裁を就業規則に定めることを禁止するのみならず，同条の制限に違反して減給することをも禁止しているものと考えられますから，同条の制限を超える減給処分は無効となります。　「６か月に渡り減給処分１０％」という処分は，通常は「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え」ていると考えられますので，労基法９１条に違反し無効となり，３０万円以下の罰金に処せられることになります（労基法１２０条１号）。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法９１条は，「就業規則で，労働者に対して減給の制裁を定める場合においては，その減給は，一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え，総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定しています。<br />　そして，労基法９１条は，同条の制限に違反する減給の制裁を就業規則に定めることを禁止するのみならず，同条の制限に違反して減給することをも禁止しているものと考えられますから，同条の制限を超える減給処分は無効となります。<br />　「６か月に渡り減給処分１０％」という処分は，通常は「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え」ていると考えられますので，労基法９１条に違反し無効となり，３０万円以下の罰金に処せられることになります（労基法１２０条１号）。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>「常時１０人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが（労基法８９条），労働者の人数は企業単位，事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/184.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/184.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Dec 2011 01:55:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　「常時１０人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが（労基法８９条），常時使用する労働者の人数は企業単位，事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか？　これは，例えば，ある企業が，Ａ事業場で７名，Ｂ事業場で７名の労働者を常時使用しているような場合に問題となります。
　この点に関しては，反対説もありますが，労基法が事業に使用される労働者に適用されるものであること，労基法９０条が就業規則の作成変更の際の意見聴取を事業場単位で行うものとしていることから，常時使用する労働者の人数は事業場単位で考えるのが一般です。　したがって，上記事例では，Ａ事業場とＢ事業場がそれぞれ独立した事業場の場合，いずれの事業場についても，就業規則の作成義務はないことになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　「常時１０人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが（労基法８９条），常時使用する労働者の人数は企業単位，事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか？<br />　これは，例えば，ある企業が，Ａ事業場で７名，Ｂ事業場で７名の労働者を常時使用しているような場合に問題となります。</p>
<p>　この点に関しては，反対説もありますが，労基法が事業に使用される労働者に適用されるものであること，労基法９０条が就業規則の作成変更の際の意見聴取を事業場単位で行うものとしていることから，常時使用する労働者の人数は事業場単位で考えるのが一般です。<br />　したがって，上記事例では，Ａ事業場とＢ事業場がそれぞれ独立した事業場の場合，いずれの事業場についても，就業規則の作成義務はないことになります。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>労働審判の答弁書において申立人の主張を否認する場合，否認の理由を記載する必要がありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/183.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/183.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Dec 2011 01:31:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　民事訴訟では，答弁書その他の準備書面において，相手方の主張する事実を否認する場合には，その理由を記載しなければならないとされています（民訴規則７９条３項）。　審理充実の観点から否認の理由を答弁書に記載すべき要請は労働審判においても変わりませんので，労働審判の答弁書においても否認の理由を記載すべきでしょう。　少なくとも，重要な事実の否認については，それなりの理由を記載すべきです。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　民事訴訟では，答弁書その他の準備書面において，相手方の主張する事実を否認する場合には，その理由を記載しなければならないとされています（民訴規則７９条３項）。<br />　審理充実の観点から否認の理由を答弁書に記載すべき要請は労働審判においても変わりませんので，労働審判の答弁書においても否認の理由を記載すべきでしょう。<br />　少なくとも，重要な事実の否認については，それなりの理由を記載すべきです。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>労働審判の答弁書では，「答弁を基礎付ける具体的な事実」（労働審判規則１６条１項３号）の記載が求められていますが，この項目には具体的に何を書けばいいのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/182.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/182.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Dec 2011 01:13:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
労働審判の答弁書の「答弁を基礎付ける具体的な事実」（労働審判規則１６条１項３号）の項目には，解雇，弁済等の抗弁事実を記載することになります（『労働事件審理ノート』）。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>労働審判の答弁書の「答弁を基礎付ける具体的な事実」（労働審判規則１６条１項３号）の項目には，解雇，弁済等の抗弁事実を記載することになります（『労働事件審理ノート』）。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>毎月一定額の基本給と成績に応じた出来高払の給料がある場合，割増賃金の基礎となる賃金はどのように計算すればよいのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/181.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/181.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 06:19:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2107</guid>
		<description><![CDATA[
　毎月一定額の基本給と成績に応じた出来高払の給料がある場合，割増賃金の基礎となる賃金は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項７号・４号・６号）。　割増賃金の基礎となる賃金＝基本給÷一年間における一月平均所定労働時間数　＋出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　毎月一定額の基本給と成績に応じた出来高払の給料がある場合，割増賃金の基礎となる賃金は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項７号・４号・６号）。<br />　割増賃金の基礎となる賃金<br />＝基本給÷一年間における一月平均所定労働時間数<br />　＋出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数<!-- /A-box --><!-- /content --></p>
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		</item>
		<item>
		<title>出来高払制の場合にも残業代を支払う必要がありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/180.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/180.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 06:09:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2104</guid>
		<description><![CDATA[
　出来高払の給料は，除外賃金（労基法３７条５項・労基則２１条）に該当しませんので，出来高払制の場合であっても，残業をすれば残業代を支払う必要があります。　この場合の割増賃金の基礎となる賃金の計算は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項６号）。　出来高払制における割増賃金の基礎となる賃金＝出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　出来高払の給料は，除外賃金（労基法３７条５項・労基則２１条）に該当しませんので，出来高払制の場合であっても，残業をすれば残業代を支払う必要があります。<br />　この場合の割増賃金の基礎となる賃金の計算は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項６号）。<br />　出来高払制における割増賃金の基礎となる賃金<br />＝出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数</p>
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		</item>
		<item>
		<title>労基法２７条に違反して保障給が定められていない場合，保障給の支払義務はありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/179.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/179.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 05:33:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2098</guid>
		<description><![CDATA[
　労基法２７条は保障給の額については何ら規定していませんので，保障給の定めがない場合は，民事上，労働者は，同条に基づいて保障給の支払を請求することはできないと考えられ，使用者は同条に基づく保障給の支払義務を負うものではないと考えられます。　労働者から請求を受けるとすれば，保障給相当額の損害賠償請求か，労働時間に応じた最低賃金の請求あたりではないでしょうか。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法２７条は保障給の額については何ら規定していませんので，保障給の定めがない場合は，民事上，労働者は，同条に基づいて保障給の支払を請求することはできないと考えられ，使用者は同条に基づく保障給の支払義務を負うものではないと考えられます。<br />　労働者から請求を受けるとすれば，保障給相当額の損害賠償請求か，労働時間に応じた最低賃金の請求あたりではないでしょうか。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>給料を完全出来高払制にすることはできますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/178.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/178.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 05:25:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2094</guid>
		<description><![CDATA[
　労基法２７条は，「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については，使用者は，労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」としており，本条に違反して賃金の保障をしない使用者は，３０万円以下の罰金に処せられます（労基法１２０条１号）。　したがって，労働者の給料を，全く保障給がないという意味での完全出来高払制にすることはできません。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法２７条は，「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については，使用者は，労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」としており，本条に違反して賃金の保障をしない使用者は，３０万円以下の罰金に処せられます（労基法１２０条１号）。<br />　したがって，労働者の給料を，全く保障給がないという意味での完全出来高払制にすることはできません。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>契約期間３年の契約社員が勤務開始１年半で辞めたいと言い出し，退職届を提出してきました。退職を拒絶することはできますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/177.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/177.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 05:08:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　労基法１３７条は，所定の措置が講じられるまでの間は，労働者は，１年を超える契約期間を定めた場合であっても，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等を除き，契約期間の初日から１年を経過した日以後は，いつでも退職できるものとしています。　このＦＡＱを執筆している時点では，所定の措置は講じられていませんので，貴社の契約社員が，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等に該当する場合を除き，契約期間中の退職であっても，拒絶することはできないことになります。
 
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法１３７条は，所定の措置が講じられるまでの間は，労働者は，１年を超える契約期間を定めた場合であっても，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等を除き，契約期間の初日から１年を経過した日以後は，いつでも退職できるものとしています。<br />　このＦＡＱを執筆している時点では，所定の措置は講じられていませんので，貴社の契約社員が，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等に該当する場合を除き，契約期間中の退職であっても，拒絶することはできないことになります。</p>
<p> </p>
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		<item>
		<title>社外の合同労組に加入して団体交渉を求めてきたり，会社オフィスの前でビラ配りしたりする。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m23.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m23.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Sep 2011 14:25:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1901</guid>
		<description><![CDATA[
　社内の過半数組合との間でユニオン・ショップ協定（雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず，加入しないときは使用者においてこれを解雇するという協定）が締結されている会社の場合，ユニオン・ショップ協定を理由に，社内の労働組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を解雇することができないか検討したくなるかもしれませんが，「ユニオン・ショップ協定のうち，締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが，他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は，右の観点からして，民法９０条の規定により，これを無効と解すべきである（憲法２８条参照）。」とするのが最高裁判例（三井倉庫港運事件最高裁第一小法廷平成元年１２月１４日判決）ですので，ユニオン・ショップ協定を理由に，当該社員を解雇することはできません。
　社外の合同労組からの団体交渉申入れであっても，原則として応じる必要があります。　社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定（唯一交渉団体条項）のある労働協約が締結されていたとしても，団体交渉拒否の正当な理由とはならず，団交拒否は不当労働行為となります。
　会社オフィス付近での街宣活動が正当な組合活動と評価される場合には，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等をすることはできません。　他方，正当な組合活動を逸脱するようなものについては，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等が認められることになります。
　施設管理権との関係では，労働組合またはその組合員が，使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは，原則として使用者の施設管理権を不当に侵害するものであり，正当な組合活動とはいえません。　他方，会社敷地内での組合活動であっても，一般人が自由に立ち入ることができる格別会社の職場秩序が乱されるおそれのない場所での組合活動は，使用者の施設管理権を不当に侵害するものとはいえないと評価されることになります。　会社オフィス前でのビラ配りは，使用者の施設管理権を不当に侵害するとはいえないのが通常です。
　組合活動としてなされる文書活動であっても，虚偽の事実や誤解を与えかねない事実を記載して，会社の利益を不当に侵害したり，名誉，信用を毀損，失墜させたり，あるいは企業の円滑な運営に支障を来たしたりするような場合には，組合活動として正当性の範囲を逸脱すると評価することができ，懲戒処分，損害賠償請求等の対象となります。　したがって，ビラ配りがなされた場合は，ビラの内容をチェックし，対応を検討すべきこととなります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　社内の過半数組合との間でユニオン・ショップ協定（雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず，加入しないときは使用者においてこれを解雇するという協定）が締結されている会社の場合，ユニオン・ショップ協定を理由に，社内の労働組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を解雇することができないか検討したくなるかもしれませんが，「ユニオン・ショップ協定のうち，締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが，他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は，右の観点からして，民法９０条の規定により，これを無効と解すべきである（憲法２８条参照）。」とするのが最高裁判例（三井倉庫港運事件最高裁第一小法廷平成元年１２月１４日判決）ですので，ユニオン・ショップ協定を理由に，当該社員を解雇することはできません。</p>
<p>　社外の合同労組からの団体交渉申入れであっても，原則として応じる必要があります。<br />　社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定（唯一交渉団体条項）のある労働協約が締結されていたとしても，団体交渉拒否の正当な理由とはならず，団交拒否は不当労働行為となります。</p>
<p>　会社オフィス付近での街宣活動が正当な組合活動と評価される場合には，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等をすることはできません。<br />　他方，正当な組合活動を逸脱するようなものについては，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等が認められることになります。</p>
<p>　施設管理権との関係では，労働組合またはその組合員が，使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは，原則として使用者の施設管理権を不当に侵害するものであり，正当な組合活動とはいえません。<br />　他方，会社敷地内での組合活動であっても，一般人が自由に立ち入ることができる格別会社の職場秩序が乱されるおそれのない場所での組合活動は，使用者の施設管理権を不当に侵害するものとはいえないと評価されることになります。<br />　会社オフィス前でのビラ配りは，使用者の施設管理権を不当に侵害するとはいえないのが通常です。</p>
<p>　組合活動としてなされる文書活動であっても，虚偽の事実や誤解を与えかねない事実を記載して，会社の利益を不当に侵害したり，名誉，信用を毀損，失墜させたり，あるいは企業の円滑な運営に支障を来たしたりするような場合には，組合活動として正当性の範囲を逸脱すると評価することができ，懲戒処分，損害賠償請求等の対象となります。<br />　したがって，ビラ配りがなされた場合は，ビラの内容をチェックし，対応を検討すべきこととなります。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m22.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m22.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Sep 2011 14:23:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1899</guid>
		<description><![CDATA[
　高年齢者雇用安定法９条１項は，６５再未満の定年の定めをしている事業主に対し，その雇用する高年齢者の６５歳までの安定した雇用を確保するため，①　定年の引上げ②　継続雇用制度（現に雇用している高年齢者が希望するときは，当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。）の導入③　定年の定めの廃止のいずれかの措置（高年齢者雇用確保措置）を講じなければならないとしています。　そして同条第２項において，過半数組合又は過半数代表者との間の書面による協定により，②継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めることができる旨規定されています。※　平成２２年４月１日から平成２５年３月３１日までは，上記「６５歳」を「６４歳」と読み替えることになるため（附則４条１項），雇用確保措置が義務付けられているのは６４歳までですが，６５歳までの雇用確保について「努力」義務が課せられています（附則４条２項）。
　厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」が取りまとめた「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」によると，平成２２（２０１０）年において，雇用確保措置を導入している企業の割合は，全企業の９６．６％であり，そのうち，①　定年の引上げの措置を講じた企業の割合　→　１３．９％②　継続雇用制度を導入した企業の割合　　　  →　８３．３％③　定年の定めを廃止した企業の割合　　　　　 →　２．８％ですから，トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくることに対する対策としては，通常は，②継続雇用制度を採用した上で，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」を定めるか，再雇用自体は認めた上で，担当業務内容，賃金額等の労働条件により不都合が生じないようにすることが考えられます。
　まずは，継続雇用の基準についてですが，継続雇用の基準は具体的で客観的なものである必要があり，トラブルが多い社員は継続雇用の対象とはならないといった抽象的な基準を定めたのでは，公共職業安定所において，必要な報告徴収が行われるとともに，助言・指導，勧告の対象となる可能性があります。　健康状態，出勤率，懲戒処分歴の有無，勤務成績等の客観的基準を定めるべきでしょう。　「JILPT「高齢者の雇用・採用に関する調査」（2008）」によると，実際の継続雇用制度の基準の内容としては，以下のようなものが多くなっています。①　健康上支障がないこと（９１．１％）②　働く意思・意欲があること（９０．２％）③　出勤率，勤務態度（６６．５％）④　会社が提示する職務内容に合意できること（５３．２％）⑤　一定の業績評価（５０．４％）
　常時１０人以上の労働者を使用する使用者が，継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定で定めた場合には，就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」に該当することとなるため，労働基準法第８９条に定めるところにより，労使協定により基準を策定した旨を就業規則に定め，就業規則の変更を管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。　高年齢者雇用安定法９条には私法的効力がない（民事訴訟で継続雇用を請求する根拠にならない）と一般に考えられていますが，就業規則に継続雇用の条件が定められていればそれが労働契約の内容となり，私法上の効力が生じることになります。　したがって，就業規則に規定された継続雇用の条件が満たされている場合は，高年齢者は，就業規則に基づき，継続雇用を請求できることになります。
　就業規則に定められた継続雇用の要件を満たしている定年退職者の継続雇用を拒否した場合，会社は損害賠償義務を負うことになります。　裁判例の中には，解雇権濫用法理の類推などにより，労働契約の成立自体が認められるとするものもあります。
　高年齢者雇用確保措置が義務付けられた主な趣旨が年金支給開始年齢引き上げに合わせた雇用対策であることからすれば，原則どおり，希望者全員を継続雇用するという選択肢もあり得ます。　統計上も，継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度により離職した者が定年到達者全体に占める割合は，わずか２．０％に過ぎません（「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」）。　平成２４年１月６日に労働政策審議会が建議した「今後の高年齢者雇用対策について」は，「雇用と年金を確実に接続させるため，現行の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準は廃止することが適当である。」としており，近い将来，立法により，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」によって継続雇用する高年齢者を選別することができなくなる可能性があります。　トラブルが多い点については，トラブルが生じにくい業務を担当させる（接客やチームワークが必要な仕事から外す等。）ことや，賃金の額を低く抑えること等により対処することも考えられます。
　高年齢者雇用安定法上，再雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく，年金支給開始年齢の６５歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的，最低賃金法等の強行法規，公序良俗に反しない限り，就業規則，個別労働契約等において自由に定めることができます。　もっとも，就業規則で再雇用後の賃金等の労働条件を定めて周知させている場合，それが労働条件となりますから，再雇用後の労働条件を，就業規則に定められている労働条件に満たないものにすることはできません。　また，高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が，年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策，年金支給開始年齢である６５歳までの安定した雇用機会の確保である以上，継続雇用後の賃金額に在職老齢年金，高年齢者雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が，従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきだと思います。
　高年齢者雇用安定法が求めているのは，継続雇用制度の導入であって，事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく，事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば，労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず，結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても，改正高年齢者雇用安定法違反となるものではありません（ただし，平成２５年３月３１日までは，その雇用する高年齢者等が定年，継続雇用制度終了による退職等により離職する場合であって，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，再就職援助の措置を講ずるよう努めることとされているため，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，求人の開拓など再就職の援助を行う必要があります。）。　したがって，トラブルの多い社員との間で，再雇用後の労働条件について折り合いがつかず，結果として再雇用に至らなかったとしても，それが直ちに問題となるわけではありません。
　なお，組合員差別により再雇用の期待を侵害したと認定された事案において，代表取締役個人が会社法４２９条１項の責任を負うとされた裁判例が存在しますので，注意が必要です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　高年齢者雇用安定法９条１項は，６５再未満の定年の定めをしている事業主に対し，その雇用する高年齢者の６５歳までの安定した雇用を確保するため，<br />①　定年の引上げ<br />②　継続雇用制度（現に雇用している高年齢者が希望するときは，当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。）の導入<br />③　定年の定めの廃止<br />のいずれかの措置（高年齢者雇用確保措置）を講じなければならないとしています。<br />　そして同条第２項において，過半数組合又は過半数代表者との間の書面による協定により，②継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めることができる旨規定されています。<br />※　平成２２年４月１日から平成２５年３月３１日までは，上記「６５歳」を「６４歳」と読み替えることになるため（附則４条１項），雇用確保措置が義務付けられているのは６４歳までですが，６５歳までの雇用確保について「努力」義務が課せられています（附則４条２項）。</p>
<p>　厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」が取りまとめた<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001fz36.html">「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」</a>によると，平成２２（２０１０）年において，雇用確保措置を導入している企業の割合は，全企業の９６．６％であり，そのうち，<br />①　定年の引上げの措置を講じた企業の割合　→　１３．９％<br />②　継続雇用制度を導入した企業の割合　　　  →　８３．３％<br />③　定年の定めを廃止した企業の割合　　　　　 →　２．８％<br />ですから，トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくることに対する対策としては，通常は，②継続雇用制度を採用した上で，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」を定めるか，再雇用自体は認めた上で，担当業務内容，賃金額等の労働条件により不都合が生じないようにすることが考えられます。</p>
<p>　まずは，継続雇用の基準についてですが，継続雇用の基準は具体的で客観的なものである必要があり，トラブルが多い社員は継続雇用の対象とはならないといった抽象的な基準を定めたのでは，公共職業安定所において，必要な報告徴収が行われるとともに，助言・指導，勧告の対象となる可能性があります。<br />　健康状態，出勤率，懲戒処分歴の有無，勤務成績等の客観的基準を定めるべきでしょう。<br />　「JILPT「高齢者の雇用・採用に関する調査」（2008）」によると，実際の継続雇用制度の基準の内容としては，以下のようなものが多くなっています。<br />①　健康上支障がないこと（９１．１％）<br />②　働く意思・意欲があること（９０．２％）<br />③　出勤率，勤務態度（６６．５％）<br />④　会社が提示する職務内容に合意できること（５３．２％）<br />⑤　一定の業績評価（５０．４％）</p>
<p>　常時１０人以上の労働者を使用する使用者が，継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定で定めた場合には，就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」に該当することとなるため，労働基準法第８９条に定めるところにより，労使協定により基準を策定した旨を就業規則に定め，就業規則の変更を管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。<br />　高年齢者雇用安定法９条には私法的効力がない（民事訴訟で継続雇用を請求する根拠にならない）と一般に考えられていますが，就業規則に継続雇用の条件が定められていればそれが労働契約の内容となり，私法上の効力が生じることになります。<br />　したがって，就業規則に規定された継続雇用の条件が満たされている場合は，高年齢者は，就業規則に基づき，継続雇用を請求できることになります。</p>
<p>　就業規則に定められた継続雇用の要件を満たしている定年退職者の継続雇用を拒否した場合，会社は損害賠償義務を負うことになります。<br />　裁判例の中には，解雇権濫用法理の類推などにより，労働契約の成立自体が認められるとするものもあります。</p>
<p>　高年齢者雇用確保措置が義務付けられた主な趣旨が年金支給開始年齢引き上げに合わせた雇用対策であることからすれば，原則どおり，希望者全員を継続雇用するという選択肢もあり得ます。<br />　統計上も，継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度により離職した者が定年到達者全体に占める割合は，わずか２．０％に過ぎません（<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001fz36-att/2r9852000001fzaz.pdf">「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」</a>）。<br />　<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001zl0e-att/2r9852000001zl45.pdf">平成２４年１月６日に労働政策審議会が建議した「今後の高年齢者雇用対策について」</a>は，「雇用と年金を確実に接続させるため，現行の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準は廃止することが適当である。」としており，近い将来，立法により，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」によって継続雇用する高年齢者を選別することができなくなる可能性があります。<br />　トラブルが多い点については，トラブルが生じにくい業務を担当させる（接客やチームワークが必要な仕事から外す等。）ことや，賃金の額を低く抑えること等により対処することも考えられます。</p>
<p>　高年齢者雇用安定法上，再雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく，年金支給開始年齢の６５歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的，最低賃金法等の強行法規，公序良俗に反しない限り，就業規則，個別労働契約等において自由に定めることができます。<br />　もっとも，就業規則で再雇用後の賃金等の労働条件を定めて周知させている場合，それが労働条件となりますから，再雇用後の労働条件を，就業規則に定められている労働条件に満たないものにすることはできません。<br />　また，高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が，年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策，年金支給開始年齢である６５歳までの安定した雇用機会の確保である以上，継続雇用後の賃金額に在職老齢年金，高年齢者雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が，従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきだと思います。</p>
<p>　高年齢者雇用安定法が求めているのは，継続雇用制度の導入であって，事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく，事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば，労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず，結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても，改正高年齢者雇用安定法違反となるものではありません（ただし，平成２５年３月３１日までは，その雇用する高年齢者等が定年，継続雇用制度終了による退職等により離職する場合であって，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，再就職援助の措置を講ずるよう努めることとされているため，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，求人の開拓など再就職の援助を行う必要があります。）。<br />　したがって，トラブルの多い社員との間で，再雇用後の労働条件について折り合いがつかず，結果として再雇用に至らなかったとしても，それが直ちに問題となるわけではありません。</p>
<p>　なお，組合員差別により再雇用の期待を侵害したと認定された事案において，代表取締役個人が会社法４２９条１項の責任を負うとされた裁判例が存在しますので，注意が必要です。</p>
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		<item>
		<title>「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）にいう「合理的な理由」があるといえるためには，どの程度の理由があることが必要なのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/176.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/176.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 11 Sep 2011 02:11:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1872</guid>
		<description><![CDATA[
　賃金（退職手当を除く。）の支払を怠った場合，退職後の期間の遅延利息は年１４．６％という高い利率になる可能性があります（賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条）が，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）などの厚生労働省令で定める事由に該当する場合には，その事由の存する期間については上記規定の適用はありません（賃金の支払の確保等に関する法律６条２項）。　では，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）にいう「合理的な理由」があるといえるためには，どの程度の理由があることが必要なのでしょうか。
　退職後の労働者から支払が遅滞していると主張されている賃金の存否を争うことに，厳密な意味での「合理的な理由」があるような場合は，そもそも未払賃金元本自体が存在しないと認定されるケースが多いと考えられますから，未払賃金の遅延利息の利率に関する定めである賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条や，その適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条の適用は問題となりません。　とすると，賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条が適用され，賃金の遅延利息の利率が年１４．６％となる可能性があり，そのその適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条適用の可否が問題となるのは，結果として，厳密な意味での「合理的な理由」がなかった場面ということになります。　厳密な意味での「合理的な理由」がない場面において，賃確法施行規則６条４号の「合理的な理由」を限定的に考えなければならないとすると，賃確法施行規則６条４号は適用場面がなくなり，死文化してしまいます。　賃確法施行規則６条４号に存在意義を認めるのであれば，「合理的な理由」は限定的に考えるべきではなく，一応の合理的な理由，明らかに不合理とまではいえない理由があれば足りると考えるべきことになるのではないでしょうか。
　私が使用者側代理人を務めた東京地方裁判所民事第１９部平成２２年（ワ）第４１４６６号賃金請求事件において，平成２３年９月９日に言い渡された判決（伊良原恵吾裁判官，平成２３年９月２７日確定）では，賃確法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」の存在について以下のとおり緩やかに判断されており，当該事案における未払割増賃金に対する遅延損害金の利率も，商事法定利率（年６分）によるべきものとされています。
　そもそも賃確法６条１項の趣旨は，退職労働者に対して支払うべき賃金（退職手当を除く。）を支払わない事業主に対して，高率の遅延利息の支払義務を課すことにより，民事的な側面から賃金の確保を促進し，かつ，事前に賃金未払が生ずることを防止しようとする点にあるが，ただ，それは，あくまで金銭を目的とする債務の不履行に係る損害賠償について規定した民法４１９条１項本文の利率（民法４０４条又は商法５１４条に規定する年５分又は年６分である。）に関する特則を定めたものにとどまる。　以上によると上記(1)の賃確法６条２項，同法施行規則６条は，遅延利息の利率に関する例外的規定である同法６条１項の適用を外し，実質的に原則的利率（民法４０４条又は商法５１４条）へ戻すための要件を定めたものであると解することができ，そうだとすると賃確法施行規則６条所定の各除外事由の内容を限定的に解しなければならない理由はなく，むしろ上記原則的利率との間に大きな隔たりがあること及び賃確法施行規則６条５号が除外事由の一つとして「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由」を定め，その適用範囲を拡げていることにかんがみると，同条所定の除外事由については，これを柔軟かつ緩やかに解するのが同法６条２項及び同施行規則６条の趣旨に適うものというべきである。　このように考えるならば，賃確法６条２項，同法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」には，裁判所又は労働委員会において，事業主が，確実かつ合理的な根拠資料が存する場合だけでなく，必ずしも合理的な理由がないとはいえない理由に基づき賃金の全部又は一部の存否を争っている場合も含まれているものと解するのが相当である。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　賃金（退職手当を除く。）の支払を怠った場合，退職後の期間の遅延利息は年１４．６％という高い利率になる可能性があります（賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条）が，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）などの厚生労働省令で定める事由に該当する場合には，その事由の存する期間については上記規定の適用はありません（賃金の支払の確保等に関する法律６条２項）。<br />　では，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）にいう「合理的な理由」があるといえるためには，どの程度の理由があることが必要なのでしょうか。</p>
<p>　退職後の労働者から支払が遅滞していると主張されている賃金の存否を争うことに，厳密な意味での「合理的な理由」があるような場合は，そもそも未払賃金元本自体が存在しないと認定されるケースが多いと考えられますから，未払賃金の遅延利息の利率に関する定めである賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条や，その適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条の適用は問題となりません。<br />　とすると，賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条が適用され，賃金の遅延利息の利率が年１４．６％となる可能性があり，そのその適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条適用の可否が問題となるのは，結果として，厳密な意味での「合理的な理由」がなかった場面ということになります。<br />　厳密な意味での「合理的な理由」がない場面において，賃確法施行規則６条４号の「合理的な理由」を限定的に考えなければならないとすると，賃確法施行規則６条４号は適用場面がなくなり，死文化してしまいます。<br />　賃確法施行規則６条４号に存在意義を認めるのであれば，「合理的な理由」は限定的に考えるべきではなく，一応の合理的な理由，明らかに不合理とまではいえない理由があれば足りると考えるべきことになるのではないでしょうか。</p>
<p>　私が使用者側代理人を務めた東京地方裁判所民事第１９部平成２２年（ワ）第４１４６６号賃金請求事件において，平成２３年９月９日に言い渡された判決（伊良原恵吾裁判官，平成２３年９月２７日確定）では，賃確法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」の存在について以下のとおり緩やかに判断されており，当該事案における未払割増賃金に対する遅延損害金の利率も，商事法定利率（年６分）によるべきものとされています。</p>
<p>　そもそも賃確法６条１項の趣旨は，退職労働者に対して支払うべき賃金（退職手当を除く。）を支払わない事業主に対して，高率の遅延利息の支払義務を課すことにより，民事的な側面から賃金の確保を促進し，かつ，事前に賃金未払が生ずることを防止しようとする点にあるが，ただ，それは，あくまで金銭を目的とする債務の不履行に係る損害賠償について規定した民法４１９条１項本文の利率（民法４０４条又は商法５１４条に規定する年５分又は年６分である。）に関する特則を定めたものにとどまる。<br />　以上によると上記(1)の賃確法６条２項，同法施行規則６条は，遅延利息の利率に関する例外的規定である同法６条１項の適用を外し，実質的に原則的利率（民法４０４条又は商法５１４条）へ戻すための要件を定めたものであると解することができ，そうだとすると賃確法施行規則６条所定の各除外事由の内容を限定的に解しなければならない理由はなく，むしろ上記原則的利率との間に大きな隔たりがあること及び賃確法施行規則６条５号が除外事由の一つとして「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由」を定め，その適用範囲を拡げていることにかんがみると，同条所定の除外事由については，これを柔軟かつ緩やかに解するのが同法６条２項及び同施行規則６条の趣旨に適うものというべきである。<br />　このように考えるならば，賃確法６条２項，同法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」には，裁判所又は労働委員会において，事業主が，確実かつ合理的な根拠資料が存する場合だけでなく，必ずしも合理的な理由がないとはいえない理由に基づき賃金の全部又は一部の存否を争っている場合も含まれているものと解するのが相当である。</p>
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		<item>
		<title>管理職なのに割増賃金（残業代）の請求をしてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m21.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m21.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 03 Sep 2011 11:50:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1857</guid>
		<description><![CDATA[
　管理職であっても，労基法上の労働者である以上，割増賃金の請求ができるのが原則です。　「監督若しくは管理の地位にある者」（管理監督者，労基法４１条２号）に該当する場合に，例外的に，時間外・休日割増賃金の支払の必要がなくなるということになります。　割増賃金の支払は労基法３７条で義務付けられていますが，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり，無効となった部分は労基法で定める労働基準となりいます（労基法１３条）。　したがって，賃金規定等で，管理職には時間外・休日勤務手当を支給しない旨規定して周知させていたり，本人から同意書を取っていたりしても，管理監督者に該当しない場合は，労基法３７条に基づき，割増賃金の請求が認められることになります。
　管理監督者は，一般に，「労働条件の決定その他労務管理について，経営者と一体的な立場にある者」をいうとされ，管理監督者であるかどうかは，①　職務の内容，権限及び責任の程度②　実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無，労働時間管理の程度③　待遇の内容，程度等の要素を総合的に考慮して，判断されることになります。　裁判所の考えている管理監督者の要件を充足するのは，本社の幹部社員など，ごく一部と考えられます。　管理監督者としていた社員から労基法３７条に基づく割増賃金の請求を受けるリスクを負いたくない場合は，管理監督者とする管理職の範囲を狭く捉えて上級管理職に限定し，その他の管理職には割増賃金を満額支給する扱いにしておいた方が無難です。
　管理職になった途端残業代が支給されなくなり，管理職になる前よりも給料の手取額が減るということがないようにして下さい。　残業代対策のために管理職に就けるという発想はリスクが高いですから，やめて下さい。
　管理監督者であっても，深夜割増賃金（２５％部分のみ）の支払は必要です。　管理監督者に該当する労働者の所定賃金が，労働協約，就業規則その他によって一定額の深夜割増賃金を含める趣旨で定められていることが明らかな場合には，その額の限度では当該労働者が深夜割増賃金の支払を受けることを認める必要はありません。　役職手当等に深夜割増賃金が含まれていると規定していたとしても，深夜割増賃金としての性質を有する部分とそれ以外の部分とを判別することができない場合は，深夜割増賃金の支払があったとは認められないことに注意が必要です。　役職手当等のうち何円が深夜割増賃金なのか，明確に分かるよう定めておくべきでしょう。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　管理職であっても，労基法上の労働者である以上，割増賃金の請求ができるのが原則です。<br />　「監督若しくは管理の地位にある者」（管理監督者，労基法４１条２号）に該当する場合に，例外的に，時間外・休日割増賃金の支払の必要がなくなるということになります。<br />　割増賃金の支払は労基法３７条で義務付けられていますが，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり，無効となった部分は労基法で定める労働基準となりいます（労基法１３条）。<br />　したがって，賃金規定等で，管理職には時間外・休日勤務手当を支給しない旨規定して周知させていたり，本人から同意書を取っていたりしても，管理監督者に該当しない場合は，労基法３７条に基づき，割増賃金の請求が認められることになります。</p>
<p>　管理監督者は，一般に，「労働条件の決定その他労務管理について，経営者と一体的な立場にある者」をいうとされ，管理監督者であるかどうかは，<br />①　職務の内容，権限及び責任の程度<br />②　実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無，労働時間管理の程度<br />③　待遇の内容，程度<br />等の要素を総合的に考慮して，判断されることになります。<br />　裁判所の考えている管理監督者の要件を充足するのは，本社の幹部社員など，ごく一部と考えられます。<br />　管理監督者としていた社員から労基法３７条に基づく割増賃金の請求を受けるリスクを負いたくない場合は，管理監督者とする管理職の範囲を狭く捉えて上級管理職に限定し，その他の管理職には割増賃金を満額支給する扱いにしておいた方が無難です。</p>
<p>　管理職になった途端残業代が支給されなくなり，管理職になる前よりも給料の手取額が減るということがないようにして下さい。<br />　残業代対策のために管理職に就けるという発想はリスクが高いですから，やめて下さい。</p>
<p>　管理監督者であっても，深夜割増賃金（２５％部分のみ）の支払は必要です。<br />　管理監督者に該当する労働者の所定賃金が，労働協約，就業規則その他によって一定額の深夜割増賃金を含める趣旨で定められていることが明らかな場合には，その額の限度では当該労働者が深夜割増賃金の支払を受けることを認める必要はありません。<br />　役職手当等に深夜割増賃金が含まれていると規定していたとしても，深夜割増賃金としての性質を有する部分とそれ以外の部分とを判別することができない場合は，深夜割増賃金の支払があったとは認められないことに注意が必要です。<br />　役職手当等のうち何円が深夜割増賃金なのか，明確に分かるよう定めておくべきでしょう。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>勝手に残業して，残業代を請求してくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m20.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m20.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 24 Aug 2011 04:44:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1772</guid>
		<description><![CDATA[
　不必要に残業をする社員に対しては，注意，指導して，改めさせる必要があります。　長時間労働は，残業代請求の問題にとどまるものではなく，過労死，過労自殺，うつ病等の問題にもつながりますので，放置してはいけません。　不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が指導に従わない場合は，現実にオフィスから外に出るまで指導する必要があります。
　終業時刻後も社内の仕事をするスペースに残っている場合，残業していると評価される可能性が高くなります。　残業させる必要がない場合は，社内の仕事をするスペースから現実に外に出すべきでしょう。　最低限，タイムカードを打刻させる必要がありますが，いつまでも部屋に残っているのを放置していると，タイムカード打刻後も残業させられていたと主張されて，残業代請求を受けるリスクが生じることになります。　やはり，現実に，社内の仕事をするスペースから外に出すのが本筋でしょう。
　仕事の合間に，食事したり，仕事とは関係のない本を読んだり，おしゃべりしたり，居眠りした場合であっても，それが何月何日の何時から何時までのことなのか特定できないと，所定の休憩時間を超えて労働時間から差し引いてもらえません。　まとまった時間，仕事から離脱したような場合でない限り，仕事をしていなかった時間を特定することはできないのが通常です。　居眠り等が目に余る場合は，その都度，上司が注意，指導して仕事させるのが本筋です。
　残業させたら残業代（割増賃金）の支払を免れることはできないという前提で考える必要があります。　残業自体を減らすことで残業代の発生を抑制するか，残業代を支払済みにしておく必要があります。　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因であった場合であっても，現実に残業している場合は，残業時間として残業代の支払義務が生じることになります。　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことは，注意，指導，教育等で改善させるとともに，人事考課で考慮すべき問題であって，残業時間に対し残業代を支払わなくてもよくなるわけではありません。
　一定金額の残業手当を支給し，その金額の範囲内で残業を行う旨合意されていたとしても，残業手当の金額を超えて労基法上の割増賃金が発生している場合は，不足額部分の支払義務が生じることになりますので，そのような合意で割増賃金の支払額を限定することはできません。　例えば，「月５万円の残業代を払うから，５万円の範囲内で残業して下さい。」と伝えていたとしても，社員が現実に残業した時間で残業代を計算した結果，残業代の金額が５万円を超えた場合は，原則として追加の割増賃金の支払を余儀なくされることになります。
　部下に残業させて残業代を支払うのか，残業させずに帰すのかを決めるのは上司の責任ですから，社員の残業代問題は，上司の管理能力が問われることになります。　その日のうちに終わらせる必要がないような仕事については，翌日以降の所定労働時間内にさせるといった対応が必要となります。　明示の残業命令を出していなくても，残業していることを知りながら放置していた場合は，想定外の時間にまで残業していたような例外を除き，黙示の残業命令があったと認定されるのが通常です。　実際の事案では，どれだけ残業していたのかはよく分からなくても，残業していたこと自体は上司が認識しつつ放置していることが多いというのが実情です。　上司が残業に気付いたら，残業をやめさせて帰宅させるか，残業代の支払を覚悟の上で仕事を続けさせるか，どちらかを選択する必要があります。　残業する場合には，上司に申告してその決裁を受けなければならない旨就業規則等に定められていたとしても，実際には決済を受けずに仕事をしていて，上司がそれを知りつつ放置していた場合は，黙示の残業命令により残業していたと認定され，残業代の支払を余儀なくされることになります。　「上司が先に帰って，部下が上司の知らないところで残業したような場合も，残業代を支払わなければならないのですか？」といった質問を受けることがありますが，弁護士に相談するような事案はたいてい，毎日のように部下が残業をしているのを上司が知りながら放置しているケースです。　部下がたまたま１日だけ，上司の知らないうちにこっそり残業したといった程度の場合は，そもそも，弁護士に相談しなければならないような問題にはなりません。
　残業代請求の訴訟では，タイムカードに打刻された出社時刻と退社時刻との間の時間から休憩時間を差し引いた時間が，その日の実労働時間と認定されることが多くなっています。　タイムカードの打刻時間が，実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合は，それを敢えて容認してタイムカードに基づいて割増賃金を支払うか，働き始める直前，働き終わった直後にタイムカードを打刻させるようにすべきでしょう。
　労働時間（残業時間）の自己申告制を採用している会社も多いですが，自己申告制では，現実の労働時間残業時間よりも少ない時間が申告されることがあります。　後から訴訟になった場合，自己申告した労働時間が，実際の労働時間に満たない場合は，実際の労働時間に基づいて残業代が算定されることになります。　適切に運用しないと，隠れ残業時間（残業代不払い）が生じるリスクを負うことになりかねません。　パソコンのオンオフのログで在社時間をチェックし，自己申告の労働時間との齟齬が大きい場合には事情説明を求める等の工夫をすべきでしょう。
　長時間労働は，過労死，過労自殺，うつ病等の問題が生じやすいという問題があります。　当該社員の人生が破壊されるだけでなく，会社も高額の損害賠償義務を負うことになることがあります。　本人の同意があったとしても，月８０時間を超えるような時間外・休日労働をさせるのは勧められません。　時間外・休日労働は，できる限り月４５時間以内に抑えるべきと考えます。
　なお，平成１３年１２月１２日基発第１０６３号「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」「(3) 長期間の過重業務について」には，以下のような記述があります。ア　疲労の蓄積の考え方　恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。　このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断することとする。イ　特に過重な業務　特に過重な業務の考え方は、前記(2)のアの「特に過重な業務」の場合と同様である。ウ　評価期間　発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月間をいう。　なお、発症前おおむね6か月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するに当たり、付加的要因として考慮すること。エ　過重負荷の有無の判断(ア)　著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚等にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。(イ)　業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、労働時間のほか前記(2)のウの(ウ)のbからgまでに示した負荷要因について十分検討すること。その際、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、[1]　発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること[2] 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。　ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。　また、休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連性をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。
　また，平成２３年１２月２６日基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」の「（４）時間外労働時間数の評価」には，以下のような記述があります。ア　極度の長時間労働による評価　極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、発病日から起算した直前の１か月間におおむね１６０時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。イ　長時間労働の「出来事」としての評価　長時間労働以外に特段の出来事が存在しない場合には、長時間労働それ自体を「出来事」とし、新たに設けた「１か月に８０時間以上の時間外労働を行った（項目１６）」という具体的出来事に当てはめて心理的負荷を評価する。　項目１６の平均的な心理的負荷の強度は「Ⅱ」であるが、発病日から起算した直前の２か月間に１月当たりおおむね１２０時間以上の長時間労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。項目１６では、「仕事内容・仕事量の（大きな）変化を生じさせる出来事があった（項目１５）」と異なり、労働時間数がそれ以前と比べて増加していることは必要な条件ではない。　なお、他の出来事がある場合には、時間外労働の状況は下記ウによる総合評価において評価されることから、原則として項目１６では評価しない。ただし、項目１６で「強」と判断できる場合には、他に出来事が存在しても、この項目でも評価し、全体評価を「強」とする。ウ　恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価　出来事に対処するために生じた長時間労働は、心身の疲労を増加させ、ストレス対応能力を低下させる要因となることや、長時間労働が続く中で発生した出来事の心理的負荷はより強くなることから、出来事自体の心理的負荷と恒常的な長時間労働（月１００時間程度となる時間外労働）を関連させて総合評価を行う。　具体的には、「中」程度と判断される「出来事」の後に恒常的な時間外労働が認められる場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。　なお、「出来事」の前の恒常的な長時間労働の評価期間は、発病前おおむね６か月の間とする。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　不必要に残業をする社員に対しては，注意，指導して，改めさせる必要があります。<br />　長時間労働は，残業代請求の問題にとどまるものではなく，過労死，過労自殺，うつ病等の問題にもつながりますので，放置してはいけません。<br />　不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が指導に従わない場合は，現実にオフィスから外に出るまで指導する必要があります。</p>
<p>　終業時刻後も社内の仕事をするスペースに残っている場合，残業していると評価される可能性が高くなります。<br />　残業させる必要がない場合は，社内の仕事をするスペースから現実に外に出すべきでしょう。<br />　最低限，タイムカードを打刻させる必要がありますが，いつまでも部屋に残っているのを放置していると，タイムカード打刻後も残業させられていたと主張されて，残業代請求を受けるリスクが生じることになります。<br />　やはり，現実に，社内の仕事をするスペースから外に出すのが本筋でしょう。</p>
<p>　仕事の合間に，食事したり，仕事とは関係のない本を読んだり，おしゃべりしたり，居眠りした場合であっても，それが何月何日の何時から何時までのことなのか特定できないと，所定の休憩時間を超えて労働時間から差し引いてもらえません。<br />　まとまった時間，仕事から離脱したような場合でない限り，仕事をしていなかった時間を特定することはできないのが通常です。<br />　居眠り等が目に余る場合は，その都度，上司が注意，指導して仕事させるのが本筋です。</p>
<p>　残業させたら残業代（割増賃金）の支払を免れることはできないという前提で考える必要があります。<br />　残業自体を減らすことで残業代の発生を抑制するか，残業代を支払済みにしておく必要があります。<br />　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因であった場合であっても，現実に残業している場合は，残業時間として残業代の支払義務が生じることになります。<br />　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことは，注意，指導，教育等で改善させるとともに，人事考課で考慮すべき問題であって，残業時間に対し残業代を支払わなくてもよくなるわけではありません。</p>
<p>　一定金額の残業手当を支給し，その金額の範囲内で残業を行う旨合意されていたとしても，残業手当の金額を超えて労基法上の割増賃金が発生している場合は，不足額部分の支払義務が生じることになりますので，そのような合意で割増賃金の支払額を限定することはできません。<br />　例えば，「月５万円の残業代を払うから，５万円の範囲内で残業して下さい。」と伝えていたとしても，社員が現実に残業した時間で残業代を計算した結果，残業代の金額が５万円を超えた場合は，原則として追加の割増賃金の支払を余儀なくされることになります。</p>
<p>　部下に残業させて残業代を支払うのか，残業させずに帰すのかを決めるのは上司の責任ですから，社員の残業代問題は，上司の管理能力が問われることになります。<br />　その日のうちに終わらせる必要がないような仕事については，翌日以降の所定労働時間内にさせるといった対応が必要となります。<br />　明示の残業命令を出していなくても，残業していることを知りながら放置していた場合は，想定外の時間にまで残業していたような例外を除き，黙示の残業命令があったと認定されるのが通常です。<br />　実際の事案では，どれだけ残業していたのかはよく分からなくても，残業していたこと自体は上司が認識しつつ放置していることが多いというのが実情です。<br />　上司が残業に気付いたら，残業をやめさせて帰宅させるか，残業代の支払を覚悟の上で仕事を続けさせるか，どちらかを選択する必要があります。<br />　残業する場合には，上司に申告してその決裁を受けなければならない旨就業規則等に定められていたとしても，実際には決済を受けずに仕事をしていて，上司がそれを知りつつ放置していた場合は，黙示の残業命令により残業していたと認定され，残業代の支払を余儀なくされることになります。<br />　「上司が先に帰って，部下が上司の知らないところで残業したような場合も，残業代を支払わなければならないのですか？」といった質問を受けることがありますが，弁護士に相談するような事案はたいてい，毎日のように部下が残業をしているのを上司が知りながら放置しているケースです。<br />　部下がたまたま１日だけ，上司の知らないうちにこっそり残業したといった程度の場合は，そもそも，弁護士に相談しなければならないような問題にはなりません。</p>
<p>　残業代請求の訴訟では，タイムカードに打刻された出社時刻と退社時刻との間の時間から休憩時間を差し引いた時間が，その日の実労働時間と認定されることが多くなっています。<br />　タイムカードの打刻時間が，実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合は，それを敢えて容認してタイムカードに基づいて割増賃金を支払うか，働き始める直前，働き終わった直後にタイムカードを打刻させるようにすべきでしょう。</p>
<p>　労働時間（残業時間）の自己申告制を採用している会社も多いですが，自己申告制では，現実の労働時間残業時間よりも少ない時間が申告されることがあります。<br />　後から訴訟になった場合，自己申告した労働時間が，実際の労働時間に満たない場合は，実際の労働時間に基づいて残業代が算定されることになります。<br />　適切に運用しないと，隠れ残業時間（残業代不払い）が生じるリスクを負うことになりかねません。<br />　パソコンのオンオフのログで在社時間をチェックし，自己申告の労働時間との齟齬が大きい場合には事情説明を求める等の工夫をすべきでしょう。</p>
<p>　長時間労働は，過労死，過労自殺，うつ病等の問題が生じやすいという問題があります。<br />　当該社員の人生が破壊されるだけでなく，会社も高額の損害賠償義務を負うことになることがあります。<br />　本人の同意があったとしても，月８０時間を超えるような時間外・休日労働をさせるのは勧められません。<br />　時間外・休日労働は，できる限り月４５時間以内に抑えるべきと考えます。</p>
<p>　なお，<a href="http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-42/hor1-42-62-1-0.htm">平成１３年１２月１２日基発第１０６３号「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」</a>「(3) 長期間の過重業務について」には，以下のような記述があります。<br />ア　疲労の蓄積の考え方<br />　恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。<br />　このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断することとする。<br />イ　特に過重な業務<br />　特に過重な業務の考え方は、前記(2)のアの「特に過重な業務」の場合と同様である。<br />ウ　評価期間<br />　発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月間をいう。<br />　なお、発症前おおむね6か月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するに当たり、付加的要因として考慮すること。<br />エ　過重負荷の有無の判断<br />(ア)　著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚等にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。<br />(イ)　業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、労働時間のほか前記(2)のウの(ウ)のbからgまでに示した負荷要因について十分検討すること。<br />その際、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、<br /><span style="text-decoration: underline;">[1]　発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること<br />[2] 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること<br /></span>を踏まえて判断すること。<br />　ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。<br />　また、休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連性をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。</p>
<p>　また，<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf">平成２３年１２月２６日基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」</a>の「（４）時間外労働時間数の評価」には，以下のような記述があります。<br />ア　極度の長時間労働による評価<br />　極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、<span style="text-decoration: underline;">発病日から起算した直前の１か月間におおむね１６０時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする</span>。<br />イ　長時間労働の「出来事」としての評価<br />　<span style="text-decoration: underline;">長時間労働以外に特段の出来事が存在しない場合には、長時間労働それ自体を「出来事」とし、新たに設けた「１か月に８０時間以上の時間外労働を行った（項目１６）」という具体的出来事に当てはめて心理的負荷を評価する。<br /></span>　<span style="text-decoration: underline;">項目１６の平均的な心理的負荷の強度は「Ⅱ」であるが、発病日から起算した直前の２か月間に１月当たりおおむね１２０時間以上の長時間労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。</span>項目１６では、「仕事内容・仕事量の（大きな）変化を生じさせる出来事があった（項目１５）」と異なり、労働時間数がそれ以前と比べて増加していることは必要な条件ではない。<br />　なお、他の出来事がある場合には、時間外労働の状況は下記ウによる総合評価において評価されることから、原則として項目１６では評価しない。ただし、項目１６で「強」と判断できる場合には、他に出来事が存在しても、この項目でも評価し、全体評価を「強」とする。<br />ウ　恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価<br />　出来事に対処するために生じた長時間労働は、心身の疲労を増加させ、ストレス対応能力を低下させる要因となることや、長時間労働が続く中で発生した出来事の心理的負荷はより強くなることから、<span style="text-decoration: underline;">出来事自体の心理的負荷と恒常的な長時間労働（月１００時間程度となる時間外労働）を関連させて総合評価を行う</span>。<br />　具体的には、<span style="text-decoration: underline;">「中」程度と判断される「出来事」の後に恒常的な時間外労働が認められる場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする</span>。<br />　なお、「出来事」の前の恒常的な長時間労働の評価期間は、発病前おおむね６か月の間とする。</p>
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		<title>賃金が残業代（割増賃金）込みの金額である旨納得して入社したにもかかわらず，残業代の請求をしてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m19.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m19.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 24 Aug 2011 03:09:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1761</guid>
		<description><![CDATA[
　残業代（割増賃金）の支払は労基法３７条で義務付けられているものですが，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり，無効となった部分は労基法で定める労働基準となりますので（労基法１３条），労基法３７条に定める残業代（割増賃金）を支払わないとする合意は無効となるため，残業代（割増賃金）を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させてから残業させた場合であっても，使用者は残業代（割増賃金）の支払義務を免れることはできないことになります。
　割増部分（残業代に相当する金額）を特定せずに，基本給に残業代（割増賃金）全額が含まれる旨合意し，合意書に署名押印させていたとしても，これを有効と認めてしまうと，残業代（割増賃金）を支払わずに時間外労働等をさせるのと変わらない結果になってしまうため，残業代（割増賃金）の支払があったとは認められません。　この結論は，年俸制社員であっても，変わりません。　モルガン・スタンレー・ジャパン（超過勤務手当）事件東京地裁平成１７年１０月１９日判決では，割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていないにもかかわらず，基本給に残業代（割増賃金）が含まれているとする会社側の主張が認められていますが，基本給だけで月額１８３万円超えている（別途，多額のボーナス支給等もある。）等，追加の残業代（割増賃金）の請求を認めるのが相当でない特殊事情があった事案であり，通常の事例にまで同様の判断がなされると考えることはできません。
　残業代（割増賃金）が賃金に含まれている旨の合意が有効であるというためには，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができる必要があります。　割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていない場合は，残業代（割増賃金）が全く支払われていない前提で残業代（割増賃金）が算定され，その支払義務を負うことになります。　一般的には，支給した残業代（割増賃金）の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を計算できる定め方であれば，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができると評価することができるものと思われます。　労基法上の計算方法で残業代（割増賃金）の金額を計算した結果，残業手当等の金額で不足する場合は，不足額を当該賃金の支払期（当該賃金計算期間に対応する給料日）に支払う法的義務が生じることになります。
　小里機材事件東京地裁昭和６２年１月３０日判決が「傍論」で，「仮に，月１５時間の時間外労働に対する割増賃金を基本給に含める旨の合意がされたとしても，その基本給のうち割増賃金に当たる部分が明確に区別されて合意がされ，かつ労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されている場合にのみ，その予定割増賃金分を当該月の割増賃金の一部又は全部とすることができるものと解すべき」判断し，控訴審判決である東京高裁昭和６２年１１月３０日判決はこの地裁判決の判決理由を引用して控訴を棄却し，上告審の最高裁第一小法廷昭和６３年７月１４日判決も高裁の認定判断は正当として是認することができるとして上告を棄却していることから，労働者側から，割増部分が「明確に」区別されていないから残業代（割増賃金）の支払がなされていると評価することはできないとか，労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されていないから固定残業代部分を残業代（割増賃金）の弁済と評価することはできないとかいった主張がなされることがあります。　この論争を回避するためには，固定残業代の「金額」を明示して給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄等にもその金額を明確に記載しておくとともに，賃金規定に労基法所定の計算方法による額が固定残業代の額を上回る場合にはその不足額を支払う旨規定し，周知させておくとよいでしょう。
　労働条件通知書等において基本給と時間外手当を明確に分けて「基本給○○円，残業手当○○円」と定め，給与明細書や賃金台帳でも項目を分けて金額を明示しているものについては，支給した割増賃金の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうかを容易に計算できるのが通常のため，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができるものといえ，有効性が否定されるリスクは低いと思われます。　ただし，「基本給１５万円，残業手当１５万円」といったように，残業手当の比率が極端に高い場合は，合意内容があまりにも労働者に不利益なため，合意の有効性が否定されるリスクが高くなりますので，避けるべきです。　やり過ぎはよくありません。
　「基本給には，４５時間分の残業手当を含む。」といった規定の仕方も広く行われており，一応，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができるといえなくもありませんので，一般には有効と考えられています。　しかし，給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄が空欄となっていたり，０円と記載されていたりすることが多く，一見して残業代（割増賃金）が支払われているようには見えないため，紛争となりやすくなっています。　また，「４５時間分の残業手当」が何円で，残業手当以外の金額が何円なのかが一見して分からず，方程式を解くようなやり方をしないと，残業代（割増賃金）に相当する金額と通常の賃金に相当する金額を算定できなかったり，４５時間を超えて残業した場合にどのように計算して追加の残業代（割増賃金）を計算すればいいのか分かりにくかったりすることがあるため，有効性が否定されるリスクが残ります。　労基法上，深夜の時間外労働（５０％増し以上），法定休日労働の割増賃金額（３５％増し以上）等は，通常の時間外労働の割増賃金額（２５％増し以上）と単価が異なるが，どれも等しく「４５時間分」の時間に含まれるのか，あるいは時間外勤務分だけが含まれており，深夜割増賃金や法定休日割増賃金は別途支払う趣旨なのか，その文言だけからでは明らかではないこともあります。　支給した固定残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を容易に計算できるような定め方にしておくべきでしょう。
　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であるとは読み取れない手当を残業代（割増賃金）の趣旨で支給する場合は，賃金規定等にその全部又は一部が残業代（割増賃金）の支払の趣旨である旨明記して周知させておく必要があります。　労働条件通知書や賃金規定等に残業代（割増賃金）の趣旨で支給する旨明記されていないと，裁判所に残業代（割増賃金）の支払であると認定してもらうのが難しくなります。　これに対し，「残業手当」「時間外勤務手当」等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であることが分かる名目で支給し，給与明細書にその金額の記載がある場合は，リスクが小さくなります。　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であるとは読み取れない手当の「一部」を残業代（割増賃金）の趣旨で支給する場合にも，割増部分（残業代に相当する金額）を特定して支給しないと，残業代（割増賃金）の支払とは認められません。　例えば，役職手当として５万円を支給し，残業代（割増賃金）が含まれているという扱いにしている場合，役職者としての責任等に対する対価が何円で，残業代（割増賃金）が何円なのか分からないと，残業代（割増賃金）の支払が全くなされていないことを前提として残業代（割増賃金）額が算定され，支払義務を負うことになります。　管理監督者についても，深夜割増賃金の算定，支払が必要となるため，同様の問題が生じ得ます。
　固定残業代の比率が高い会社は，長時間労働が予定されていることが多く，１月あたりの残業時間が８０時間とか，１００時間に及ぶことも珍しくありません。　長時間労働を予定した給与体系を採用し，長時間労働により社員が死亡する等した場合は，会社が多額の損害賠償義務を負うことになるだけでなく，代表取締役社長その他の会社役員も高額の損害賠償義務を負うことになるリスクもあります。　固定残業代の金額は，１月当たり４５時間分程度の金額に抑えることが望ましく，月８０時間分の残業代を超えるような金額にすべきではありません。　固定残業代の比率が高い会社は，賃金単価が低いことが多く（極端な場合は時給１０００円を下回り，賞与を考慮しないとパート・アルバイトよりも時給単価が低いことさえあります。），優秀な社員が集まりにくく，社員の離職率も高くなりがちで，有能な社員ほど，すぐに退職してしまう傾向にあります。　固定残業代の比率が高い会社は，体裁が悪いせいか，採用募集広告では，固定残業代の比率が高いことを隠そうとする傾向にあります。　その結果，入社した社員は騙されたような気分になり，すぐに退職したり，トラブルに発展したりすることになりがちです。　採用募集広告に明示できないような給与体系は採用しないようにする必要があります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　残業代（割増賃金）の支払は労基法３７条で義務付けられているものですが，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり，無効となった部分は労基法で定める労働基準となりますので（労基法１３条），労基法３７条に定める残業代（割増賃金）を支払わないとする合意は無効となるため，残業代（割増賃金）を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させてから残業させた場合であっても，使用者は残業代（割増賃金）の支払義務を免れることはできないことになります。</p>
<p>　割増部分（残業代に相当する金額）を特定せずに，基本給に残業代（割増賃金）全額が含まれる旨合意し，合意書に署名押印させていたとしても，これを有効と認めてしまうと，残業代（割増賃金）を支払わずに時間外労働等をさせるのと変わらない結果になってしまうため，残業代（割増賃金）の支払があったとは認められません。<br />　この結論は，年俸制社員であっても，変わりません。<br />　モルガン・スタンレー・ジャパン（超過勤務手当）事件東京地裁平成１７年１０月１９日判決では，割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていないにもかかわらず，基本給に残業代（割増賃金）が含まれているとする会社側の主張が認められていますが，基本給だけで月額１８３万円超えている（別途，多額のボーナス支給等もある。）等，追加の残業代（割増賃金）の請求を認めるのが相当でない特殊事情があった事案であり，通常の事例にまで同様の判断がなされると考えることはできません。</p>
<p>　残業代（割増賃金）が賃金に含まれている旨の合意が有効であるというためには，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができる必要があります。<br />　割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていない場合は，残業代（割増賃金）が全く支払われていない前提で残業代（割増賃金）が算定され，その支払義務を負うことになります。<br />　一般的には，支給した残業代（割増賃金）の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を計算できる定め方であれば，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができると評価することができるものと思われます。<br />　労基法上の計算方法で残業代（割増賃金）の金額を計算した結果，残業手当等の金額で不足する場合は，不足額を当該賃金の支払期（当該賃金計算期間に対応する給料日）に支払う法的義務が生じることになります。</p>
<p>　小里機材事件東京地裁昭和６２年１月３０日判決が「傍論」で，「仮に，月１５時間の時間外労働に対する割増賃金を基本給に含める旨の合意がされたとしても，その基本給のうち割増賃金に当たる部分が明確に区別されて合意がされ，かつ労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されている場合にのみ，その予定割増賃金分を当該月の割増賃金の一部又は全部とすることができるものと解すべき」判断し，控訴審判決である東京高裁昭和６２年１１月３０日判決はこの地裁判決の判決理由を引用して控訴を棄却し，上告審の最高裁第一小法廷昭和６３年７月１４日判決も高裁の認定判断は正当として是認することができるとして上告を棄却していることから，労働者側から，割増部分が「明確に」区別されていないから残業代（割増賃金）の支払がなされていると評価することはできないとか，労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されていないから固定残業代部分を残業代（割増賃金）の弁済と評価することはできないとかいった主張がなされることがあります。<br />　この論争を回避するためには，固定残業代の「金額」を明示して給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄等にもその金額を明確に記載しておくとともに，賃金規定に労基法所定の計算方法による額が固定残業代の額を上回る場合にはその不足額を支払う旨規定し，周知させておくとよいでしょう。</p>
<p>　労働条件通知書等において基本給と時間外手当を明確に分けて「基本給○○円，残業手当○○円」と定め，給与明細書や賃金台帳でも項目を分けて金額を明示しているものについては，支給した割増賃金の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうかを容易に計算できるのが通常のため，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができるものといえ，有効性が否定されるリスクは低いと思われます。<br />　ただし，「基本給１５万円，残業手当１５万円」といったように，残業手当の比率が極端に高い場合は，合意内容があまりにも労働者に不利益なため，合意の有効性が否定されるリスクが高くなりますので，避けるべきです。<br />　やり過ぎはよくありません。</p>
<p>　「基本給には，４５時間分の残業手当を含む。」といった規定の仕方も広く行われており，一応，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代（割増賃金）に当たる部分とを判別することができるといえなくもありませんので，一般には有効と考えられています。<br />　しかし，給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄が空欄となっていたり，０円と記載されていたりすることが多く，一見して残業代（割増賃金）が支払われているようには見えないため，紛争となりやすくなっています。<br />　また，「４５時間分の残業手当」が何円で，残業手当以外の金額が何円なのかが一見して分からず，方程式を解くようなやり方をしないと，残業代（割増賃金）に相当する金額と通常の賃金に相当する金額を算定できなかったり，４５時間を超えて残業した場合にどのように計算して追加の残業代（割増賃金）を計算すればいいのか分かりにくかったりすることがあるため，有効性が否定されるリスクが残ります。<br />　労基法上，深夜の時間外労働（５０％増し以上），法定休日労働の割増賃金額（３５％増し以上）等は，通常の時間外労働の割増賃金額（２５％増し以上）と単価が異なるが，どれも等しく「４５時間分」の時間に含まれるのか，あるいは時間外勤務分だけが含まれており，深夜割増賃金や法定休日割増賃金は別途支払う趣旨なのか，その文言だけからでは明らかではないこともあります。<br />　支給した固定残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を容易に計算できるような定め方にしておくべきでしょう。</p>
<p>　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であるとは読み取れない手当を残業代（割増賃金）の趣旨で支給する場合は，賃金規定等にその全部又は一部が残業代（割増賃金）の支払の趣旨である旨明記して周知させておく必要があります。<br />　労働条件通知書や賃金規定等に残業代（割増賃金）の趣旨で支給する旨明記されていないと，裁判所に残業代（割増賃金）の支払であると認定してもらうのが難しくなります。<br />　これに対し，「残業手当」「時間外勤務手当」等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であることが分かる名目で支給し，給与明細書にその金額の記載がある場合は，リスクが小さくなります。<br />　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であるとは読み取れない手当の「一部」を残業代（割増賃金）の趣旨で支給する場合にも，割増部分（残業代に相当する金額）を特定して支給しないと，残業代（割増賃金）の支払とは認められません。<br />　例えば，役職手当として５万円を支給し，残業代（割増賃金）が含まれているという扱いにしている場合，役職者としての責任等に対する対価が何円で，残業代（割増賃金）が何円なのか分からないと，残業代（割増賃金）の支払が全くなされていないことを前提として残業代（割増賃金）額が算定され，支払義務を負うことになります。<br />　管理監督者についても，深夜割増賃金の算定，支払が必要となるため，同様の問題が生じ得ます。</p>
<p>　固定残業代の比率が高い会社は，長時間労働が予定されていることが多く，１月あたりの残業時間が８０時間とか，１００時間に及ぶことも珍しくありません。<br />　長時間労働を予定した給与体系を採用し，長時間労働により社員が死亡する等した場合は，会社が多額の損害賠償義務を負うことになるだけでなく，代表取締役社長その他の会社役員も高額の損害賠償義務を負うことになるリスクもあります。<br />　固定残業代の金額は，１月当たり４５時間分程度の金額に抑えることが望ましく，月８０時間分の残業代を超えるような金額にすべきではありません。<br />　固定残業代の比率が高い会社は，賃金単価が低いことが多く（極端な場合は時給１０００円を下回り，賞与を考慮しないとパート・アルバイトよりも時給単価が低いことさえあります。），優秀な社員が集まりにくく，社員の離職率も高くなりがちで，有能な社員ほど，すぐに退職してしまう傾向にあります。<br />　固定残業代の比率が高い会社は，体裁が悪いせいか，採用募集広告では，固定残業代の比率が高いことを隠そうとする傾向にあります。<br />　その結果，入社した社員は騙されたような気分になり，すぐに退職したり，トラブルに発展したりすることになりがちです。<br />　採用募集広告に明示できないような給与体系は採用しないようにする必要があります。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>期間雇用者を契約期間満了で雇止めしたところ，雇止めは無効だと主張してくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m18.html</link>
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		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 12:59:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　有期労働契約は契約期間満了で契約終了となるのが原則です。　ただし，有期労働契約が反復更新されて期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となった場合，雇用継続に対する労働者の期待利益に合理性がある場合は，雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されることになります。　雇止めに解雇権濫用法理が類推適用される場合で，雇止めに客観的に合理的理由がない場合や，社会通念上相当なものでない場合は，雇止めが無効となり，契約が更新されることになります。　解雇権濫用法理を類推適用する場合か否か，要求される合理的理由の程度について，裁判例では，「当該雇用の臨時性・常用性，更新の回数，雇用の通算期間，契約期間管理の状況，雇用継続の期待をもたせる言動・制度の有無」等が考慮されてきました（菅野『労働法』第九版１９２頁）。
　有期労働契約は，一般に，以下の①②③④に類型化されています。　②③④のタイプに対しては解雇権濫用規制が類推適用され，当該有期労働契約の事案に即した合理的理由が必要とされることになります。　これに対し，①のタイプでは類推適用が否定され，期間満了による契約終了が肯定されることになります（菅野『労働法』第九版１９２頁）。①　契約期間の満了によって当然に契約関係が終了する「純粋有期契約タイプ」②　期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っていると認められる「実質無期契約タイプ」③　相当程度の反復更新の実態から，雇用継続への合理的な期待が認められる「期待保護（反復更新）タイプ」④　格別の意思表示や特段の支障がない限り当然に更新されることを前提に契約を締結したものと認められる「期待保護（継続特約）タイプ」
　基本的な対処方法としては，「実質無期契約タイプ」と評価されないためにも，最低限，契約更新手続を形骸化させず，更新ごとに更新手続を行う必要があります。　また，不必要に雇用継続を期待させるような言動は慎み，契約更新を拒絶する可能性があることを労働条件通知書等に明記するとともに，よく説明しておくべきでしょう。　有期労働者については，身元保証人の要否，担当業務の内容，責任の程度等に関し，正社員と明確に区別した労務管理を行うべきです。　雇止めが無効となるリスクが高い事案においては，合意により退職する形にすることをお勧めします。　上乗せ金の支払も検討せざるを得ないでしょう。　年休を消化させたり，年休買い上げの合意を盛り込んだりしておくと，退職合意の有効性が認められやすい傾向にあります。　
　労働者の適性を評価・判断する目的で労働契約に期間を設けた場合は，期間の満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き，契約期間は契約の存続期間ではなく，試用期間と評価されることになります。　したがって，労働者の適性を評価・判断する目的の期間満了による雇止めが有効とされるためには，試用期間満了時における本採用拒否と同様，解約権留保の趣旨・目的に照らして，客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認される場合であることが必要となります。　期間満了で労働契約を終了させられるようにしておきたいのであれば，当初の労働契約書において，期間満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意をしておくとともに，期間満了により当初の労働契約は現実に終了させ，その後も正社員として勤務させる場合には，通常の正社員採用の際と同様，労働条件通知書を交付する等の採用手続を改めて行う必要があります。　これを怠ると，当初から正社員として採用したものであり，当初の契約期間は試用期間に過ぎず，契約期間満了による退職（雇止め）は，試用期間における本採用拒否（解雇）と評価されるリスクが生じることになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　有期労働契約は契約期間満了で契約終了となるのが原則です。<br />　ただし，有期労働契約が反復更新されて期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となった場合，雇用継続に対する労働者の期待利益に合理性がある場合は，雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されることになります。<br />　雇止めに解雇権濫用法理が類推適用される場合で，雇止めに客観的に合理的理由がない場合や，社会通念上相当なものでない場合は，雇止めが無効となり，契約が更新されることになります。<br />　解雇権濫用法理を類推適用する場合か否か，要求される合理的理由の程度について，裁判例では，「当該雇用の臨時性・常用性，更新の回数，雇用の通算期間，契約期間管理の状況，雇用継続の期待をもたせる言動・制度の有無」等が考慮されてきました（菅野『労働法』第九版１９２頁）。</p>
<p>　有期労働契約は，一般に，以下の①②③④に類型化されています。<br />　②③④のタイプに対しては解雇権濫用規制が類推適用され，当該有期労働契約の事案に即した合理的理由が必要とされることになります。<br />　これに対し，①のタイプでは類推適用が否定され，期間満了による契約終了が肯定されることになります（菅野『労働法』第九版１９２頁）。<br />①　契約期間の満了によって当然に契約関係が終了する「純粋有期契約タイプ」<br />②　期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っていると認められる「実質無期契約タイプ」<br />③　相当程度の反復更新の実態から，雇用継続への合理的な期待が認められる「期待保護（反復更新）タイプ」<br />④　格別の意思表示や特段の支障がない限り当然に更新されることを前提に契約を締結したものと認められる「期待保護（継続特約）タイプ」</p>
<p>　基本的な対処方法としては，「実質無期契約タイプ」と評価されないためにも，最低限，契約更新手続を形骸化させず，更新ごとに更新手続を行う必要があります。<br />　また，不必要に雇用継続を期待させるような言動は慎み，契約更新を拒絶する可能性があることを労働条件通知書等に明記するとともに，よく説明しておくべきでしょう。<br />　有期労働者については，身元保証人の要否，担当業務の内容，責任の程度等に関し，正社員と明確に区別した労務管理を行うべきです。<br />　雇止めが無効となるリスクが高い事案においては，合意により退職する形にすることをお勧めします。<br />　上乗せ金の支払も検討せざるを得ないでしょう。<br />　年休を消化させたり，年休買い上げの合意を盛り込んだりしておくと，退職合意の有効性が認められやすい傾向にあります。　</p>
<p>　労働者の適性を評価・判断する目的で労働契約に期間を設けた場合は，期間の満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き，契約期間は契約の存続期間ではなく，試用期間と評価されることになります。<br />　したがって，労働者の適性を評価・判断する目的の期間満了による雇止めが有効とされるためには，試用期間満了時における本採用拒否と同様，解約権留保の趣旨・目的に照らして，客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認される場合であることが必要となります。<br />　期間満了で労働契約を終了させられるようにしておきたいのであれば，当初の労働契約書において，期間満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意をしておくとともに，期間満了により当初の労働契約は現実に終了させ，その後も正社員として勤務させる場合には，通常の正社員採用の際と同様，労働条件通知書を交付する等の採用手続を改めて行う必要があります。<br />　これを怠ると，当初から正社員として採用したものであり，当初の契約期間は試用期間に過ぎず，契約期間満了による退職（雇止め）は，試用期間における本採用拒否（解雇）と評価されるリスクが生じることになります。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>退職届を提出したのに，後になってから退職の撤回を求めてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m17.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m17.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 12:17:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1749</guid>
		<description><![CDATA[
　退職届の提出は，通常は合意退職の申し出と評価することができます。　合意退職は退職の申込みに対する承諾がなされて初めて成立しますから，合意退職の申し出をした社員は，社員の退職に関する決裁権限のある人事部や経営者が承諾の意思表示をするまでは，信義則に反するような特段の事情がない限り，退職を撤回することができることになります。　したがって，退職を早期に確定したい場合は，退職を承諾する旨の意思表示を早期に行う必要があります。　退職を認める旨の決済がなされただけでは足りません。
　退職届を提出した社員から，心裡留保（民法９３条），錯誤（民法９５条），強迫（民法９６条）等が主張されることもありますが，なかなか認められません。　退職するつもりはないのに，反省していることを示す意図で退職届を提出したことを会社側が知ることができたような場合は，心裡留保（民法９３条）により，退職は無効となります。　錯誤，強迫が認められやすい典型的事例は，「このままだと懲戒解雇は避けられず，懲戒解雇だと退職金は出ない。ただ，退職届を提出するのであれば，温情で受理し，退職金も支給する。」等と社員に告知して退職届を提出させたところ，実際には懲戒解雇できるような事案ではなかったことが後から判明したようなケースです。　懲戒事由の存在が明白ではない場合は，懲戒解雇の威嚇の下，自主退職に追い込んだと評価されないようにしなければなりません。
　退職自体は有効であっても，退職勧奨のやり方次第では，慰謝料の支払を命じられることがあります。　退職勧奨のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。　退職勧奨を行う場合は，無断録音されていても不都合がないよう気をつけて下さい。
　退職届等の客観的証拠がないと，口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず，在職中であるとか，解雇されたとか認定されることがあります。　退職の申出があった場合は漫然と放置せず，速やかに退職届を提出させて証拠を残しておくようにして下さい。　印鑑を持ち合わせていない場合は，差し当たり，署名があれば十分です。　後から印鑑を持参させて，面前で押印させるようにして下さい。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　退職届の提出は，通常は合意退職の申し出と評価することができます。<br />　合意退職は退職の申込みに対する承諾がなされて初めて成立しますから，合意退職の申し出をした社員は，社員の退職に関する決裁権限のある人事部や経営者が承諾の意思表示をするまでは，信義則に反するような特段の事情がない限り，退職を撤回することができることになります。<br />　したがって，退職を早期に確定したい場合は，退職を承諾する旨の意思表示を早期に行う必要があります。<br />　退職を認める旨の決済がなされただけでは足りません。</p>
<p>　退職届を提出した社員から，心裡留保（民法９３条），錯誤（民法９５条），強迫（民法９６条）等が主張されることもありますが，なかなか認められません。<br />　退職するつもりはないのに，反省していることを示す意図で退職届を提出したことを会社側が知ることができたような場合は，心裡留保（民法９３条）により，退職は無効となります。<br />　錯誤，強迫が認められやすい典型的事例は，「このままだと懲戒解雇は避けられず，懲戒解雇だと退職金は出ない。ただ，退職届を提出するのであれば，温情で受理し，退職金も支給する。」等と社員に告知して退職届を提出させたところ，実際には懲戒解雇できるような事案ではなかったことが後から判明したようなケースです。<br />　懲戒事由の存在が明白ではない場合は，懲戒解雇の威嚇の下，自主退職に追い込んだと評価されないようにしなければなりません。</p>
<p>　退職自体は有効であっても，退職勧奨のやり方次第では，慰謝料の支払を命じられることがあります。<br />　退職勧奨のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。<br />　退職勧奨を行う場合は，無断録音されていても不都合がないよう気をつけて下さい。</p>
<p>　退職届等の客観的証拠がないと，口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず，在職中であるとか，解雇されたとか認定されることがあります。<br />　退職の申出があった場合は漫然と放置せず，速やかに退職届を提出させて証拠を残しておくようにして下さい。<br />　印鑑を持ち合わせていない場合は，差し当たり，署名があれば十分です。<br />　後から印鑑を持参させて，面前で押印させるようにして下さい。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>退職届を提出した日の翌日から退職日までの間，年休を取得してしまい，引継ぎをしない。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m16.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m16.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 11:09:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　労働者がその有する休暇日数の範囲内で，具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をしたときは，適法な時季変更権の行使がない限り，年次有給休暇が成立し，当該労働日における就労義務が消滅することになります。　年休取得に使用者の承認は不要です。
　使用者が，社員の年休取得を拒むことができるというためには，時季変更権（労基法３９条５項）を行使できる場面でなければなりませんが，時季変更権の行使は，「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては，他の時季にこれを与えることができる。」（労基法３９条５項）とするものに過ぎず，年休を取得する権利自体を奪うことはできません。　退職後に年休を与えることはできないため，退職までの全労働日の年休取得を申請された場合，使用者は時季変更権の行使ができず，退職日までの年休取得を拒絶することはできません。　昭和４９年１月１１日基収５５５４号も，「年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り，当該労働者の解雇予定日をこえての時季変更は行えないものと解する。」としています。
　引継ぎをしてもらわなければ業務に支障が生じることもあるかもしれませんが，法的にはやむを得ません。　退職する社員とよく話し合って，年休買い上げの合意をするか，退職日を先に延ばす合意をするなどして，引継ぎをするよう説得するほかありません。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労働者がその有する休暇日数の範囲内で，具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をしたときは，適法な時季変更権の行使がない限り，年次有給休暇が成立し，当該労働日における就労義務が消滅することになります。<br />　年休取得に使用者の承認は不要です。</p>
<p>　使用者が，社員の年休取得を拒むことができるというためには，時季変更権（労基法３９条５項）を行使できる場面でなければなりませんが，時季変更権の行使は，「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては，他の時季にこれを与えることができる。」（労基法３９条５項）とするものに過ぎず，年休を取得する権利自体を奪うことはできません。<br />　退職後に年休を与えることはできないため，退職までの全労働日の年休取得を申請された場合，使用者は時季変更権の行使ができず，退職日までの年休取得を拒絶することはできません。<br />　昭和４９年１月１１日基収５５５４号も，「年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り，当該労働者の解雇予定日をこえての時季変更は行えないものと解する。」としています。</p>
<p>　引継ぎをしてもらわなければ業務に支障が生じることもあるかもしれませんが，法的にはやむを得ません。<br />　退職する社員とよく話し合って，年休買い上げの合意をするか，退職日を先に延ばす合意をするなどして，引継ぎをするよう説得するほかありません。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>退職勧奨したところ，解雇してくれと言い出す。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m15.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m15.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 10:32:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1739</guid>
		<description><![CDATA[
　退職勧奨した社員から解雇してくれと言われたからといって，安易に解雇すべきではありません。　後日，解雇が無効であることを前提として，多額の賃金請求を受けるリスクがあります。
　即時解雇した場合，解雇予告手当の請求を受けることがありますが，解雇予告手当は平均賃金の３０日分を支払えば足りますので（労基法２０条１項），１か月分の給料の金額程度に過ぎず，たかが知れています。　解雇予告手当の請求は，解雇の効力を争わないことを前提とした請求なので，解雇予告手当の請求を受けた場合は，むしろ運がよかったと考えられる事案が多いと考えます。　解雇の無効を前提として，解雇日以降の賃金請求がなされた場合に会社が負担する可能性がある金額は，高額になることが多いからです。　単純化して説明しますと，月給３０万の社員を解雇したところ，解雇の効力が争われ，２年後に判決で解雇が無効と判断された場合は，既発生の未払賃金元本だけで，３０万円×２４か月＝７２０万円の支払義務を負うことになります。　解雇が無効と判断された場合，実際には全く仕事をしていない社員に対し，毎月の賃金を支払わなければならないことを理解しておく必要があります。
　最近では，経営者を挑発して解雇させ，多額の金銭を獲得してから転職しようと考える社員も出てきています。　また，退職勧奨，解雇のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。　退職勧奨，解雇を行う場合は，感情的にならないよう普段以上に心掛け，無断録音されていても不都合がないようにしなければなりません。
　労働者側弁護士事務所のウェブサイトの中には，解雇されるとお金をもらえるチャンスであるかのような宣伝しているものも見受けられます　解雇問題を「ビジネス」として考えている労働者側弁護士もいることに注意しなければなりません。
　解雇してくれと言われて解雇したところ，解雇の効力が争われ，解雇が無効と判断されるリスクが高いような場合は，解雇を撤回し，就労を命じる必要がある場合もあります。　この場合，概ね，解雇日の翌日から解雇撤回後に就労を命じた初日の前日までの解雇期間に対する賃金の支払義務を負うことになります。　解雇を撤回して就労を命じた場合，実際に戻ってくるのは３人～４人に１人程度という印象です。　解雇期間中の賃金請求をする目的で形式的に復職を求める体裁を取り繕う労働者が多いですが，要望どおり解雇を撤回して就労命令を出してみると，いろいろ理由を付けて，実際には復職してこないことも多いというのが実情です。
　勤務態度が悪い社員，能力が著しく低い社員を退職勧奨したところ，解雇して欲しいと言われ，本当の理由を告げて解雇すると本人が傷つくからといった理由で，解雇理由を「事業の縮小その他やむを得ない事由」等による会社都合の解雇（整理解雇）とする事案が散見されます。　このような事案で解雇の効力が争われた場合，整理解雇の有効要件を満たさない以上，会社側が負ける可能性が高くなります。　解雇が避けられない場合，ありのままの解雇理由を伝える必要があります。　無用の気遣いをして，ありのままの解雇理由を伝えられないと，裏目の結果となることが多くなります。
　「事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。」（雇用保険法施行規則３６条９号）は，「特定受給資格者」（雇用保険法２３条１項）に該当するため（雇用保険法２３条２項２号），退職勧奨による退職は会社都合の解雇等の場合と同様の扱いとなり，労働者が失業手当を受給する上で不利益を受けることにはなりません。　つまり，失業手当の受給条件を良くするために解雇する必要はありません。　退職届を出してしまうと，失業手当の受給条件が不利になると誤解されていることがありますので，丁寧に説明し，誤解を解く努力をするようにして下さい。　なお，助成金との関係でも，会社都合の解雇をしたのと同様の取り扱いとなることには，注意が必要です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　退職勧奨した社員から解雇してくれと言われたからといって，安易に解雇すべきではありません。<br />　後日，解雇が無効であることを前提として，多額の賃金請求を受けるリスクがあります。</p>
<p>　即時解雇した場合，解雇予告手当の請求を受けることがありますが，解雇予告手当は平均賃金の３０日分を支払えば足りますので（労基法２０条１項），１か月分の給料の金額程度に過ぎず，たかが知れています。<br />　解雇予告手当の請求は，解雇の効力を争わないことを前提とした請求なので，解雇予告手当の請求を受けた場合は，むしろ運がよかったと考えられる事案が多いと考えます。<br />　解雇の無効を前提として，解雇日以降の賃金請求がなされた場合に会社が負担する可能性がある金額は，高額になることが多いからです。<br />　単純化して説明しますと，月給３０万の社員を解雇したところ，解雇の効力が争われ，２年後に判決で解雇が無効と判断された場合は，既発生の未払賃金元本だけで，３０万円×２４か月＝７２０万円の支払義務を負うことになります。<br />　解雇が無効と判断された場合，実際には全く仕事をしていない社員に対し，毎月の賃金を支払わなければならないことを理解しておく必要があります。</p>
<p>　最近では，経営者を挑発して解雇させ，多額の金銭を獲得してから転職しようと考える社員も出てきています。<br />　また，退職勧奨，解雇のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。<br />　退職勧奨，解雇を行う場合は，感情的にならないよう普段以上に心掛け，無断録音されていても不都合がないようにしなければなりません。</p>
<p>　労働者側弁護士事務所のウェブサイトの中には，解雇されるとお金をもらえるチャンスであるかのような宣伝しているものも見受けられます<br />　解雇問題を「ビジネス」として考えている労働者側弁護士もいることに注意しなければなりません。</p>
<p>　解雇してくれと言われて解雇したところ，解雇の効力が争われ，解雇が無効と判断されるリスクが高いような場合は，解雇を撤回し，就労を命じる必要がある場合もあります。<br />　この場合，概ね，解雇日の翌日から解雇撤回後に就労を命じた初日の前日までの解雇期間に対する賃金の支払義務を負うことになります。<br />　解雇を撤回して就労を命じた場合，実際に戻ってくるのは３人～４人に１人程度という印象です。<br />　解雇期間中の賃金請求をする目的で形式的に復職を求める体裁を取り繕う労働者が多いですが，要望どおり解雇を撤回して就労命令を出してみると，いろいろ理由を付けて，実際には復職してこないことも多いというのが実情です。</p>
<p>　勤務態度が悪い社員，能力が著しく低い社員を退職勧奨したところ，解雇して欲しいと言われ，本当の理由を告げて解雇すると本人が傷つくからといった理由で，解雇理由を「事業の縮小その他やむを得ない事由」等による会社都合の解雇（整理解雇）とする事案が散見されます。<br />　このような事案で解雇の効力が争われた場合，整理解雇の有効要件を満たさない以上，会社側が負ける可能性が高くなります。<br />　解雇が避けられない場合，ありのままの解雇理由を伝える必要があります。<br />　無用の気遣いをして，ありのままの解雇理由を伝えられないと，裏目の結果となることが多くなります。</p>
<p>　「事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。」（雇用保険法施行規則３６条９号）は，「特定受給資格者」（雇用保険法２３条１項）に該当するため（雇用保険法２３条２項２号），退職勧奨による退職は会社都合の解雇等の場合と同様の扱いとなり，労働者が失業手当を受給する上で不利益を受けることにはなりません。<br />　つまり，失業手当の受給条件を良くするために解雇する必要はありません。<br />　退職届を出してしまうと，失業手当の受給条件が不利になると誤解されていることがありますので，丁寧に説明し，誤解を解く努力をするようにして下さい。<br />　なお，助成金との関係でも，会社都合の解雇をしたのと同様の取り扱いとなることには，注意が必要です。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>試用期間中の本採用拒否（解雇）なのに，解雇は無効だと主張して，職場復帰を求めてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m14.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m14.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 05:50:19 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　使用者と試用期間中の社員との間では，既に留保解約権の付いた労働契約が成立していると考えられる事案がほとんどです。　本採用拒否の法的性質は，留保された解約権の行使であり，解雇の一種ということになるのが通常のため，解雇権濫用法理（労働契約法１６条）が適用されることになります。　採用の場面とは異なりますから，試用期間中だからといって，自由に本採用拒否（解雇）できるわけではありません。
　試用期間中の解雇は緩やかに認められるというイメージがありますが，それは，「当初知ることができず，また知ることが期待できないような事実」に基づく本採用拒否について言えることであって，採用当初から知り得た事実を理由とした場合は，緩やかな基準で解雇することはできません。　例えば，本採用拒否（解雇）したところ，「本採用拒否の理由となるような事情がない。」といった趣旨の指摘がなされたことに対する反論として，「本採用拒否の理由となるような事情がないようなことを言っているが，そんなことはない。採用面接の時から，あいつがダメなやつだということは分かっていた。」というようなものは，通用しないことになります。
　試用期間満了前の本採用拒否（解雇）についてですが，使用者の立場からすれば，試用期間を設ける意味は，採用決定後も社員として雇用し続けるか否かの判断を留保し，試用期間満了時までに社員としての適格性を審査して，社員として相応しくないと判断した場合に本採用を拒否して雇用を打ち切ることにありますので，試用期間満了前であっても社員として不適格であると判断した場合は，早期に本採用拒否（解雇）して雇用を打ち切りたいところかもしれません。　しかし，労働者からすれば，少なくとも試用期間中は雇用を継続してもらえると期待するのが通常であり，試用期間満了前の本採用拒否（解雇）が容易に認められてしまうと，このような労働者の期待が裏切られる結果となってしまいますから，採用後間もない時期の本採用拒否（解雇）等，試用期間満了までの期間が長期間残っている時点での本採用拒否（解雇）は，客観的合理性，社会的相当性を欠くものとして無効（労働契約法１６条）と判断されるリスクが高いものと考えられます。　仮に，使用者から，労働者に対し，試用期間満了前であっても本採用拒否（解雇）することがある旨明示し，労働者がそれに同意して採用されたような場合であれば，労働者がそのような期待を持つことはないとも思われますが，試用期間満了時まで本採用するかどうかの最終判断を留保していることに加え，試用期間満了前の本採用拒否（解雇）まで容易に認められてしまうと，使用者の「いいとこ取り」となり，労働者の立場があまりにも不安定となってしまいますから，やはり，試用期間満了までの期間が長期間残っている時点での本採用拒否（解雇）は，客観的合理性，社会的相当性を欠くものとして無効（労働契約法１６条）と判断されるリスクが高いものと考えられます。　試用期間満了前の本採用拒否（解雇）は慎重に考えるべきであり，試用期間満了時まで社員としての適格性を審査しても適格性がないという結論が出ることが明らかな場合に限り行うべきでしょう。
　解雇の予告（労基法２０条）が不要なのは，就労開始から１４日目までであり，１４日を超えて就労した場合は，試用期間中であっても，解雇予告の手続が必要となります（労基法２１条但書）。　また，就労開始から１４日目までなら自由に解雇できると思い込んでいる方もたまにいますが，完全な誤解であり，むしろ，勤務開始間もない時期の本採用拒否（解雇）は解雇権を濫用したものとして無効となる可能性が高いというのが実情ですから，注意が必要です。
　試用期間の残存期間が３０日を切ってから本採用拒否（解雇）を通知する場合は，所定の解雇予告手当を支払う等する必要があります。　試用期間満了ぎりぎりで本採用拒否（解雇）し，解雇予告手当も支払わないでいると，解雇の効力が生じるのはその３０日後になってしまうため，試用期間中満了日の解雇（本採用拒否）ではなく，試用期間経過後の通常の解雇と評価されるリスクが生じることになります。
　訴訟で本採用拒否（解雇）の効力を争われた場合には，本採用拒否に客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されるといえるだけの「証拠」がそろっているかどうかが問題となります。　抽象的に勤務態度が悪いとか，能力が低いとか言っていたところで，裁判官には伝わりません。　具体的に，何月何日にどういうことがあったのか記録に残しておく必要があります。　可能であれば，毎日，本人に反省点等を記載させて，指導担当者がコメントするような形式の記録をその都度作成しておくことが望ましいでしょう。　本採用拒否が予想される場合は，原則として，本人が達成すべき合理的事項を事前に書面で明示し，本人に努力する機会を与えた上で，それが達成できなかった場合に行うべきと考えます。
　長期雇用を予定した新卒社員については，試用期間中であっても，能力不足を理由とした本採用拒否は難しいと考えておいた方がいいでしょう。　中途採用者あっても，地位を特定されて採用されたわけではなく，一定の能力を有することを前提として採用されたわけでもない場合，賃金額がそれ程高くない場合，若年層の中途採用の場合等は，能力不足を理由とした本採用拒否は必ずしも容易ではありません。
　本採用拒否に十分な理由がある場合であっても，まずは話合いが先です。　まずは自主退職を促すべきでしょう。
　採用活動も，試用期間における本採用拒否（解雇）は必ずしも容易ではないことを念頭に置いて行うべきでしょう。　安易な採用をしてはいけません。　「取りあえず採用してみて，ダメだったら辞めてもらう。」という発想の会社は，トラブルが多く，社員の定着率が低い傾向にあります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　使用者と試用期間中の社員との間では，既に留保解約権の付いた労働契約が成立していると考えられる事案がほとんどです。<br />　本採用拒否の法的性質は，留保された解約権の行使であり，解雇の一種ということになるのが通常のため，解雇権濫用法理（労働契約法１６条）が適用されることになります。<br />　採用の場面とは異なりますから，試用期間中だからといって，自由に本採用拒否（解雇）できるわけではありません。</p>
<p>　試用期間中の解雇は緩やかに認められるというイメージがありますが，それは，「当初知ることができず，また知ることが期待できないような事実」に基づく本採用拒否について言えることであって，採用当初から知り得た事実を理由とした場合は，緩やかな基準で解雇することはできません。<br />　例えば，本採用拒否（解雇）したところ，「本採用拒否の理由となるような事情がない。」といった趣旨の指摘がなされたことに対する反論として，「本採用拒否の理由となるような事情がないようなことを言っているが，そんなことはない。採用面接の時から，あいつがダメなやつだということは分かっていた。」というようなものは，通用しないことになります。</p>
<p>　試用期間満了前の本採用拒否（解雇）についてですが，使用者の立場からすれば，試用期間を設ける意味は，採用決定後も社員として雇用し続けるか否かの判断を留保し，試用期間満了時までに社員としての適格性を審査して，社員として相応しくないと判断した場合に本採用を拒否して雇用を打ち切ることにありますので，試用期間満了前であっても社員として不適格であると判断した場合は，早期に本採用拒否（解雇）して雇用を打ち切りたいところかもしれません。<br />　しかし，労働者からすれば，少なくとも試用期間中は雇用を継続してもらえると期待するのが通常であり，試用期間満了前の本採用拒否（解雇）が容易に認められてしまうと，このような労働者の期待が裏切られる結果となってしまいますから，採用後間もない時期の本採用拒否（解雇）等，試用期間満了までの期間が長期間残っている時点での本採用拒否（解雇）は，客観的合理性，社会的相当性を欠くものとして無効（労働契約法１６条）と判断されるリスクが高いものと考えられます。<br />　仮に，使用者から，労働者に対し，試用期間満了前であっても本採用拒否（解雇）することがある旨明示し，労働者がそれに同意して採用されたような場合であれば，労働者がそのような期待を持つことはないとも思われますが，試用期間満了時まで本採用するかどうかの最終判断を留保していることに加え，試用期間満了前の本採用拒否（解雇）まで容易に認められてしまうと，使用者の「いいとこ取り」となり，労働者の立場があまりにも不安定となってしまいますから，やはり，試用期間満了までの期間が長期間残っている時点での本採用拒否（解雇）は，客観的合理性，社会的相当性を欠くものとして無効（労働契約法１６条）と判断されるリスクが高いものと考えられます。<br />　試用期間満了前の本採用拒否（解雇）は慎重に考えるべきであり，試用期間満了時まで社員としての適格性を審査しても適格性がないという結論が出ることが明らかな場合に限り行うべきでしょう。</p>
<p>　解雇の予告（労基法２０条）が不要なのは，就労開始から１４日目までであり，１４日を超えて就労した場合は，試用期間中であっても，解雇予告の手続が必要となります（労基法２１条但書）。<br />　また，就労開始から１４日目までなら自由に解雇できると思い込んでいる方もたまにいますが，完全な誤解であり，むしろ，勤務開始間もない時期の本採用拒否（解雇）は解雇権を濫用したものとして無効となる可能性が高いというのが実情ですから，注意が必要です。</p>
<p>　試用期間の残存期間が３０日を切ってから本採用拒否（解雇）を通知する場合は，所定の解雇予告手当を支払う等する必要があります。<br />　試用期間満了ぎりぎりで本採用拒否（解雇）し，解雇予告手当も支払わないでいると，解雇の効力が生じるのはその３０日後になってしまうため，試用期間中満了日の解雇（本採用拒否）ではなく，試用期間経過後の通常の解雇と評価されるリスクが生じることになります。</p>
<p>　訴訟で本採用拒否（解雇）の効力を争われた場合には，本採用拒否に客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されるといえるだけの「証拠」がそろっているかどうかが問題となります。<br />　抽象的に勤務態度が悪いとか，能力が低いとか言っていたところで，裁判官には伝わりません。<br />　具体的に，何月何日にどういうことがあったのか記録に残しておく必要があります。<br />　可能であれば，毎日，本人に反省点等を記載させて，指導担当者がコメントするような形式の記録をその都度作成しておくことが望ましいでしょう。<br />　本採用拒否が予想される場合は，原則として，本人が達成すべき合理的事項を事前に書面で明示し，本人に努力する機会を与えた上で，それが達成できなかった場合に行うべきと考えます。</p>
<p>　長期雇用を予定した新卒社員については，試用期間中であっても，能力不足を理由とした本採用拒否は難しいと考えておいた方がいいでしょう。<br />　中途採用者あっても，地位を特定されて採用されたわけではなく，一定の能力を有することを前提として採用されたわけでもない場合，賃金額がそれ程高くない場合，若年層の中途採用の場合等は，能力不足を理由とした本採用拒否は必ずしも容易ではありません。</p>
<p>　本採用拒否に十分な理由がある場合であっても，まずは話合いが先です。<br />　まずは自主退職を促すべきでしょう。</p>
<p>　採用活動も，試用期間における本採用拒否（解雇）は必ずしも容易ではないことを念頭に置いて行うべきでしょう。<br />　安易な採用をしてはいけません。<br />　「取りあえず採用してみて，ダメだったら辞めてもらう。」という発想の会社は，トラブルが多く，社員の定着率が低い傾向にあります。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>採用内定取消に応じない。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m13.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m13.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 04:39:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1720</guid>
		<description><![CDATA[
　原則として，採用内定により（始期付解約権留保付）労働契約が成立するため，採用内定取消の法的性質は解雇であり，解雇権濫用法理が適用されることになります。　したがって，自由に採用内定取消を行うことはできず，採用内定を取り消すことができる場面は限定されます。　基本的には，一方的に内定を取り消すのではなく，話し合いにより内定を辞退してもらうべきでしょう。　十分な内定取消の理由がない場合は，補償金の支払いを約束するなどして，内定者の理解を得るよう最大限の努力をすべきことになります。　内定取消はできるだけ早い時期に行った方が内定者のダメージが小さく，紛争になりにくい傾向にあります。　内定取消が避けられない場合は，いつまでもずるずる決断を先延ばしにするのではなく，速やかに内定辞退についての話し合いに入り，内定者が就職活動を早期に再開できるよう配慮すべきでしょう。
　採用内定の取消事由は，採用内定当時知ることができず，また知ることが期待できないような事実であって，これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨，目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られます。　採用内定当時知ることができた問題点については，採用を躊躇するようなものであれば採用内定は出さないようにする必要があります。　取りあえず採用内定を出してみて，問題が改善されるかどうか様子を見るというやり方はできません。　いったん採用内定を出したら，原則として定年まで雇用し続けなければならないという覚悟が必要だと思います。
　なお，企業が経営の悪化等を理由に留保解約権の行使（採用内定取消）をする場合には，いわゆる整理解雇の有効性の判断に関する①人員削減の必要性，②人員削減の手段として整理解雇することの必要性，③被解雇者選定の合理性，④手続の妥当性という四要素を総合考慮のうえ，解約留保権の趣旨，目的に照らして客観的に合理的と認められ，社会通念上相当と是認することができるかどうかを判断すべきとする裁判例があります。　また，新規学卒者の採用内定を取り消す場合は，予め公共職業安定所長又は学校長等関係施設の長にその旨を通知する必要があります。　一定の場合は，厚生労働大臣により企業名等が公表されることもあります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　原則として，採用内定により（始期付解約権留保付）労働契約が成立するため，採用内定取消の法的性質は解雇であり，解雇権濫用法理が適用されることになります。<br />　したがって，自由に採用内定取消を行うことはできず，採用内定を取り消すことができる場面は限定されます。<br />　基本的には，一方的に内定を取り消すのではなく，話し合いにより内定を辞退してもらうべきでしょう。<br />　十分な内定取消の理由がない場合は，補償金の支払いを約束するなどして，内定者の理解を得るよう最大限の努力をすべきことになります。<br />　内定取消はできるだけ早い時期に行った方が内定者のダメージが小さく，紛争になりにくい傾向にあります。<br />　内定取消が避けられない場合は，いつまでもずるずる決断を先延ばしにするのではなく，速やかに内定辞退についての話し合いに入り，内定者が就職活動を早期に再開できるよう配慮すべきでしょう。</p>
<p>　採用内定の取消事由は，採用内定当時知ることができず，また知ることが期待できないような事実であって，これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨，目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られます。<br />　採用内定当時知ることができた問題点については，採用を躊躇するようなものであれば採用内定は出さないようにする必要があります。<br />　取りあえず採用内定を出してみて，問題が改善されるかどうか様子を見るというやり方はできません。<br />　いったん採用内定を出したら，原則として定年まで雇用し続けなければならないという覚悟が必要だと思います。</p>
<p>　なお，企業が経営の悪化等を理由に留保解約権の行使（採用内定取消）をする場合には，いわゆる整理解雇の有効性の判断に関する①人員削減の必要性，②人員削減の手段として整理解雇することの必要性，③被解雇者選定の合理性，④手続の妥当性という四要素を総合考慮のうえ，解約留保権の趣旨，目的に照らして客観的に合理的と認められ，社会通念上相当と是認することができるかどうかを判断すべきとする裁判例があります。<br />　また，新規学卒者の採用内定を取り消す場合は，予め公共職業安定所長又は学校長等関係施設の長にその旨を通知する必要があります。<br />　一定の場合は，厚生労働大臣により企業名等が公表されることもあります。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>精神疾患を発症して欠勤や休職を繰り返す。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m12.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m12.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 03:47:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1713</guid>
		<description><![CDATA[
　精神疾患を発症して欠勤を繰り返す社員の対応としては，まずは専門医に受診させて，専門医の助言を求め，専門医の助言を参考にして，対応を検討することが重要です。　本人が提出した主治医の診断書の内容に疑問があるような場合であっても，専門医の診断を軽視することはできませせん。　主治医への面談（本人の同意が必要です。）を求めて診断内容の信用性をチェックしたり，精神疾患に関し専門的知識経験を有する産業医等への診断を求めたりして，病状を確認することになります。
　業務により精神障害が悪化することがないよう配慮する必要もあります。　精神疾患を発症していることを知りながらそのまま勤務を継続させ，その結果，業務に起因して症状を悪化させた場合は，労災となり，会社が安全配慮義務違反を問われて損害賠償義務を負うことになりかねません。　社員が精神疾患の罹患していることが分かったら，それに応じた対応が必要であり，本人が就労を希望していたとしても，漫然と放置してはいけません。
　所定労働時間内の通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合は，時間外労働や出張等，負担の重い業務を免除する等して対処すれば足りるでしょう。　しかし，長期間にわたって所定労働時間の勤務さえできない場合は，原則として，休職制度がある場合は休職を検討し，休職制度がない場合は普通解雇を検討せざるを得ません。
　私傷病に関する休職制度は，普通解雇を猶予する趣旨の制度であり，必ずしも休職制度を設けて就業規則に規定しなければならないわけではありません。　休職制度を設けずに，私傷病に罹患して働けなくなった社員にはいったん退職してもらい，私傷病が治癒したら再就職を認めるといった運用も考えられます。
　精神障害を発症した社員が出社と欠勤を繰り返したような場合であっても休職させることができるように，例えば，「精神の疾患により，労務の提供が困難なとき。」等を休職事由として，一定期間の欠勤を休職の要件から外すか，一定期間の欠勤を休職の要件としつつ，「欠勤の中断期間が３０日未満の場合は，前後の欠勤期間を通算し，連続しているものとみなす。」等の通算規定を置くかしておくべきでしょう。　再度，長期間の欠勤がなければ，休職命令を出せないような規定を置くべきではありません。
　休職制度があるにもかかわらずいきなり解雇するのは，通常は解雇が無効と判断されるリスクが高いので，お勧めできません。　解雇が有効と認められるのは，休職させても回復の見込みが客観的に乏しい場合に限られます。　医学的根拠もなく，主観的に休職させても回復しないだろうと思い込み，精神疾患に罹患した社員を休職させずに解雇した場合，解雇が無効と判断されるリスクが高くなります。
　本人が休職を希望している場合は，休職申請書を提出させてから，休職命令を出すことになります。　休職申請書を提出させることにより，休職命令の有効性が争われるリスクが低くなります。
　「合意」により休職させる場合は，休職期間（どれだけの期間が経過すれば退職扱いになるのか。）についても合意しておく必要があります。　通常，就業規則に規定されている休職期間は，休職「命令」による休職に関する規定であり，合意休職に関する規定ではありません。　原則どおり，本人から休職申請書を提出させた上で，休職「命令」を出すのが，簡明なのではないでしょうか。
　精神疾患が治癒しないまま休職期間が満了すると退職という重大な法的効果が発生することになりますので，休職命令発令時に，何年の何月何日までに精神疾患が治癒せず，労務提供ができなければ退職扱いとなるのか通知するとともに，休職期間満了前の時期にも，再度，休職期間満了日や精神疾患が治癒しないまま休職期間が満了すれば退職扱いとなる旨通知すべきでしょう。
　休職と復職を繰り返す社員に対する対策としては，復職後間もない時期（復職後６か月以内等）に休職した場合には，休職期間を通算する（休職期間を残存期間とする）等の規定を置くことが考えられます。　そのような規定がない場合は，普通解雇を検討せざるを得ませんが，有効性が争われるリスクが高くなります。
　復職の可否は，①　休職期間満了時までに②　休職前の職務を通常どおりに行えるか否かにより判断されるのが原則ですが，例外的な事案もあり，判断が難しいことがあります。
　①の例外ですが，休職期間満了時までに精神疾患が治癒せず，休職期間満了時には不完全な労務提供しかできなかったとしても，間もない時期に完全な労務提供ができる程度に精神疾患が改善する可能性がある場合は，休職期間満了により退職扱いとするか否かについて慎重な判断が必要となります（エール・フランス事件東京地裁昭和５９年１月２７日判決）。
　②の例外ですが，職種や業務内容を特定せずに労働契約が締結されている場合は，現に就業を命じた業務について労務の提供が十分にできないとしても，当該社員が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供ができ，かつ，本人がその労務の提供を申し出ているのであれば，債務の本旨に従った履行の提供があると評価されることになります（片山組事件最高裁第一小法廷平成１０年４月９日判決）。　労務提供があると評価された場合，欠勤扱いにしたり，休職させたり，休職期間満了により退職扱いにしたり，解雇したりしたとしても，これらの扱いは無効となり，会社は賃金の支払義務を免れません。
　休職制度の運用は，公平・平等に行うことが重要です。　勤続年数等により異なる扱いをする場合は，予め就業規則に規定しておく必要があります。　休職命令の発令，休職期間の延長等に関し，同じような立場にある社員の扱いを異にした場合，紛争になりやすく，敗訴リスクも高まる傾向にあります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　精神疾患を発症して欠勤を繰り返す社員の対応としては，まずは専門医に受診させて，専門医の助言を求め，専門医の助言を参考にして，対応を検討することが重要です。<br />　本人が提出した主治医の診断書の内容に疑問があるような場合であっても，専門医の診断を軽視することはできませせん。<br />　主治医への面談（本人の同意が必要です。）を求めて診断内容の信用性をチェックしたり，精神疾患に関し専門的知識経験を有する産業医等への診断を求めたりして，病状を確認することになります。</p>
<p>　業務により精神障害が悪化することがないよう配慮する必要もあります。<br />　精神疾患を発症していることを知りながらそのまま勤務を継続させ，その結果，業務に起因して症状を悪化させた場合は，労災となり，会社が安全配慮義務違反を問われて損害賠償義務を負うことになりかねません。<br />　社員が精神疾患の罹患していることが分かったら，それに応じた対応が必要であり，本人が就労を希望していたとしても，漫然と放置してはいけません。</p>
<p>　所定労働時間内の通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合は，時間外労働や出張等，負担の重い業務を免除する等して対処すれば足りるでしょう。<br />　しかし，長期間にわたって所定労働時間の勤務さえできない場合は，原則として，休職制度がある場合は休職を検討し，休職制度がない場合は普通解雇を検討せざるを得ません。</p>
<p>　私傷病に関する休職制度は，普通解雇を猶予する趣旨の制度であり，必ずしも休職制度を設けて就業規則に規定しなければならないわけではありません。<br />　休職制度を設けずに，私傷病に罹患して働けなくなった社員にはいったん退職してもらい，私傷病が治癒したら再就職を認めるといった運用も考えられます。</p>
<p>　精神障害を発症した社員が出社と欠勤を繰り返したような場合であっても休職させることができるように，例えば，「精神の疾患により，労務の提供が困難なとき。」等を休職事由として，一定期間の欠勤を休職の要件から外すか，一定期間の欠勤を休職の要件としつつ，「欠勤の中断期間が３０日未満の場合は，前後の欠勤期間を通算し，連続しているものとみなす。」等の通算規定を置くかしておくべきでしょう。<br />　再度，長期間の欠勤がなければ，休職命令を出せないような規定を置くべきではありません。</p>
<p>　休職制度があるにもかかわらずいきなり解雇するのは，通常は解雇が無効と判断されるリスクが高いので，お勧めできません。<br />　解雇が有効と認められるのは，休職させても回復の見込みが客観的に乏しい場合に限られます。<br />　医学的根拠もなく，主観的に休職させても回復しないだろうと思い込み，精神疾患に罹患した社員を休職させずに解雇した場合，解雇が無効と判断されるリスクが高くなります。</p>
<p>　本人が休職を希望している場合は，休職申請書を提出させてから，休職命令を出すことになります。<br />　休職申請書を提出させることにより，休職命令の有効性が争われるリスクが低くなります。</p>
<p>　「合意」により休職させる場合は，休職期間（どれだけの期間が経過すれば退職扱いになるのか。）についても合意しておく必要があります。<br />　通常，就業規則に規定されている休職期間は，休職「命令」による休職に関する規定であり，合意休職に関する規定ではありません。<br />　原則どおり，本人から休職申請書を提出させた上で，休職「命令」を出すのが，簡明なのではないでしょうか。</p>
<p>　精神疾患が治癒しないまま休職期間が満了すると退職という重大な法的効果が発生することになりますので，休職命令発令時に，何年の何月何日までに精神疾患が治癒せず，労務提供ができなければ退職扱いとなるのか通知するとともに，休職期間満了前の時期にも，再度，休職期間満了日や精神疾患が治癒しないまま休職期間が満了すれば退職扱いとなる旨通知すべきでしょう。</p>
<p>　休職と復職を繰り返す社員に対する対策としては，復職後間もない時期（復職後６か月以内等）に休職した場合には，休職期間を通算する（休職期間を残存期間とする）等の規定を置くことが考えられます。<br />　そのような規定がない場合は，普通解雇を検討せざるを得ませんが，有効性が争われるリスクが高くなります。</p>
<p>　復職の可否は，<br />①　休職期間満了時までに<br />②　休職前の職務を通常どおりに行えるか否か<br />により判断されるのが原則ですが，例外的な事案もあり，判断が難しいことがあります。</p>
<p>　①の例外ですが，休職期間満了時までに精神疾患が治癒せず，休職期間満了時には不完全な労務提供しかできなかったとしても，間もない時期に完全な労務提供ができる程度に精神疾患が改善する可能性がある場合は，休職期間満了により退職扱いとするか否かについて慎重な判断が必要となります（エール・フランス事件東京地裁昭和５９年１月２７日判決）。</p>
<p>　②の例外ですが，職種や業務内容を特定せずに労働契約が締結されている場合は，現に就業を命じた業務について労務の提供が十分にできないとしても，当該社員が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供ができ，かつ，本人がその労務の提供を申し出ているのであれば，債務の本旨に従った履行の提供があると評価されることになります（片山組事件最高裁第一小法廷平成１０年４月９日判決）。<br />　労務提供があると評価された場合，欠勤扱いにしたり，休職させたり，休職期間満了により退職扱いにしたり，解雇したりしたとしても，これらの扱いは無効となり，会社は賃金の支払義務を免れません。</p>
<p>　休職制度の運用は，公平・平等に行うことが重要です。<br />　勤続年数等により異なる扱いをする場合は，予め就業規則に規定しておく必要があります。<br />　休職命令の発令，休職期間の延長等に関し，同じような立場にある社員の扱いを異にした場合，紛争になりやすく，敗訴リスクも高まる傾向にあります。</p>
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		</item>
		<item>
		<title>行方不明になってしまい，社宅に本人の家財道具等を残したまま，長期間連絡が取れない。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m11.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m11.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 00:57:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1707</guid>
		<description><![CDATA[
　社員が行方不明になった場合，まずは，電話，電子メール，社宅訪問，家族・身元保証人等への問い合わせ等により，社員の行方を捜す努力をする必要があります。　行方不明者発見活動に関する規則６条（平成２２年４月１日施行，平成二十一年十二月十一日国家公安委員会規則第十三号）では，行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する警察署長は，親族からの行方不明者届のみならず，「雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者」からの行方不明者届もまた，受理するものとされています。　親族から行方不明者届を提出するのが通常と思われますが，勤務先からの行方不明者届も受理される扱いとなっていることは理解しておくとよいでしょう。
　それなりの期間努力しても社員の行方が分からないときは，退職扱いにせざるを得ませんが，解雇の意思表示は，解雇通知が相手方に到達して初めてその効力を生じるため（民法９７条１項），解雇通知が行方不明の社員に到達しなければ解雇の意思表示は効力を生じません。　社員が社宅で生活しており，単に出社拒否をしているに過ぎないような事案であれば，社宅の当該社員の部屋に解雇通知が届けば，実際に社員が解雇通知書を読んでいなくても，解雇の意思表示が到達したことになりますが，本当の意味での行方不明で，社宅にも戻っていない場合は，社宅の部屋に解雇通知が到達したとしても，解雇の意思表示が社員に到達したことにはならず，解雇の意思表示は効力を生じません。
　電子メールによる解雇通知は，行方不明の社員から返信があれば，通常は解雇の意思表示が当該社員に到達し，解雇の効力が生じていると考えることができるでしょう。　ただし，電子メールに返信があるような事案の場合，そもそも行方不明と言えるのか問題となる余地がありますので，解雇権濫用（労働契約法１６条）とならないよう，解雇に先立ち，行方不明の社員と連絡を取る努力を尽くすべきです。　他方，行方不明の社員からメール返信がない場合は，解雇の意思表示が到達したと考えることにはリスクが伴いますが，連絡を取る努力を尽くした上で，リスク覚悟で退職処理してしまうということも考えられるでしょう。
　行方不明者の家族や身元保証人に対し，行方不明の社員を解雇する旨の解雇通知を送付しても，解雇の意思表示が到達したとは評価することができず，解雇の効力は生じません。　ただし，リスク覚悟の上で退職処理することもあり得るかもしれません。　兵庫県社土木事務所事件最高裁第一小法廷平成１１年７月１５日判決では，行方不明の職員と同居していた家族に対し人事発令通知書を交付するとともにその内容を兵庫県公報に掲載するという方法でなされた懲戒免職処分の効力の発生を認めていますが，特殊な事案であり，射程を広く考えることはできません。　例えば，家族に解雇通知書を交付し，社内報に掲載したといった程度では，通常は解雇の意思表示の効力は生じないでしょう。
　完全に行方不明の社員に対し，解雇通知する場合は，公示による意思表示（民法９８条）によることになりますが，手続が煩雑ですので，就業規則に無断欠勤が一定期間（３０日～５０日程度）続き，会社に行方が知れないときには当然に退職する旨の規定を置き，適用することにより対処するのが一般的です。
　行方不明の社員を退職扱いとした場合であっても，後日，連絡があり，行方不明であったことについてやむを得ない理由があったことが判明した場合は，その時点で復職の可否を検討すべきでしょう。
　福利厚生施設としての社宅の法律関係は，社宅利用規程によって規律され，社宅の明渡しを請求できるかどうかは，社宅利用規程の明渡事由に該当するかどうかにより決せられることになります。　社宅利用料が高額であるなどの理由から，社宅契約が借地借家法の予定する賃貸借契約と認定された場合は，契約の解約には６か月前の解約申入れが必要であり（借地借家法２７条），解約には正当の事由が必要となりますから（借地借家法２８条），トラブルを避けるためにも，福利厚生施設としての役割に反しない金額の利用料設定にすべきでしょう。
　行方不明の社員が退職扱いとなり，社宅利用契約が終了したとしても，実際にどうやって部屋の明渡し作業を行うかは問題となります。　行方不明の社員を相手に訴訟を提起し，公示送達（民事訴訟法１１０条）の方法により訴状を送達し，勝訴判決を得て強制執行するというのが，法律論的には本筋かもしれませんが，時間，費用，手間がかかります。　かといって，勝手に荷物を運び出して処分してしまうわけにもいきません。　実務上は，行方不明の社員の両親等の協力を得て，明渡しに立ち会ってもらい，荷物を引き取って保管してもらうことが多いと思われます。　完全に適法なやり方と言えるかどうかは微妙なところであり，ある程度のリスクを覚悟した上で行うことになりますが，両親等の協力があれば，トラブルに発展するケースはそれほど多くはないものと思われます。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　社員が行方不明になった場合，まずは，電話，電子メール，社宅訪問，家族・身元保証人等への問い合わせ等により，社員の行方を捜す努力をする必要があります。<br />　行方不明者発見活動に関する規則６条（平成２２年４月１日施行，平成二十一年十二月十一日国家公安委員会規則第十三号）では，行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する警察署長は，親族からの行方不明者届のみならず，「雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者」からの行方不明者届もまた，受理するものとされています。<br />　親族から行方不明者届を提出するのが通常と思われますが，勤務先からの行方不明者届も受理される扱いとなっていることは理解しておくとよいでしょう。</p>
<p>　それなりの期間努力しても社員の行方が分からないときは，退職扱いにせざるを得ませんが，解雇の意思表示は，解雇通知が相手方に到達して初めてその効力を生じるため（民法９７条１項），解雇通知が行方不明の社員に到達しなければ解雇の意思表示は効力を生じません。<br />　社員が社宅で生活しており，単に出社拒否をしているに過ぎないような事案であれば，社宅の当該社員の部屋に解雇通知が届けば，実際に社員が解雇通知書を読んでいなくても，解雇の意思表示が到達したことになりますが，本当の意味での行方不明で，社宅にも戻っていない場合は，社宅の部屋に解雇通知が到達したとしても，解雇の意思表示が社員に到達したことにはならず，解雇の意思表示は効力を生じません。</p>
<p>　電子メールによる解雇通知は，行方不明の社員から返信があれば，通常は解雇の意思表示が当該社員に到達し，解雇の効力が生じていると考えることができるでしょう。<br />　ただし，電子メールに返信があるような事案の場合，そもそも行方不明と言えるのか問題となる余地がありますので，解雇権濫用（労働契約法１６条）とならないよう，解雇に先立ち，行方不明の社員と連絡を取る努力を尽くすべきです。<br />　他方，行方不明の社員からメール返信がない場合は，解雇の意思表示が到達したと考えることにはリスクが伴いますが，連絡を取る努力を尽くした上で，リスク覚悟で退職処理してしまうということも考えられるでしょう。</p>
<p>　行方不明者の家族や身元保証人に対し，行方不明の社員を解雇する旨の解雇通知を送付しても，解雇の意思表示が到達したとは評価することができず，解雇の効力は生じません。<br />　ただし，リスク覚悟の上で退職処理することもあり得るかもしれません。<br />　兵庫県社土木事務所事件最高裁第一小法廷平成１１年７月１５日判決では，行方不明の職員と同居していた家族に対し人事発令通知書を交付するとともにその内容を兵庫県公報に掲載するという方法でなされた懲戒免職処分の効力の発生を認めていますが，特殊な事案であり，射程を広く考えることはできません。<br />　例えば，家族に解雇通知書を交付し，社内報に掲載したといった程度では，通常は解雇の意思表示の効力は生じないでしょう。</p>
<p>　完全に行方不明の社員に対し，解雇通知する場合は，公示による意思表示（民法９８条）によることになりますが，手続が煩雑ですので，就業規則に無断欠勤が一定期間（３０日～５０日程度）続き，会社に行方が知れないときには当然に退職する旨の規定を置き，適用することにより対処するのが一般的です。</p>
<p>　行方不明の社員を退職扱いとした場合であっても，後日，連絡があり，行方不明であったことについてやむを得ない理由があったことが判明した場合は，その時点で復職の可否を検討すべきでしょう。</p>
<p>　福利厚生施設としての社宅の法律関係は，社宅利用規程によって規律され，社宅の明渡しを請求できるかどうかは，社宅利用規程の明渡事由に該当するかどうかにより決せられることになります。<br />　社宅利用料が高額であるなどの理由から，社宅契約が借地借家法の予定する賃貸借契約と認定された場合は，契約の解約には６か月前の解約申入れが必要であり（借地借家法２７条），解約には正当の事由が必要となりますから（借地借家法２８条），トラブルを避けるためにも，福利厚生施設としての役割に反しない金額の利用料設定にすべきでしょう。</p>
<p>　行方不明の社員が退職扱いとなり，社宅利用契約が終了したとしても，実際にどうやって部屋の明渡し作業を行うかは問題となります。<br />　行方不明の社員を相手に訴訟を提起し，公示送達（民事訴訟法１１０条）の方法により訴状を送達し，勝訴判決を得て強制執行するというのが，法律論的には本筋かもしれませんが，時間，費用，手間がかかります。<br />　かといって，勝手に荷物を運び出して処分してしまうわけにもいきません。<br />　実務上は，行方不明の社員の両親等の協力を得て，明渡しに立ち会ってもらい，荷物を引き取って保管してもらうことが多いと思われます。<br />　完全に適法なやり方と言えるかどうかは微妙なところであり，ある程度のリスクを覚悟した上で行うことになりますが，両親等の協力があれば，トラブルに発展するケースはそれほど多くはないものと思われます。</p>
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		<title>仕事の能力が低い。</title>
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		<pubDate>Mon, 22 Aug 2011 14:09:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　仕事の能力が低いというのは，基本的には，注意，指導，教育して能力の育成を図るべき問題です。　注意，指導，教育して必要な能力を身につけさせたり，異なる部署への配転をしたりして，能力を発揮できるよう最大限努力する必要があります。　ただし，特定の能力があることを前提として労働契約が締結された場合で，契約で想定されている能力がないことが判明した場合は，教育や配転ではなく，直ちに解雇を検討するのが原則となります。　また，地位を特定して労働契約が締結された場合は，特定された地位に相応しい能力があることを前提として労働契約が締結されたと評価できることが多く，特定された地位に相応しい能力がないことが判明した場合は，教育や配転ではなく，解雇を検討するのが原則となります。
　能力不足を理由とした解雇が認められるかどうかは，労働契約で求められている能力が欠如しているかどうかによります。　単に思ったほど能力がなく，見込み違いであったというだけでは，解雇は認められません。　長期雇用を予定した新卒採用者については，社内教育等により社員の能力を向上させていくことが予定されているのですから，能力不足を理由とした解雇は，例外的な場合でない限り，認められません。　また，一般的には，勤続年数が長い社員，賃金が低い社員は，能力不足を理由とした解雇が認められにくい傾向にあります。　採用募集広告に，「経験不問」と記載して採用した場合は，一定の経験がなければ有していないような能力を採用当初から有していることを要求することはできません。
　特定の能力を有することが労働契約の条件として明示されているなどして，労働契約上要求されている場合で，労働契約で予定された能力がなかった場合には，原則として解雇が認められることになります。　前提として，契約で求められている能力は，労働契約書等の書面に明示しておく必要があります。　地位を特定して採用した場合は，労働契約で求められている能力はその地位にある者に要求される能力なのですから，その地位にある者に要求される能力が欠如しているかどうかが，解雇の可否の基準となります。　やはり，労働契約書等の記載上，地位を特定した採用したことが客観的に分かるようにしておく必要があります。
　能力不足を理由とした解雇が有効と判断されるようにするためには，能力不足を示す「具体的事実」を立証できるようにしておく必要があります。　抽象的に能力不足と言ってみても，裁判官を説得することはできません。　営業成績のように数字に残るものがある業務に従事している社員については比較的立証しやすいですが，そうでない業務に従事している社員については，何月何日に能力不足を示すどのような具体的事実があったのか，記録に残しておく必要があります。　「彼（女）の能力が低いことは，周りの社員も，取引先もみんな知っている。」というだけでは足りません。　解雇に踏み切る可能性が高い場合は，解雇に先立ち，一定の目標を達成できない場合は解雇する旨，警告しておくことが望ましいところです。
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			<content:encoded><![CDATA[
<p>　仕事の能力が低いというのは，基本的には，注意，指導，教育して能力の育成を図るべき問題です。<br />　注意，指導，教育して必要な能力を身につけさせたり，異なる部署への配転をしたりして，能力を発揮できるよう最大限努力する必要があります。<br />　ただし，特定の能力があることを前提として労働契約が締結された場合で，契約で想定されている能力がないことが判明した場合は，教育や配転ではなく，直ちに解雇を検討するのが原則となります。<br />　また，地位を特定して労働契約が締結された場合は，特定された地位に相応しい能力があることを前提として労働契約が締結されたと評価できることが多く，特定された地位に相応しい能力がないことが判明した場合は，教育や配転ではなく，解雇を検討するのが原則となります。</p>
<p>　能力不足を理由とした解雇が認められるかどうかは，労働契約で求められている能力が欠如しているかどうかによります。<br />　単に思ったほど能力がなく，見込み違いであったというだけでは，解雇は認められません。<br />　長期雇用を予定した新卒採用者については，社内教育等により社員の能力を向上させていくことが予定されているのですから，能力不足を理由とした解雇は，例外的な場合でない限り，認められません。<br />　また，一般的には，勤続年数が長い社員，賃金が低い社員は，能力不足を理由とした解雇が認められにくい傾向にあります。<br />　採用募集広告に，「経験不問」と記載して採用した場合は，一定の経験がなければ有していないような能力を採用当初から有していることを要求することはできません。</p>
<p>　特定の能力を有することが労働契約の条件として明示されているなどして，労働契約上要求されている場合で，労働契約で予定された能力がなかった場合には，原則として解雇が認められることになります。<br />　前提として，契約で求められている能力は，労働契約書等の書面に明示しておく必要があります。<br />　地位を特定して採用した場合は，労働契約で求められている能力はその地位にある者に要求される能力なのですから，その地位にある者に要求される能力が欠如しているかどうかが，解雇の可否の基準となります。<br />　やはり，労働契約書等の記載上，地位を特定した採用したことが客観的に分かるようにしておく必要があります。</p>
<p>　能力不足を理由とした解雇が有効と判断されるようにするためには，能力不足を示す「具体的事実」を立証できるようにしておく必要があります。<br />　抽象的に能力不足と言ってみても，裁判官を説得することはできません。<br />　営業成績のように数字に残るものがある業務に従事している社員については比較的立証しやすいですが，そうでない業務に従事している社員については，何月何日に能力不足を示すどのような具体的事実があったのか，記録に残しておく必要があります。<br />　「彼（女）の能力が低いことは，周りの社員も，取引先もみんな知っている。」というだけでは足りません。<br />　解雇に踏み切る可能性が高い場合は，解雇に先立ち，一定の目標を達成できない場合は解雇する旨，警告しておくことが望ましいところです。</p>
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		<title>就業時間外に社外で飲酒運転，痴漢，傷害事件等の刑事事件を起こして逮捕された。</title>
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		<pubDate>Mon, 22 Aug 2011 12:36:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　就業時間外に社外で社員が刑事事件を起こしたとしても，それだけでは直ちに懲戒処分に処することができるわけではありません。　まずは，本人の言い分をよく聞き，記録に残しておくべきでしょう。
　本人が犯行を否認しており，犯罪が行われたかどうかが明らかではない場合は，犯行があったことを前提に懲戒処分をすることはリスクが高いので，懲戒処分は慎重に行う必要があります。　逮捕勾留されたことにより，社員本人と連絡が取れなくなり，無断欠勤が続くこともあり得ますが，まずは家族等を通じて，連絡を取る努力をすべきです。　家族等から，欠勤の連絡等が入ることがありますが，懲戒解雇等の処分を恐れて，犯罪行為により逮捕勾留されていることまでは報告を受けられない場合もあります。　年休取得の申請があった場合は，年休扱いにするのが原則です。
　痴漢，傷害事件等，被害者のある刑事事件における弁護人の起訴前弁護の主な活動内容は，早期に被害者と示談して不起訴処分を勝ち取ることです。　不起訴処分が決まれば，逮捕勾留は解かれ，出社できる状態となります。　刑事事件を犯したことを会社に知られずに出社できた場合は，弁護人としていい仕事をしたことになります。
　従業員が起訴された事実のみで，形式的に起訴休職の規定の適用が認められるものではありません。　「職務の性質，公訴事実の内容，身柄拘束の有無など諸般の事情に照らし，起訴された従業員が引き続き就労することにより，被告の対外的信用が失墜し，又は職場秩序の維持に障害が生ずるおそれがあるか，あるいは当該従業員の労務の継続的な給付や企業活動の円滑な遂行に障害が生ずるおそれがある場合」に該当するかどうか，休職によって被る社員の不利益の程度が，「起訴の対象となった事実が確定的に認められた場合に行われる可能性のある懲役処分の内容と比較して明らかに均衡を欠く場合」に該当するかどうかを検討する必要があります（全日空輸事件東京地裁平成１１年２月１５日判決）。　なお，起訴休職制度を設けると，有罪判決が確定するまで解雇することができないと解釈されるおそれがありますので，そのような事態を避けるためには起訴休職制度は設けず，個別に対応する方が適切かもしれません。
　懲戒解雇は紛争になりやすく，懲戒解雇が無効と判断されるリスクもそれなりにありますので，慎重に検討する必要があります。　会社の社会的評価を若干低下させたという程度では足りません。　就業時間外に社外で行われた刑事事件が会社の社会的評価に重大な悪影響を与えたことを理由とする懲戒解雇の可否の判断にあたっては，「当該行為の性質，情状のほか，会社の事業の種類・態様・規模，会社の経済界に占める地位，経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から綜合的に判断して，右行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合」に該当するかどうかを検討することになります（日本鋼管事件最高裁第二小法廷昭和４９年３月１５日判決）。　例えば，タクシーやバスの運転業務に従事している社員が飲酒運転した場合や，電鉄会社社員等，痴漢を防止すべき立場にある者が痴漢した場合は，比較的懲戒解雇が認められやすいといえるでしょう。
　懲戒解雇が無効とされるリスクがある事案については，より軽い懲戒処分にとどめた方が無難かもしれません。　結果として，社員が自主退職することもあります。　最初に刑事事件を起こした際に，懲戒解雇を回避してより軽い懲戒処分をする場合は，書面で，次に同種の刑事事件を起こしたら懲戒解雇する旨の警告をするか，次に同種の刑事事件を起こしたら懲戒解雇されても異存ない旨記載された始末書を取っておくべきでしょう。　そうすれば，同種の犯罪を犯した場合の懲戒解雇が有効となりやすくなります。
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			<content:encoded><![CDATA[
<p>　就業時間外に社外で社員が刑事事件を起こしたとしても，それだけでは直ちに懲戒処分に処することができるわけではありません。<br />　まずは，本人の言い分をよく聞き，記録に残しておくべきでしょう。</p>
<p>　本人が犯行を否認しており，犯罪が行われたかどうかが明らかではない場合は，犯行があったことを前提に懲戒処分をすることはリスクが高いので，懲戒処分は慎重に行う必要があります。<br />　逮捕勾留されたことにより，社員本人と連絡が取れなくなり，無断欠勤が続くこともあり得ますが，まずは家族等を通じて，連絡を取る努力をすべきです。<br />　家族等から，欠勤の連絡等が入ることがありますが，懲戒解雇等の処分を恐れて，犯罪行為により逮捕勾留されていることまでは報告を受けられない場合もあります。<br />　年休取得の申請があった場合は，年休扱いにするのが原則です。</p>
<p>　痴漢，傷害事件等，被害者のある刑事事件における弁護人の起訴前弁護の主な活動内容は，早期に被害者と示談して不起訴処分を勝ち取ることです。<br />　不起訴処分が決まれば，逮捕勾留は解かれ，出社できる状態となります。<br />　刑事事件を犯したことを会社に知られずに出社できた場合は，弁護人としていい仕事をしたことになります。</p>
<p>　従業員が起訴された事実のみで，形式的に起訴休職の規定の適用が認められるものではありません。<br />　「職務の性質，公訴事実の内容，身柄拘束の有無など諸般の事情に照らし，起訴された従業員が引き続き就労することにより，被告の対外的信用が失墜し，又は職場秩序の維持に障害が生ずるおそれがあるか，あるいは当該従業員の労務の継続的な給付や企業活動の円滑な遂行に障害が生ずるおそれがある場合」に該当するかどうか，休職によって被る社員の不利益の程度が，「起訴の対象となった事実が確定的に認められた場合に行われる可能性のある懲役処分の内容と比較して明らかに均衡を欠く場合」に該当するかどうかを検討する必要があります（全日空輸事件東京地裁平成１１年２月１５日判決）。<br />　なお，起訴休職制度を設けると，有罪判決が確定するまで解雇することができないと解釈されるおそれがありますので，そのような事態を避けるためには起訴休職制度は設けず，個別に対応する方が適切かもしれません。</p>
<p>　懲戒解雇は紛争になりやすく，懲戒解雇が無効と判断されるリスクもそれなりにありますので，慎重に検討する必要があります。<br />　会社の社会的評価を若干低下させたという程度では足りません。<br />　就業時間外に社外で行われた刑事事件が会社の社会的評価に重大な悪影響を与えたことを理由とする懲戒解雇の可否の判断にあたっては，「当該行為の性質，情状のほか，会社の事業の種類・態様・規模，会社の経済界に占める地位，経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から綜合的に判断して，右行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合」に該当するかどうかを検討することになります（日本鋼管事件最高裁第二小法廷昭和４９年３月１５日判決）。<br />　例えば，タクシーやバスの運転業務に従事している社員が飲酒運転した場合や，電鉄会社社員等，痴漢を防止すべき立場にある者が痴漢した場合は，比較的懲戒解雇が認められやすいといえるでしょう。</p>
<p>　懲戒解雇が無効とされるリスクがある事案については，より軽い懲戒処分にとどめた方が無難かもしれません。<br />　結果として，社員が自主退職することもあります。<br />　最初に刑事事件を起こした際に，懲戒解雇を回避してより軽い懲戒処分をする場合は，書面で，次に同種の刑事事件を起こしたら懲戒解雇する旨の警告をするか，次に同種の刑事事件を起こしたら懲戒解雇されても異存ない旨記載された始末書を取っておくべきでしょう。<br />　そうすれば，同種の犯罪を犯した場合の懲戒解雇が有効となりやすくなります。</p>
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		<title>社内研修，勉強会，合宿研修への参加を拒否する。</title>
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		<pubDate>Mon, 22 Aug 2011 05:04:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

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		<description><![CDATA[
　まずは，社内研修，勉強会，合宿研修への参加が「義務」なのか「自由参加」なのかをはっきりさせる必要があります。　参加が義務ということであれば，研修等に要する時間は社会通念上必要な限度で労基法上の労働時間に該当するため，（割増）賃金の支払が必要になります。　他方，自由参加ということであれば，当然，参加を義務付けることはできず，参加するかどうかは本人の意思に委ねられることになります。　（割増）賃金を支払ってでも参加させる業務上の必要があるようなものなのかどうかを，まずは判断する必要があります。
　使用者が社員に対し受講を命じることができる研修等の内容は，現在の業務遂行に必要な知識，技能の習得に必要な研修等に限られず，使用者が社員に命じ得ることができる教育訓練の時期及び内容，方法は，その性質上原則として使用者（ないし実際にこれを実施することを委任された社員）の裁量的判断に委ねられています。　ただし，使用者の裁量は無制約なものではなく，その命じ得る研修等の時期，内容，方法において労働契約の内容及び研修等の目的等に照らして不合理なものであってはなりませんし，また，その実施に当たっても社員の人格権を不当に侵害する態様のものであってはならないことは，言うまでもありません。　合理的教育的意義が認められない教育訓練，自己の信仰する宗教と異なる宗教行事への参加等を義務付けることはできないことになります。
　一般教養の研修への参加を義務付けることができるかは微妙なところですが，一般に本人の意思に反してでも受講させる必要があるような性質のものではないのですから，本人の同意を得た上で，受講させるようにすべきです。　どうしても一般教養の研修への参加を義務付ける必要がある場合は，その必要性について合理的な説明ができるようにしておく必要があります。
　参加が義務付けられている社内研修，勉強会，合宿研修の期間中の年次有給休暇取得の請求がなされた場合，研修期間，当該研修を受けさせる必要性の程度など諸般の事情を考慮した上で，時季変更権行使の可否が決せられることになります。　例えば，社内研修等の期間が比較的短期間で，当該社内研修等により知識，技能等を習得させる必要性が高く，研修期間中の年休取得を認めたのでは研修の目的を達成することができない場合は，研修を欠席しても予定された知識，技能の習得に不足を生じさせないものであるような場合でない限り，年休取得が事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することができることになるでしょう。　一般教養の研修については，その性質上，時季変更権を行使して研修期間中の年休取得を拒絶することは難しいケースが多いと思います。
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			<content:encoded><![CDATA[
<p>　まずは，社内研修，勉強会，合宿研修への参加が「義務」なのか「自由参加」なのかをはっきりさせる必要があります。<br />　参加が義務ということであれば，研修等に要する時間は社会通念上必要な限度で労基法上の労働時間に該当するため，（割増）賃金の支払が必要になります。<br />　他方，自由参加ということであれば，当然，参加を義務付けることはできず，参加するかどうかは本人の意思に委ねられることになります。<br />　（割増）賃金を支払ってでも参加させる業務上の必要があるようなものなのかどうかを，まずは判断する必要があります。</p>
<p>　使用者が社員に対し受講を命じることができる研修等の内容は，現在の業務遂行に必要な知識，技能の習得に必要な研修等に限られず，使用者が社員に命じ得ることができる教育訓練の時期及び内容，方法は，その性質上原則として使用者（ないし実際にこれを実施することを委任された社員）の裁量的判断に委ねられています。<br />　ただし，使用者の裁量は無制約なものではなく，その命じ得る研修等の時期，内容，方法において労働契約の内容及び研修等の目的等に照らして不合理なものであってはなりませんし，また，その実施に当たっても社員の人格権を不当に侵害する態様のものであってはならないことは，言うまでもありません。<br />　合理的教育的意義が認められない教育訓練，自己の信仰する宗教と異なる宗教行事への参加等を義務付けることはできないことになります。</p>
<p>　一般教養の研修への参加を義務付けることができるかは微妙なところですが，一般に本人の意思に反してでも受講させる必要があるような性質のものではないのですから，本人の同意を得た上で，受講させるようにすべきです。<br />　どうしても一般教養の研修への参加を義務付ける必要がある場合は，その必要性について合理的な説明ができるようにしておく必要があります。</p>
<p>　参加が義務付けられている社内研修，勉強会，合宿研修の期間中の年次有給休暇取得の請求がなされた場合，研修期間，当該研修を受けさせる必要性の程度など諸般の事情を考慮した上で，時季変更権行使の可否が決せられることになります。<br />　例えば，社内研修等の期間が比較的短期間で，当該社内研修等により知識，技能等を習得させる必要性が高く，研修期間中の年休取得を認めたのでは研修の目的を達成することができない場合は，研修を欠席しても予定された知識，技能の習得に不足を生じさせないものであるような場合でない限り，年休取得が事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することができることになるでしょう。<br />　一般教養の研修については，その性質上，時季変更権を行使して研修期間中の年休取得を拒絶することは難しいケースが多いと思います。</p>
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