<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>四谷麹町法律事務所（東京）</title>
	<atom:link href="http://www.y-klaw.com/feed" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>http://www.y-klaw.com</link>
	<description>労働問題の相談，弁護士による労働審判・問題社員の対応，東京都千代田区の四谷麹町法律事務所</description>
	<lastBuildDate>Mon, 14 May 2012 01:13:32 +0000</lastBuildDate>
	<generator>http://wordpress.org/?v=2.9.2</generator>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
			<item>
		<title>解雇した社員が合同労組に加入し，団体交渉を求めてきたり，会社オフィス前や社長自宅前で街宣活動をしたりする。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m30.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m30.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:43:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2746</guid>
		<description><![CDATA[
　解雇された社員であっても，解雇そのものまたはそれに関連する退職条件等が団体交渉の対象となっている場合には，労働組合法第７条第２号の「雇用する労働者」に含まれるため，解雇された社員が加入した労働組合からの団体交渉を拒絶した場合，他の要件を満たせば不当労働行為となります。
　多数組合との間でユニオン・ショップ協定（雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず，加入しないときは使用者においてこれを解雇するという協定）が締結されていたとしても，ユニオン・ショップ協定は多数組合以外の組合に社員が加入することを禁止するものではありませんから，社員が合同労組の組合員となった場合に，合同労組が社員を代表することができないことにはなりません。　社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定（唯一交渉団体条項）のある労働協約が締結されていたとしても，団体交渉拒否の正当な理由とはなりません。　社外の合同労組からの団体交渉申入れであっても，原則として応じる必要があります。
　会社オフィス付近での街宣活動が正当な組合活動と評価される場合には，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等をすることはできません。　他方，正当な組合活動を逸脱するようなものについては，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等が認められます。
　労働組合またはその組合員が，使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは，原則として使用者の施設管理権を不当に侵害するものであり，正当な組合活動とはいえません。　会社敷地内での組合活動であっても，一般人が自由に立ち入ることができる格別会社の職場秩序が乱されるおそれのない場所での組合活動は，使用者の施設管理権を不当に侵害するものとはいえないと評価される可能性が高いです。　組合活動としてなされる文書活動であっても，虚偽の事実や誤解を与えかねない事実を記載して，会社の利益を不当に侵害したり，名誉，信用を毀損，失墜させたり，あるいは企業の円滑な運営に支障を来たしたりするような場合には，組合活動として正当性の範囲を逸脱すると評価することができ，懲戒処分，損害賠償請求等の対象となります。　ビラ配りがなされた場合は，ビラの内容をチェックするようにしましょう。
　労働組合の諸権利は企業経営者の私生活の領域までは及びません。　労働組合の活動が企業経営者の私生活の領域において行われた場合には，企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて，表現の自由の行使として相当性を有し，容認されることがあるにとどまります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　解雇された社員であっても，解雇そのものまたはそれに関連する退職条件等が団体交渉の対象となっている場合には，労働組合法第７条第２号の「雇用する労働者」に含まれるため，解雇された社員が加入した労働組合からの団体交渉を拒絶した場合，他の要件を満たせば不当労働行為となります。</p>
<p>　多数組合との間でユニオン・ショップ協定（雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず，加入しないときは使用者においてこれを解雇するという協定）が締結されていたとしても，ユニオン・ショップ協定は多数組合以外の組合に社員が加入することを禁止するものではありませんから，社員が合同労組の組合員となった場合に，合同労組が社員を代表することができないことにはなりません。<br />　社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定（唯一交渉団体条項）のある労働協約が締結されていたとしても，団体交渉拒否の正当な理由とはなりません。<br />　社外の合同労組からの団体交渉申入れであっても，原則として応じる必要があります。</p>
<p>　会社オフィス付近での街宣活動が正当な組合活動と評価される場合には，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等をすることはできません。<br />　他方，正当な組合活動を逸脱するようなものについては，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等が認められます。</p>
<p>　労働組合またはその組合員が，使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは，原則として使用者の施設管理権を不当に侵害するものであり，正当な組合活動とはいえません。<br />　会社敷地内での組合活動であっても，一般人が自由に立ち入ることができる格別会社の職場秩序が乱されるおそれのない場所での組合活動は，使用者の施設管理権を不当に侵害するものとはいえないと評価される可能性が高いです。<br />　組合活動としてなされる文書活動であっても，虚偽の事実や誤解を与えかねない事実を記載して，会社の利益を不当に侵害したり，名誉，信用を毀損，失墜させたり，あるいは企業の円滑な運営に支障を来たしたりするような場合には，組合活動として正当性の範囲を逸脱すると評価することができ，懲戒処分，損害賠償請求等の対象となります。<br />　ビラ配りがなされた場合は，ビラの内容をチェックするようにしましょう。</p>
<p>　労働組合の諸権利は企業経営者の私生活の領域までは及びません。<br />　労働組合の活動が企業経営者の私生活の領域において行われた場合には，企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて，表現の自由の行使として相当性を有し，容認されることがあるにとどまります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m30.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>社員を引き抜いて，同業他社に転職する。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m29.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m29.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:41:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2744</guid>
		<description><![CDATA[
　在職中は，労働契約上の誠実義務として，同業他社に勤務したり，自ら同業他社を経営したりすることは当然禁止されますが，退職後は，競業避止特約がある場合に限り，合理的な範囲内においてのみ競業が禁止されることになります。　特約がない場合であっても，労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して，使用者が取引継続中のものに働きかけをして競業を行うことは許されず，そのような働きかけをした場合には，労働契約上の債務不履行となるとする裁判例（チェスコム秘書センター事件東京地裁平成５年１月２８日判決）もありますが，競業自体というより，取引先への働きかけが問題とされたものと考えておいた方が，穏当なのではないかと思います。
　社員が退職後の競業避止義務を定めた誓約書を提出したとしても，競業の制限が合理的範囲を超え，職業選択の自由，営業の自由を不当に制限するものである場合は，公序良俗に反し無効となります。　退職後の競業の制限が合理的範囲を超えるか否かは，「制限の期間，場所的範囲，制限の対象となる職種の範囲，代償の有無等について，債権者の利益（企業秘密の保護），債務者の不利益（転職，再就職の不自由）及び社会的利害（独占集中の虞れ，それに伴う一般消費者の利害）の三つの視点に立って慎重に検討していくことを要する」（フォセコ・ジャパン・リミテッド事件奈良地裁昭和４５年１０月２３日判決）と考えるのが一般的です。
　個別の同意がない場合であっても，退職後の競業避止義務を就業規則に定めれば，その内容が合理的なものである限り，退職後の競業避止義務を課すことができます。　また，就業規則の服務規律に在職中の引き抜き行為を禁止する旨定め，在職中の引き抜き行為を懲戒解雇事由として規定しておくべきでしょう。
　退職金の不支給・減額・返還事由として，退職後の競業避止義務に違反した場合や懲戒解雇事由に該当する場合を規定しておくことも考えられます。　当該個別事案において，退職金不支給・減額の合理性がある場合には，退職金を不支給または減額したり，支給した退職金の全部または一部の返還を請求したりすることができることになります。
　退職金の不支給・減額・返還の合理性の有無は，①　退職金の性格の中に功労報奨金的要素の占める度合いがどの程度か②　会社の損害，額の大きさ，会社において営業努力により回避できるか，不可避なものか③　労働者の背信性の存否等等を考慮して判断されることになります。
　競業避止義務に違反したというだけでは，会社の損害の有無，損害との間の因果関係の立証が困難なことが多く，損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。　従業員の引抜行為のうち単なる転職の勧誘に留まるものは違法とはいえず，転職の勧誘が引き抜かれる側の会社の幹部従業員によって行われたとしても，直ちに雇用契約上の誠実義務に違反した行為と評価することはできません。　ただし，退職時期を考慮し，あるいは事前の予告を行う等，会社の正当な利益を侵害しないよう配慮すべきであり，会社に内密に移籍の計画を立て一斉，かつ，大量に授業員を引き抜く等，その引抜きが単なる転職の勧誘の域を越え，社会的相当性を逸脱し極めて背信的方法で行われた場合には，それを実行した会社の幹部従業員は雇用契約上の誠実義務に違反したものとして，債務不履行あるいは不法行為責任を負うことになります。　社会的相当性を逸脱した引抜行為であるか否かは，転職する従業員のその会社に占める地位，会社内部における待遇及び人数，従業員の転職が会社に及ぼす影響，転職の勧誘に用いた方法（退職時期の予告の有無，秘密性，計画性等）等諸般の事情を総合考慮して判断されます。
　ある企業が競争企業の従業員に自社への転職を勧誘する場合，単なる転職の勧誘を越えて社会的相当性を逸脱した方法で従業員を引き抜いた場合には，その企業は雇用契約上の債権を侵害したものとして，不法行為として引抜行為によって競争企業が受けた損害を賠償する責任があります。　ただし，社員には退職・転職の自由が認められているため，社員の自由な意思による退職・転職に伴って会社に発生する損害については，原則として損害賠償請求することはできません。　転職の多い業界，代替人材の確保が容易な業界における引き抜きについては，それが違法なものであったとしても，会社の主張する損害の一部しか相当因果関係を認めてもらえないことが多いというのが実情です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　在職中は，労働契約上の誠実義務として，同業他社に勤務したり，自ら同業他社を経営したりすることは当然禁止されますが，退職後は，競業避止特約がある場合に限り，合理的な範囲内においてのみ競業が禁止されることになります。<br />　特約がない場合であっても，労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して，使用者が取引継続中のものに働きかけをして競業を行うことは許されず，そのような働きかけをした場合には，労働契約上の債務不履行となるとする裁判例（チェスコム秘書センター事件東京地裁平成５年１月２８日判決）もありますが，競業自体というより，取引先への働きかけが問題とされたものと考えておいた方が，穏当なのではないかと思います。</p>
<p>　社員が退職後の競業避止義務を定めた誓約書を提出したとしても，競業の制限が合理的範囲を超え，職業選択の自由，営業の自由を不当に制限するものである場合は，公序良俗に反し無効となります。<br />　退職後の競業の制限が合理的範囲を超えるか否かは，「制限の期間，場所的範囲，制限の対象となる職種の範囲，代償の有無等について，債権者の利益（企業秘密の保護），債務者の不利益（転職，再就職の不自由）及び社会的利害（独占集中の虞れ，それに伴う一般消費者の利害）の三つの視点に立って慎重に検討していくことを要する」（フォセコ・ジャパン・リミテッド事件奈良地裁昭和４５年１０月２３日判決）と考えるのが一般的です。</p>
<p>　個別の同意がない場合であっても，退職後の競業避止義務を就業規則に定めれば，その内容が合理的なものである限り，退職後の競業避止義務を課すことができます。<br />　また，就業規則の服務規律に在職中の引き抜き行為を禁止する旨定め，在職中の引き抜き行為を懲戒解雇事由として規定しておくべきでしょう。</p>
<p>　退職金の不支給・減額・返還事由として，退職後の競業避止義務に違反した場合や懲戒解雇事由に該当する場合を規定しておくことも考えられます。<br />　当該個別事案において，退職金不支給・減額の合理性がある場合には，退職金を不支給または減額したり，支給した退職金の全部または一部の返還を請求したりすることができることになります。</p>
<p>　退職金の不支給・減額・返還の合理性の有無は，<br />①　退職金の性格の中に功労報奨金的要素の占める度合いがどの程度か<br />②　会社の損害，額の大きさ，会社において営業努力により回避できるか，不可避なものか<br />③　労働者の背信性の存否等<br />等を考慮して判断されることになります。</p>
<p>　競業避止義務に違反したというだけでは，会社の損害の有無，損害との間の因果関係の立証が困難なことが多く，損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。<br />　従業員の引抜行為のうち単なる転職の勧誘に留まるものは違法とはいえず，転職の勧誘が引き抜かれる側の会社の幹部従業員によって行われたとしても，直ちに雇用契約上の誠実義務に違反した行為と評価することはできません。<br />　ただし，退職時期を考慮し，あるいは事前の予告を行う等，会社の正当な利益を侵害しないよう配慮すべきであり，会社に内密に移籍の計画を立て一斉，かつ，大量に授業員を引き抜く等，その引抜きが単なる転職の勧誘の域を越え，社会的相当性を逸脱し極めて背信的方法で行われた場合には，それを実行した会社の幹部従業員は雇用契約上の誠実義務に違反したものとして，債務不履行あるいは不法行為責任を負うことになります。<br />　社会的相当性を逸脱した引抜行為であるか否かは，転職する従業員のその会社に占める地位，会社内部における待遇及び人数，従業員の転職が会社に及ぼす影響，転職の勧誘に用いた方法（退職時期の予告の有無，秘密性，計画性等）等諸般の事情を総合考慮して判断されます。</p>
<p>　ある企業が競争企業の従業員に自社への転職を勧誘する場合，単なる転職の勧誘を越えて社会的相当性を逸脱した方法で従業員を引き抜いた場合には，その企業は雇用契約上の債権を侵害したものとして，不法行為として引抜行為によって競争企業が受けた損害を賠償する責任があります。<br />　ただし，社員には退職・転職の自由が認められているため，社員の自由な意思による退職・転職に伴って会社に発生する損害については，原則として損害賠償請求することはできません。<br />　転職の多い業界，代替人材の確保が容易な業界における引き抜きについては，それが違法なものであったとしても，会社の主張する損害の一部しか相当因果関係を認めてもらえないことが多いというのが実情です。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m29.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>営業秘密を漏洩する。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m28.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m28.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:40:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2742</guid>
		<description><![CDATA[
　社員は，在職中・退職後いずれについても，労働契約の付随義務として当然に守秘義務を負っていると考えられますが，それを明確にして自覚を促すため，諸規定を整備し，誓約書を取っておくことが重要です。
　社員が営業秘密を漏洩したと思われるような事案であっても，損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。　事後的な損害賠償請求が容易ではないことを念頭に置いて，事前の営業秘密漏洩防止に力を入れるべきです。
　社員が営業秘密を漏洩したことを立証することは，必ずしも容易ではありません。　事情をよく聞かないうちに，退職してしまうこともあります。
　損害の性質上，損害額の立証が極めて困難なことが多いという印象です。　裁判所は，口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき，相当な損害額を認定することができる（民訴法２４８条）ため，損害額の立証ができない場合であっても，損害が生じていることさえ立証することができれば，相当な損害額は認定してもらえますが，思ったほどの金額にならないことが多いというのが実情です。　労働契約の不履行について違約金を定め，損害賠償額を予定する契約をすることは禁止されているため（労基法１６条），社員が営業秘密を漏洩した場合に賠償すべき損害額を予め定めても無効となります。
　不正競争防止法に基づき，差止めや損害賠償請求をすることが考えられますが，同法の保護が及ぶ「営業秘密」とは，「秘密として管理されている生産方法，販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって，公然と知られていないもの」をいい，①　秘密管理性②　有用性③　非公知性の要件を満たす必要があります（不正競争防止法２条６項）。
　実際の事案では，①秘密管理性の有無が問題となることが多いです。　不正競争防止法にいう営業秘密の要件としての秘密管理性が認められるためには，①当該情報にアクセスした者に当該情報が営業秘密であることを認識できるようにしていることや，②当該情報にアクセスできる者が制限されていることが必要であるとか（東京地裁平成１２年９月２８日判決），少なくとも，これに接した者が秘密として管理されていることを認識し得る程度に秘密として管理している実体があることが必要である（東京地裁平成２１年１１月２７日判決）とされています。　社員の多くがアクセスできるような情報は，事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であっても，①秘密管理性の要件を欠き，不正競争防止法では保護されないことになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　社員は，在職中・退職後いずれについても，労働契約の付随義務として当然に守秘義務を負っていると考えられますが，それを明確にして自覚を促すため，諸規定を整備し，誓約書を取っておくことが重要です。</p>
<p>　社員が営業秘密を漏洩したと思われるような事案であっても，損害賠償請求は必ずしも容易ではありません。<br />　事後的な損害賠償請求が容易ではないことを念頭に置いて，事前の営業秘密漏洩防止に力を入れるべきです。</p>
<p>　社員が営業秘密を漏洩したことを立証することは，必ずしも容易ではありません。<br />　事情をよく聞かないうちに，退職してしまうこともあります。</p>
<p>　損害の性質上，損害額の立証が極めて困難なことが多いという印象です。<br />　裁判所は，口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき，相当な損害額を認定することができる（民訴法２４８条）ため，損害額の立証ができない場合であっても，損害が生じていることさえ立証することができれば，相当な損害額は認定してもらえますが，思ったほどの金額にならないことが多いというのが実情です。<br />　労働契約の不履行について違約金を定め，損害賠償額を予定する契約をすることは禁止されているため（労基法１６条），社員が営業秘密を漏洩した場合に賠償すべき損害額を予め定めても無効となります。</p>
<p>　不正競争防止法に基づき，差止めや損害賠償請求をすることが考えられますが，同法の保護が及ぶ「営業秘密」とは，「秘密として管理されている生産方法，販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって，公然と知られていないもの」をいい，<br />①　秘密管理性<br />②　有用性<br />③　非公知性<br />の要件を満たす必要があります（不正競争防止法２条６項）。</p>
<p>　実際の事案では，①秘密管理性の有無が問題となることが多いです。<br />　不正競争防止法にいう営業秘密の要件としての秘密管理性が認められるためには，①当該情報にアクセスした者に当該情報が営業秘密であることを認識できるようにしていることや，②当該情報にアクセスできる者が制限されていることが必要であるとか（東京地裁平成１２年９月２８日判決），少なくとも，これに接した者が秘密として管理されていることを認識し得る程度に秘密として管理している実体があることが必要である（東京地裁平成２１年１１月２７日判決）とされています。<br />　社員の多くがアクセスできるような情報は，事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であっても，①秘密管理性の要件を欠き，不正競争防止法では保護されないことになります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m28.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>業務上のミスを繰り返して，会社に損害を与える。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m27.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m27.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:38:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2739</guid>
		<description><![CDATA[
　基本的には適正な採用，社員の適性に合った配置・人事異動，十分な注意・指導・教育，人事考課，保険加入によるリスク管理等で対処すべき問題だと思います。　業務上のうっかりミス（過失）については，損害賠償請求はなかなか認められないし，認められたとしても損害額の一部にとどまり，実際の回収可能性も低いことが多いというのが実情です。　事前の対策としては，業務上のミスによる損害を，当該社員に対する損害賠償請求で填補できるものとは考えるべきではありません。
　懲戒処分，解雇，損害賠償請求をするためには，どのようなミスを繰り返し，会社がどのような損害を被ったのかの説明ができるようにしておく必要があります。　その都度記録を残し，始末書を取るなどして，証拠を残しておくべきです。
　社員の故意又は重過失により会社が損害を被った場合には，社員に対して損害賠償請求をすることができます。　社員に軽過失しかない場合に損害賠償請求できるかどうかは事案次第ですが，軽過失は免責される事例が多くなっています。　また，そもそも，就業規則に故意又は重過失により会社に損害を与えた場合には社員が損害賠償義務を負う旨の規定がある場合は，通常は軽過失は免責される趣旨と解釈されるため，故意又は重過失の有無が問題となり，軽過失の有無は問題となりません。
　社員に損害賠償義務が認められる場合であっても，賠償義務を負う損害額は損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度にとどまるため，故意によるものでない限り，社員に対し請求できる損害額は全体の一部にとどまることが多いということをよく理解しておく必要があります。　労働契約の不履行について違約金を定め，損害賠償額を予定する契約をすることは禁止されているため（労基法１６条），社員がミスした場合に賠償すべき損害額を予め定めても無効となります。
　損害賠償額を賃金から控除するのは，賃金の全額払いの原則（労基法２４条１項）に反し無効とされるリスクがあるため，賃金からの控除ではなく，振り込ませるなどして支払わせるのが無難だと思います。
　社員に対し損害賠償請求できる場合であっても，身元保証人に対し同額の損害賠償請求できるとは限りません。　裁判所は，身元保証人の損害賠償の責任及びその金額を定めるにつき社員の監督に関する会社の過失の有無，身元保証人が身元保証をなすに至った事由及びこれをなすに当たり用いた注意の程度，社員の任務又は身上の変化その他一切の事情を斟酌するものとされており（身元保証に関する法律５条），賠償額がさらに減額されることが多いというのが実情です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　基本的には適正な採用，社員の適性に合った配置・人事異動，十分な注意・指導・教育，人事考課，保険加入によるリスク管理等で対処すべき問題だと思います。<br />　業務上のうっかりミス（過失）については，損害賠償請求はなかなか認められないし，認められたとしても損害額の一部にとどまり，実際の回収可能性も低いことが多いというのが実情です。<br />　事前の対策としては，業務上のミスによる損害を，当該社員に対する損害賠償請求で填補できるものとは考えるべきではありません。</p>
<p>　懲戒処分，解雇，損害賠償請求をするためには，どのようなミスを繰り返し，会社がどのような損害を被ったのかの説明ができるようにしておく必要があります。<br />　その都度記録を残し，始末書を取るなどして，証拠を残しておくべきです。</p>
<p>　社員の故意又は重過失により会社が損害を被った場合には，社員に対して損害賠償請求をすることができます。<br />　社員に軽過失しかない場合に損害賠償請求できるかどうかは事案次第ですが，軽過失は免責される事例が多くなっています。<br />　また，そもそも，就業規則に故意又は重過失により会社に損害を与えた場合には社員が損害賠償義務を負う旨の規定がある場合は，通常は軽過失は免責される趣旨と解釈されるため，故意又は重過失の有無が問題となり，軽過失の有無は問題となりません。</p>
<p>　社員に損害賠償義務が認められる場合であっても，賠償義務を負う損害額は損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度にとどまるため，故意によるものでない限り，社員に対し請求できる損害額は全体の一部にとどまることが多いということをよく理解しておく必要があります。<br />　労働契約の不履行について違約金を定め，損害賠償額を予定する契約をすることは禁止されているため（労基法１６条），社員がミスした場合に賠償すべき損害額を予め定めても無効となります。</p>
<p>　損害賠償額を賃金から控除するのは，賃金の全額払いの原則（労基法２４条１項）に反し無効とされるリスクがあるため，賃金からの控除ではなく，振り込ませるなどして支払わせるのが無難だと思います。</p>
<p>　社員に対し損害賠償請求できる場合であっても，身元保証人に対し同額の損害賠償請求できるとは限りません。<br />　裁判所は，身元保証人の損害賠償の責任及びその金額を定めるにつき社員の監督に関する会社の過失の有無，身元保証人が身元保証をなすに至った事由及びこれをなすに当たり用いた注意の程度，社員の任務又は身上の変化その他一切の事情を斟酌するものとされており（身元保証に関する法律５条），賠償額がさらに減額されることが多いというのが実情です。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m27.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>会社の業績が悪いのに，賃金減額に同意しない。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m26.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m26.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:35:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2737</guid>
		<description><![CDATA[
　賃金減額の方法としては，①労働協約，②就業規則の変更，③個別同意によることが考えられます。
　労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合，それが組合員にとって有利であるか不利であるか，当該組合員が賛成したか反対したかを問わず，労働協約で定められた賃金額が労働契約で定められた賃金額に優先して適用されるのが原則です（労組法１６条）。　したがって，労働者が賃金減額に反対していたとしても，当該労働者が加入している労働組合との間で賃金を減額することを内容とする労働協約を締結すれば，賃金を減額することができることになります。　労働協約が締結されるに至った経緯，当時の会社の経営状態，同協約に定められた基準の全体としての合理性に照らし，同協約が特定の又は一部の組合員を殊更不利益に取り扱うことを目的として締結されたなど労働組合の目的を逸脱して締結されたものである場合には，その規範的効力を否定され（朝日海上火災保険（石堂・本訴）事件最高裁第一小法廷平成９年３月２７日判決），賃金減額の効力が生じませんが，例外的場面といえるでしょう。
　労働協約の規範的効力が及ぶ範囲は組合員との範囲と一致するため，労働協約締結後に組合員となった者にも労働協約の規範的効力が及びますが，労働組合を脱退した場合には労働協約の規範的効力が及ばなくなります。　したがって，労働協約による賃金減額の効力が及ぶのは，原則として労働協約を締結した労働組合の労働組合員に限られることになります。
　労働協約には，労働組合法１７条により，一の工場事業場の４分の３以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは，当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の規範的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められており，この要件を満たす場合には，賃金減額に反対する未組織の同種労働者に対しても労働協約の効力を及ぼし，賃金を減額することができます。　労働協約によって特定の未組織労働者にもたらされる不利益の程度・内容，労働協約が締結されるに至った経緯，当該労働者が労働組合の組合員資格を認められているかどうか等に照らし，当該労働協約を特定の未組織労働者に適用することが著しく不合理であると認められる特段の事情があるときは，労働協約の規範的効力を当該労働者に及ぼし，賃金を減額することはできません（朝日海上火災保険（高田）事件最高裁第三小法廷平成８年３月２６日判決）が，例外的場面といえるでしょう。　少数組合に加入している組合員に対しては，労組法１７条の一般的拘束力は及びません。　したがって，少数組合に加入している組合員の賃金を減額するためには，当該少数組合と労働協約を締結するか，就業規則を変更するか，個別同意を取る必要があります。　未組織組合員に一般的拘束力が及ばない場合に賃金を減額するためには，就業規則を変更するか，個別同意を取る必要があります。
　就業規則により賃金を減額する場合は，就業規則の不利益変更に該当するため，就業規則の変更が有効となるためには，以下のいずれかの場合である必要があります。①　労働者と合意して就業規則を変更したとき（労働契約法９条反対解釈）②　変更後の就業規則を周知させ，かつ，就業規則の変更が，労働者の受ける不利益の程度，労働条件の変更の必要性，変更後の就業規則の内容の相当性，労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき（労働契約法１０条）
　①に関し，「就業規則の不利益変更は，それに同意した労働者には同法９条によって拘束力が及び，反対した労働者には同法１０条によって拘束力が及ぶものとすることを同法は想定し，そして上記の趣旨からして，同法９条の合意があった場合，合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと解される。」（協愛事件大阪高裁平成２２年３月１８日判決）との見解が妥当と思われますが，労働者の同意があれば合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないとの見解に立ったとしても，合意の認定は慎重になされるのが通常であるため，最低限，書面による同意を取る必要があります。　労働者が就業規則の変更を提示されて異議を述べなかったといったことだけでは足りません。　特に，合理性を欠く就業規則の変更については，書面による同意を取ったとしても，労働者の同意があったとは認定されないリスクが高いでしょう。
　②に関し，賃金，退職金など労働者にとって重要な権利，労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については，当該条項が，そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において，その効力を生ずるとするのが最高裁判例です。　賃金の減額には高度の必要性が必要となります。
　具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約や事後に変更された就業規則の遡及適用により処分又は変更することは許されないとするのが最高裁判例です。
　社員から個別同意を取ることにより賃金減額をすることも考えられるが，個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約，就業規則が存在する場合には，それらの効力が個別合意に優先するため（労組法１６条，労働契約法１２条），個別合意により賃金を減額することはできません。　個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約，就業規則が存在しない場合は，個別合意により賃金を減額することができますが，賃金減額に対する同意の認定は慎重になされることが多いので，最低限，書面での同意を取っておく必要があります。　賃金減額に異議を述べずに勤務を続けたから黙示の同意があったと説明を受けることがありますが，賃金減額に異議を述べずに勤務を続けたという程度で，黙示の同意があったと認定してもらうのは難しいケースが多いというのが実情です。
　就業規則に一定額・割合以上の定期昇給を行う義務が定められている場合に定期昇給を凍結するためには，定期昇給を凍結する旨の労働協約を締結するか，定期昇給を凍結する旨就業規則の附則に定める等の就業規則の変更が必要となります。　労働協約を締結できず，定期昇給を凍結する旨の就業規則の変更に関し同意が得られない場合は，就業変更により一方的に労働条件の変更をせざるを得ませんが，その合理性（労働契約法１０条）の有無が問題となります。　就業規則に一定額・割合以上の定期昇給を行う義務が定められておらず，使用者に定期昇給の努力義務が課せられているに過ぎない場合は，定期昇給をしなくても法的問題はありません。　ベースアップは労使交渉により特段の決定がなされない限り行う必要がありません。
　個別労働契約，就業規則，労働協約で一定額・割合の賞与を支給する義務が定められていない場合には，使用者には賞与を支給する義務がないため，賞与不支給としても法的には問題がありません。　他方，一定額・割合の賞与を支給する義務が定められている場合は，賞与を支給する義務があります。　賞与を支給する義務がある場合に，就業規則の定めを変更して賞与不支給とする場合には，就業規則の不利益変更の問題となるため，その合理性の有無が問題となります。
　賃金規定で定められた諸手当の廃止，支給停止を行う場合は，賃金規定を変更したり，附則に支給を停止する旨定めたりする必要があり，就業規則の不利益変更の問題となります。
　年俸制を採用した場合に，年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができるか，次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しない場合における次年度の年俸額がどうなるかは，当該労働契約の解釈の問題です。　労働契約上明確にしておけば，原則としてそれに従うことになりますが，労働契約上明確でない場合は，年度途中で年俸額を一方的に引き下げることはできないケースが多い印象です。　次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しない場合における次年度の年俸額については，使用者の提示額を超えては請求できないとされた裁判例，前年度実績の年俸額を支給すべきものとされた裁判例等，様々な裁判例があります。
　会社の業績が悪いことを理由とした休業がなされた場合は，通常は使用者の責めに帰すべき事由があると言わざるを得ないため，平均賃金の６０％以上の休業手当（労基法２６条）を支払う必要があります。　休業手当の支給義務は，労働協約，就業規則，個別合意により排除することはできません（労基法１３条）。
　平均賃金の６０％の休業手当を支払う旨の労働協約が締結された場合には，当該労働組合の組合員については，平均賃金の６０％の休業手当を支払えば足ります。
　少数組合の組合員など，労働協約の効力が及ばない社員に対し，平均賃金の６０％の休業手当を超えて賃金を支払う必要があるかどうかについては，従来，民法５３６条２項の「使用者の責めに帰すべき事由」の存否の問題として争われてきました。　使用者が労働者の正当な（労働契約上の債務の本旨に従った）労務の提供の受領を明確に拒絶した場合（受領遅滞に当たる場合）に，その危険負担による反対給付債権を免れるためには，その受領拒絶に「合理的な理由がある」など正当な事由があることを主張立証すべきであり，その合理性の有無は，具体的には，使用者による休業によって労働者が被る不利益の内容・程度，使用者側の休業の実施の必要性の内容・程度，他の労働者や同一職場の就労者との均衡の有無・程度，労働組合等との事前・事後の説明・交渉の有無・内容，交渉の経緯，他の労働組合又は他の労働者の対応等を総合考慮して判断すべきものとされる（いすゞ自動車事件宇都宮地裁栃木支部平成２１年５月１２日判決）。　民法５３６条２項は任意規定であり，特約で排除することもできるため，就業規則において休業期間中は平均賃金の６０％の休業手当のみを支払う旨明確に定めておけば，これを超える賃金を支払う義務はないはずですが，就業規則の規定が有効となるためには合理性や周知性が必要となることもあり（労働契約法７条），事案によっては適用が制限されるリスクがないわけではありません。
　大多数の社員の理解を得られないまま休業を行った場合，会社経営に支障が生じる可能性が高いため，休業は，少なくとも多数派の同意を得てから行うべきでしょう。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　賃金減額の方法としては，①労働協約，②就業規則の変更，③個別同意によることが考えられます。</p>
<p>　労働組合との間で賃金に関する労働協約を締結した場合，それが組合員にとって有利であるか不利であるか，当該組合員が賛成したか反対したかを問わず，労働協約で定められた賃金額が労働契約で定められた賃金額に優先して適用されるのが原則です（労組法１６条）。<br />　したがって，労働者が賃金減額に反対していたとしても，当該労働者が加入している労働組合との間で賃金を減額することを内容とする労働協約を締結すれば，賃金を減額することができることになります。<br />　労働協約が締結されるに至った経緯，当時の会社の経営状態，同協約に定められた基準の全体としての合理性に照らし，同協約が特定の又は一部の組合員を殊更不利益に取り扱うことを目的として締結されたなど労働組合の目的を逸脱して締結されたものである場合には，その規範的効力を否定され（朝日海上火災保険（石堂・本訴）事件最高裁第一小法廷平成９年３月２７日判決），賃金減額の効力が生じませんが，例外的場面といえるでしょう。</p>
<p>　労働協約の規範的効力が及ぶ範囲は組合員との範囲と一致するため，労働協約締結後に組合員となった者にも労働協約の規範的効力が及びますが，労働組合を脱退した場合には労働協約の規範的効力が及ばなくなります。<br />　したがって，労働協約による賃金減額の効力が及ぶのは，原則として労働協約を締結した労働組合の労働組合員に限られることになります。</p>
<p>　労働協約には，労働組合法１７条により，一の工場事業場の４分の３以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは，当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の規範的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められており，この要件を満たす場合には，賃金減額に反対する未組織の同種労働者に対しても労働協約の効力を及ぼし，賃金を減額することができます。<br />　労働協約によって特定の未組織労働者にもたらされる不利益の程度・内容，労働協約が締結されるに至った経緯，当該労働者が労働組合の組合員資格を認められているかどうか等に照らし，当該労働協約を特定の未組織労働者に適用することが著しく不合理であると認められる特段の事情があるときは，労働協約の規範的効力を当該労働者に及ぼし，賃金を減額することはできません（朝日海上火災保険（高田）事件最高裁第三小法廷平成８年３月２６日判決）が，例外的場面といえるでしょう。<br />　少数組合に加入している組合員に対しては，労組法１７条の一般的拘束力は及びません。<br />　したがって，少数組合に加入している組合員の賃金を減額するためには，当該少数組合と労働協約を締結するか，就業規則を変更するか，個別同意を取る必要があります。<br />　未組織組合員に一般的拘束力が及ばない場合に賃金を減額するためには，就業規則を変更するか，個別同意を取る必要があります。</p>
<p>　就業規則により賃金を減額する場合は，就業規則の不利益変更に該当するため，就業規則の変更が有効となるためには，以下のいずれかの場合である必要があります。<br />①　労働者と合意して就業規則を変更したとき（労働契約法９条反対解釈）<br />②　変更後の就業規則を周知させ，かつ，就業規則の変更が，労働者の受ける不利益の程度，労働条件の変更の必要性，変更後の就業規則の内容の相当性，労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき（労働契約法１０条）</p>
<p>　①に関し，「就業規則の不利益変更は，それに同意した労働者には同法９条によって拘束力が及び，反対した労働者には同法１０条によって拘束力が及ぶものとすることを同法は想定し，そして上記の趣旨からして，同法９条の合意があった場合，合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと解される。」（協愛事件大阪高裁平成２２年３月１８日判決）との見解が妥当と思われますが，労働者の同意があれば合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないとの見解に立ったとしても，合意の認定は慎重になされるのが通常であるため，最低限，書面による同意を取る必要があります。<br />　労働者が就業規則の変更を提示されて異議を述べなかったといったことだけでは足りません。<br />　特に，合理性を欠く就業規則の変更については，書面による同意を取ったとしても，労働者の同意があったとは認定されないリスクが高いでしょう。</p>
<p>　②に関し，賃金，退職金など労働者にとって重要な権利，労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については，当該条項が，そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において，その効力を生ずるとするのが最高裁判例です。<br />　賃金の減額には高度の必要性が必要となります。</p>
<p>　具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約や事後に変更された就業規則の遡及適用により処分又は変更することは許されないとするのが最高裁判例です。</p>
<p>　社員から個別同意を取ることにより賃金減額をすることも考えられるが，個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約，就業規則が存在する場合には，それらの効力が個別合意に優先するため（労組法１６条，労働契約法１２条），個別合意により賃金を減額することはできません。<br />　個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約，就業規則が存在しない場合は，個別合意により賃金を減額することができますが，賃金減額に対する同意の認定は慎重になされることが多いので，最低限，書面での同意を取っておく必要があります。<br />　賃金減額に異議を述べずに勤務を続けたから黙示の同意があったと説明を受けることがありますが，賃金減額に異議を述べずに勤務を続けたという程度で，黙示の同意があったと認定してもらうのは難しいケースが多いというのが実情です。</p>
<p>　就業規則に一定額・割合以上の定期昇給を行う義務が定められている場合に定期昇給を凍結するためには，定期昇給を凍結する旨の労働協約を締結するか，定期昇給を凍結する旨就業規則の附則に定める等の就業規則の変更が必要となります。<br />　労働協約を締結できず，定期昇給を凍結する旨の就業規則の変更に関し同意が得られない場合は，就業変更により一方的に労働条件の変更をせざるを得ませんが，その合理性（労働契約法１０条）の有無が問題となります。<br />　就業規則に一定額・割合以上の定期昇給を行う義務が定められておらず，使用者に定期昇給の努力義務が課せられているに過ぎない場合は，定期昇給をしなくても法的問題はありません。<br /><br />　ベースアップは労使交渉により特段の決定がなされない限り行う必要がありません。</p>
<p>　個別労働契約，就業規則，労働協約で一定額・割合の賞与を支給する義務が定められていない場合には，使用者には賞与を支給する義務がないため，賞与不支給としても法的には問題がありません。<br />　他方，一定額・割合の賞与を支給する義務が定められている場合は，賞与を支給する義務があります。<br />　賞与を支給する義務がある場合に，就業規則の定めを変更して賞与不支給とする場合には，就業規則の不利益変更の問題となるため，その合理性の有無が問題となります。</p>
<p>　賃金規定で定められた諸手当の廃止，支給停止を行う場合は，賃金規定を変更したり，附則に支給を停止する旨定めたりする必要があり，就業規則の不利益変更の問題となります。</p>
<p>　年俸制を採用した場合に，年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができるか，次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しない場合における次年度の年俸額がどうなるかは，当該労働契約の解釈の問題です。<br />　労働契約上明確にしておけば，原則としてそれに従うことになりますが，労働契約上明確でない場合は，年度途中で年俸額を一方的に引き下げることはできないケースが多い印象です。<br />　次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しない場合における次年度の年俸額については，使用者の提示額を超えては請求できないとされた裁判例，前年度実績の年俸額を支給すべきものとされた裁判例等，様々な裁判例があります。</p>
<p>　会社の業績が悪いことを理由とした休業がなされた場合は，通常は使用者の責めに帰すべき事由があると言わざるを得ないため，平均賃金の６０％以上の休業手当（労基法２６条）を支払う必要があります。<br />　休業手当の支給義務は，労働協約，就業規則，個別合意により排除することはできません（労基法１３条）。</p>
<p>　平均賃金の６０％の休業手当を支払う旨の労働協約が締結された場合には，当該労働組合の組合員については，平均賃金の６０％の休業手当を支払えば足ります。</p>
<p>　少数組合の組合員など，労働協約の効力が及ばない社員に対し，平均賃金の６０％の休業手当を超えて賃金を支払う必要があるかどうかについては，従来，民法５３６条２項の「使用者の責めに帰すべき事由」の存否の問題として争われてきました。<br />　使用者が労働者の正当な（労働契約上の債務の本旨に従った）労務の提供の受領を明確に拒絶した場合（受領遅滞に当たる場合）に，その危険負担による反対給付債権を免れるためには，その受領拒絶に「合理的な理由がある」など正当な事由があることを主張立証すべきであり，その合理性の有無は，具体的には，使用者による休業によって労働者が被る不利益の内容・程度，使用者側の休業の実施の必要性の内容・程度，他の労働者や同一職場の就労者との均衡の有無・程度，労働組合等との事前・事後の説明・交渉の有無・内容，交渉の経緯，他の労働組合又は他の労働者の対応等を総合考慮して判断すべきものとされる（いすゞ自動車事件宇都宮地裁栃木支部平成２１年５月１２日判決）。<br />　民法５３６条２項は任意規定であり，特約で排除することもできるため，就業規則において休業期間中は平均賃金の６０％の休業手当のみを支払う旨明確に定めておけば，これを超える賃金を支払う義務はないはずですが，就業規則の規定が有効となるためには合理性や周知性が必要となることもあり（労働契約法７条），事案によっては適用が制限されるリスクがないわけではありません。</p>
<p>　大多数の社員の理解を得られないまま休業を行った場合，会社経営に支障が生じる可能性が高いため，休業は，少なくとも多数派の同意を得てから行うべきでしょう。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m26.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>虚偽の内部告発をして，会社の名誉・信用を毀損する。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m25.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m25.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:31:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2732</guid>
		<description><![CDATA[
　労働契約上，社員は，会社の名誉信用等を害して職場秩序に悪影響を与え，業務の正常な運営を妨げるような行為をしない義務を負っていると考えられますが，それを明確にするために，その旨，就業規則に規定しておくべきです。
　虚偽の内部告発については，その程度に応じて，注意，指導，懲戒処分を検討することになりますが，公益通報者保護法，言論表現の自由との関係を検討する必要があります。
　公益通報者保護法との関係では，①　公益通報をしたことを理由とする解雇の無効（３条）②　公益通報をしたことを理由とする労働者派遣契約の解除の無効（４条）③　公益通報をしたことを理由とする不利益取扱いの禁止（５条）が問題となります。　これらは，公益通報をしたことを理由とする解雇，労働者派遣契約の解除，不利益取扱いを禁止するものに過ぎず，公益通報をしたからといって，公益通報をしたこと以外の事実を理由とする解雇，労働者派遣契約の解除，不利益処分ができなくなるわけではありません。
　「不正の利益を得る目的，他人に損害を加える目的その他の不正の目的」を有する内部告発は「公益通報」（２条）に該当しないため，公益通報者保護法では保護されません。
　公益通報者保護法が保護の対象とする同法２条３項所定の「通報対象事実」とは，刑法，食品衛生法，証券取引法，個人情報保護法等の同法２条別表に掲記の通報対象法律において犯罪行為として規定されている事実と犯罪行為と関連する法令違反行為として規定されている事実に限定されており，通報対象法律以外の法律に規定された犯罪行為やその犯罪行為と関連する法令違反行為の事実，通報対象法律において最終的にその実効性が刑罰により担保されていない規定に違反する行為の事実は該当しません。　公益通報者保護法の保護を受けようとする社員は，その法令違反行為が，いかなる通報対象法律において犯罪行為として規定される事実と関連する法令違反行為であるのかを明らかにする必要があります。
　「当該労務提供先等に対する公益通報」（勤務先，派遣先等に対する公益通報）が保護されるためには，「通報対象事実が生じ，又はまさに生じようとしていると思料する場合」であれば足ります。　「当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関に対する公益通報」が保護されるためには，「通報対象事実が生じ，又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合」である必要があります。　「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する公益通報」（マスコミ等に対する公益通報）が保護されるためには，「通報対象事実が生じ，又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり，かつ，次のいずれかに該当する場合」であることが必要となります。①　労務提供先等，行政機関等に公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合②　労務提供先等に公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され，偽造され，又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合③　労務提供先等から労務提供先等，行政機関等に対する公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合④　書面により勤務先等に対する公益通報をした日から２０日を経過しても，当該通報対象事実について，当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合又は当該労務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わない場合⑤　個人の生命又は身体に危害が発生し，又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合
　公益通報者保護法が保護の対象とならない内部告発についても，言論表現の自由との関係で保護されることがあります。①　内部告発事実（根幹的部分）が真実ないしは原告が真実と信ずるにつき相当の理由があるか否か（「真実ないし真実相当性」）②　その目的が公益性を有している否か（「目的の公益性」）③　労働者が企業内で不正行為の是正に努力したものの改善されないなど手段・態様が目的達成のために必要かつ相当なものであるか否か（「手段・態様の相当性」）を総合考慮して，当該内部告発が正当と認められる場合には，仮にその告発事実が誠実義務等を定めた就業規則の規定に違反する場合であっても，その違法性は阻却されるとする裁判例があります（学校法人田中千代学園事件東京地裁平成２３年１月２８日判決）。
　公益通報者保護法の適用がない場合であっても，正当な内部告発を理由とする懲戒処分等は無効となり，正当な内部告発に対する注意・指導については不当なものと評価されることになります。　場合によっては，これらが不法行為法上において違法と評価されるリスクも生じかねません。
　内部告発が正当なものとはいえなかったとしても，出向命令権濫用法理（労働契約法１４条），懲戒権濫用法理（同法１５条），解雇権濫用法理（同法１６条）が適用されるため，直ちに出向命令，懲戒処分，解雇が有効となるわけではないことには注意が必要です。　原則どおり，これらの法理の有効要件を満たすか検討する必要があります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労働契約上，社員は，会社の名誉信用等を害して職場秩序に悪影響を与え，業務の正常な運営を妨げるような行為をしない義務を負っていると考えられますが，それを明確にするために，その旨，就業規則に規定しておくべきです。</p>
<p>　虚偽の内部告発については，その程度に応じて，注意，指導，懲戒処分を検討することになりますが，公益通報者保護法，言論表現の自由との関係を検討する必要があります。</p>
<p>　公益通報者保護法との関係では，<br />①　公益通報をしたことを理由とする解雇の無効（３条）<br />②　公益通報をしたことを理由とする労働者派遣契約の解除の無効（４条）<br />③　公益通報をしたことを理由とする不利益取扱いの禁止（５条）<br />が問題となります。<br />　これらは，公益通報をしたことを理由とする解雇，労働者派遣契約の解除，不利益取扱いを禁止するものに過ぎず，公益通報をしたからといって，公益通報をしたこと以外の事実を理由とする解雇，労働者派遣契約の解除，不利益処分ができなくなるわけではありません。</p>
<p>　「不正の利益を得る目的，他人に損害を加える目的その他の不正の目的」を有する内部告発は「公益通報」（２条）に該当しないため，公益通報者保護法では保護されません。</p>
<p>　公益通報者保護法が保護の対象とする同法２条３項所定の「通報対象事実」とは，刑法，食品衛生法，証券取引法，個人情報保護法等の同法２条別表に掲記の通報対象法律において犯罪行為として規定されている事実と犯罪行為と関連する法令違反行為として規定されている事実に限定されており，通報対象法律以外の法律に規定された犯罪行為やその犯罪行為と関連する法令違反行為の事実，通報対象法律において最終的にその実効性が刑罰により担保されていない規定に違反する行為の事実は該当しません。<br />　公益通報者保護法の保護を受けようとする社員は，その法令違反行為が，いかなる通報対象法律において犯罪行為として規定される事実と関連する法令違反行為であるのかを明らかにする必要があります。</p>
<p>　「当該労務提供先等に対する公益通報」（勤務先，派遣先等に対する公益通報）が保護されるためには，「通報対象事実が生じ，又はまさに生じようとしていると思料する場合」であれば足ります。<br />　「当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関に対する公益通報」が保護されるためには，「通報対象事実が生じ，又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合」である必要があります。<br />　「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する公益通報」（マスコミ等に対する公益通報）が保護されるためには，「通報対象事実が生じ，又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり，かつ，次のいずれかに該当する場合」であることが必要となります。<br />①　労務提供先等，行政機関等に公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合<br />②　労務提供先等に公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され，偽造され，又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合<br />③　労務提供先等から労務提供先等，行政機関等に対する公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合<br />④　書面により勤務先等に対する公益通報をした日から２０日を経過しても，当該通報対象事実について，当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合又は当該労務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わない場合<br />⑤　個人の生命又は身体に危害が発生し，又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合</p>
<p>　公益通報者保護法が保護の対象とならない内部告発についても，言論表現の自由との関係で保護されることがあります。<br />①　内部告発事実（根幹的部分）が真実ないしは原告が真実と信ずるにつき相当の理由があるか否か（「真実ないし真実相当性」）<br />②　その目的が公益性を有している否か（「目的の公益性」）<br />③　労働者が企業内で不正行為の是正に努力したものの改善されないなど手段・態様が目的達成のために必要かつ相当なものであるか否か（「手段・態様の相当性」）<br />を総合考慮して，当該内部告発が正当と認められる場合には，仮にその告発事実が誠実義務等を定めた就業規則の規定に違反する場合であっても，その違法性は阻却されるとする裁判例があります（学校法人田中千代学園事件東京地裁平成２３年１月２８日判決）。</p>
<p>　公益通報者保護法の適用がない場合であっても，正当な内部告発を理由とする懲戒処分等は無効となり，正当な内部告発に対する注意・指導については不当なものと評価されることになります。<br />　場合によっては，これらが不法行為法上において違法と評価されるリスクも生じかねません。</p>
<p>　内部告発が正当なものとはいえなかったとしても，出向命令権濫用法理（労働契約法１４条），懲戒権濫用法理（同法１５条），解雇権濫用法理（同法１６条）が適用されるため，直ちに出向命令，懲戒処分，解雇が有効となるわけではないことには注意が必要です。<br />　原則どおり，これらの法理の有効要件を満たすか検討する必要があります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m25.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>派手な化粧・露出度の高い服装で出社する。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m24.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m24.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 06:25:18 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2727</guid>
		<description><![CDATA[
　化粧・服装等の身だしなみは，本来，私的領域に属する問題ですが，職場では労働契約上の制約を受けます。　使用者は，化粧・服装等の身だしなみに関し規律を定めることができ，それが職種や業務内容に照らし必要かつ合理的なものである場合には，社員はその規律に従う義務を負うことになります。
　化粧・服装等の身だしなみの問題は，基本的には注意，指導して改善させるべき問題です。　業務遂行にどのような支障が生じるのか，よく説明して指導する必要があります。
　長期間，派手な化粧・露出度の高い服装での出社を認めてきた職場で注意しても，素直に指示に従ってもらえないことが多いというのが実情です。　問題を把握したら，早期かつ平等に対処することが重要です。
　どのように指導するかということだけでなく，誰が指導するかということも重要です。　あの上司の言うことなら聞くが，この上司の言うことは聞きたくないということもあり得ます。　直属の上司の指導力が不足している場合は，直属の上司に任せきりにせず，組織として対応すべきです。
　男性の上司が女性の身だしなみについて指導する場合，指導をセクハラだと言われることがありますが，職種や業務内容に照らして必要かつ合理的な身だしなみの指導はセクハラではありません。　ただし，普段，性的な事柄に関しふざけた発言を繰り返しているような上司が指導しても，納得してもらいにくいという事実上の問題はあるかもしれません。　一概には言えませんが，女性の上司・先輩が指導した方がうまくいくこともあります。　上司の指導をパワハラと言い出す社員もいますが，職種や業務内容に照らして必要かつ合理的な身だしなみの指導はパワハラではありません。
　口頭で注意，指導しても改善しない場合は，書面で注意，指導することになります。　書面で注意指導しても改善しない場合には，懲戒処分を検討せざるを得ませんが，職場秩序を乱した程度と懲戒処分の重さのバランスに気をつける必要があります。　特に解雇は慎重に行うようにして下さい。　余程の事情がない限り，解雇は無効とされるリスクが高いというのが実情です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　化粧・服装等の身だしなみは，本来，私的領域に属する問題ですが，職場では労働契約上の制約を受けます。<br />　使用者は，化粧・服装等の身だしなみに関し規律を定めることができ，それが職種や業務内容に照らし必要かつ合理的なものである場合には，社員はその規律に従う義務を負うことになります。</p>
<p>　化粧・服装等の身だしなみの問題は，基本的には注意，指導して改善させるべき問題です。<br />　業務遂行にどのような支障が生じるのか，よく説明して指導する必要があります。</p>
<p>　長期間，派手な化粧・露出度の高い服装での出社を認めてきた職場で注意しても，素直に指示に従ってもらえないことが多いというのが実情です。<br />　問題を把握したら，早期かつ平等に対処することが重要です。</p>
<p>　どのように指導するかということだけでなく，誰が指導するかということも重要です。<br />　あの上司の言うことなら聞くが，この上司の言うことは聞きたくないということもあり得ます。<br />　直属の上司の指導力が不足している場合は，直属の上司に任せきりにせず，組織として対応すべきです。</p>
<p>　男性の上司が女性の身だしなみについて指導する場合，指導をセクハラだと言われることがありますが，職種や業務内容に照らして必要かつ合理的な身だしなみの指導はセクハラではありません。<br />　ただし，普段，性的な事柄に関しふざけた発言を繰り返しているような上司が指導しても，納得してもらいにくいという事実上の問題はあるかもしれません。<br />　一概には言えませんが，女性の上司・先輩が指導した方がうまくいくこともあります。<br />　上司の指導をパワハラと言い出す社員もいますが，職種や業務内容に照らして必要かつ合理的な身だしなみの指導はパワハラではありません。</p>
<p>　口頭で注意，指導しても改善しない場合は，書面で注意，指導することになります。<br />　書面で注意指導しても改善しない場合には，懲戒処分を検討せざるを得ませんが，職場秩序を乱した程度と懲戒処分の重さのバランスに気をつける必要があります。<br />　特に解雇は慎重に行うようにして下さい。<br />　余程の事情がない限り，解雇は無効とされるリスクが高いというのが実情です。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m24.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>労基署に相談してから解雇を行えば，裁判にも勝てますよね？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/189.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/189.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 30 Dec 2011 08:08:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2296</guid>
		<description><![CDATA[
　自社の社員を解雇するに当たり，解雇手続について労基署に相談をしてから，解雇する会社があります。　誰にも相談せずに解雇するよりはいいことだと思いますが，労基署（行政機関）は裁判になった場合，民事上，解雇が有効となるかどうかまで決めてくれるわけではありません。　解雇の有効性を判断する最終的な権限があるのは裁判所（司法機関）だけですから，労基署に相談してから解雇を行ったとしても，直ちに裁判にも勝てることにはなりません。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　自社の社員を解雇するに当たり，解雇手続について労基署に相談をしてから，解雇する会社があります。<br />　誰にも相談せずに解雇するよりはいいことだと思いますが，労基署（行政機関）は裁判になった場合，民事上，解雇が有効となるかどうかまで決めてくれるわけではありません。<br />　解雇の有効性を判断する最終的な権限があるのは裁判所（司法機関）だけですから，労基署に相談してから解雇を行ったとしても，直ちに裁判にも勝てることにはなりません。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/189.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>心理的負荷による精神障害が労災認定されるかどうかは，行政レベルでは何を基準に判断されるのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/188.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/188.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 30 Dec 2011 07:43:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2293</guid>
		<description><![CDATA[
　心理的負荷による精神障害が労災認定されるかどうかは，行政レベルでは，平成２３年１２月２６日付け基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準」により判断されます。　従来，心理的負荷による精神障害に関し，業務上外の認定に使用されてきた平成１１年９月１４日付け基発第５４４号「心理的負荷による精神障害の業務上外に係る判断指針」は，上記通達の施行に伴い，廃止されました。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　心理的負荷による精神障害が労災認定されるかどうかは，行政レベルでは，<a title="心理的負荷による精神障害の認定基準" href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf">平成２３年１２月２６日付け基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準」</a>により判断されます。<br />　従来，心理的負荷による精神障害に関し，業務上外の認定に使用されてきた平成１１年９月１４日付け基発第５４４号「心理的負荷による精神障害の業務上外に係る判断指針」は，上記通達の施行に伴い，廃止されました。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/188.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>解雇が強行法規違反で無効になる場合には，どのようなものがありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/187.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/187.html#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 29 Dec 2011 07:09:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2270</guid>
		<description><![CDATA[
　解雇が強行法規違反で無効になる場合には，以下のような規定に違反した場合が挙げられます。①　国籍，信条又は社会的身分による差別的取扱いの禁止（労基法３条）②　公民権行使を理由とする解雇の禁止（労基法７条）③　業務上の負傷・疾病の休業期間等，産前産後休業期間等の解雇制限（労基法１９条）④　性別を理由とする差別的取扱いの禁止（男女雇用機会均等法６条４号）⑤　婚姻，妊娠，出産，産前産後休業を理由する不利益取扱いの禁止（男女雇用機会均等法９条）⑥　育児休業，介護休業，子の看護休暇，所定外労働の制限，時間外労働の制限，深夜業の制限，所定労働時間の短縮措置の申出等を理由とする不利益取扱いの禁止（育児介護休業法１０条，１６条，１６条の４，１６条の９，１８条の２，２０条の２，２３条の２）⑦　通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止（パートタイム労働法８条）⑧　都道府県労働局長に対し個別労働関係紛争解決の援助を求めたこと，あっせんを申請したことを理由とする不利益取扱いの禁止（個別労働関係紛争解決促進法４条，５条）⑨　公益通報したことを理由とする解雇の無効（公益通報者保護法３条）⑩　不当労働行為の禁止（労働組合法７条）
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　解雇が強行法規違反で無効になる場合には，以下のような規定に違反した場合が挙げられます。<br />①　国籍，信条又は社会的身分による差別的取扱いの禁止（労基法３条）<br />②　公民権行使を理由とする解雇の禁止（労基法７条）<br />③　業務上の負傷・疾病の休業期間等，産前産後休業期間等の解雇制限（労基法１９条）<br />④　性別を理由とする差別的取扱いの禁止（男女雇用機会均等法６条４号）<br />⑤　婚姻，妊娠，出産，産前産後休業を理由する不利益取扱いの禁止（男女雇用機会均等法９条）<br />⑥　育児休業，介護休業，子の看護休暇，所定外労働の制限，時間外労働の制限，深夜業の制限，所定労働時間の短縮措置の申出等を理由とする不利益取扱いの禁止（育児介護休業法１０条，１６条，１６条の４，１６条の９，１８条の２，２０条の２，２３条の２）<br />⑦　通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止（パートタイム労働法８条）<br />⑧　都道府県労働局長に対し個別労働関係紛争解決の援助を求めたこと，あっせんを申請したことを理由とする不利益取扱いの禁止（個別労働関係紛争解決促進法４条，５条）<br />⑨　公益通報したことを理由とする解雇の無効（公益通報者保護法３条）<br />⑩　不当労働行為の禁止（労働組合法７条）</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/187.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行う必要がある場合，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うことができますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/186.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/186.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 17 Dec 2011 14:49:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2174</guid>
		<description><![CDATA[
　「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」（労基法９１条）とは，一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が，当該賃金支払期における賃金の総額の１０分の１以下でなければならないという意味と考えられています（昭和２３年９月８日基収第１７８９号）。　したがって，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行う必要がある場合，一賃金支払期ごとには賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行うことはできませんが，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うのであれば，これを行うことができることになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」（労基法９１条）とは，一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が，当該賃金支払期における賃金の総額の１０分の１以下でなければならないという意味と考えられています（昭和２３年９月８日基収第１７８９号）。<br />　したがって，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行う必要がある場合，一賃金支払期ごとには賃金の総額の１０分の１を超えて減給処分を行うことはできませんが，一賃金支払期における賃金の総額の１０分の１を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うのであれば，これを行うことができることになります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/186.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>問題を起こした社員がいたので，６か月に渡り減給処分１０％としようと思いますが，法的に問題がありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/185.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/185.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 17 Dec 2011 13:36:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2166</guid>
		<description><![CDATA[
　労基法９１条は，「就業規則で，労働者に対して減給の制裁を定める場合においては，その減給は，一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え，総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定しています。　そして，労基法９１条は，同条の制限に違反する減給の制裁を就業規則に定めることを禁止するのみならず，同条の制限に違反して減給することをも禁止しているものと考えられますから，同条の制限を超える減給処分は無効となります。　「６か月に渡り減給処分１０％」という処分は，通常は「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え」ていると考えられますので，労基法９１条に違反し無効となり，３０万円以下の罰金に処せられることになります（労基法１２０条１号）。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法９１条は，「就業規則で，労働者に対して減給の制裁を定める場合においては，その減給は，一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え，総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定しています。<br />　そして，労基法９１条は，同条の制限に違反する減給の制裁を就業規則に定めることを禁止するのみならず，同条の制限に違反して減給することをも禁止しているものと考えられますから，同条の制限を超える減給処分は無効となります。<br />　「６か月に渡り減給処分１０％」という処分は，通常は「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え」ていると考えられますので，労基法９１条に違反し無効となり，３０万円以下の罰金に処せられることになります（労基法１２０条１号）。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/185.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>「常時１０人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが（労基法８９条），労働者の人数は企業単位，事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/184.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/184.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Dec 2011 01:55:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2156</guid>
		<description><![CDATA[
　「常時１０人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが（労基法８９条），常時使用する労働者の人数は企業単位，事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか？　これは，例えば，ある企業が，Ａ事業場で７名，Ｂ事業場で７名の労働者を常時使用しているような場合に問題となります。
　この点に関しては，反対説もありますが，労基法が事業に使用される労働者に適用されるものであること，労基法９０条が就業規則の作成変更の際の意見聴取を事業場単位で行うものとしていることから，常時使用する労働者の人数は事業場単位で考えるのが一般です。　したがって，上記事例では，Ａ事業場とＢ事業場がそれぞれ独立した事業場の場合，いずれの事業場についても，就業規則の作成義務はないことになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　「常時１０人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが（労基法８９条），常時使用する労働者の人数は企業単位，事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか？<br />　これは，例えば，ある企業が，Ａ事業場で７名，Ｂ事業場で７名の労働者を常時使用しているような場合に問題となります。</p>
<p>　この点に関しては，反対説もありますが，労基法が事業に使用される労働者に適用されるものであること，労基法９０条が就業規則の作成変更の際の意見聴取を事業場単位で行うものとしていることから，常時使用する労働者の人数は事業場単位で考えるのが一般です。<br />　したがって，上記事例では，Ａ事業場とＢ事業場がそれぞれ独立した事業場の場合，いずれの事業場についても，就業規則の作成義務はないことになります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/184.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>労働審判の答弁書において申立人の主張を否認する場合，否認の理由を記載する必要がありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/183.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/183.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Dec 2011 01:31:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2150</guid>
		<description><![CDATA[
　民事訴訟では，答弁書その他の準備書面において，相手方の主張する事実を否認する場合には，その理由を記載しなければならないとされています（民訴規則７９条３項）。　審理充実の観点から否認の理由を答弁書に記載すべき要請は労働審判においても変わりませんので，労働審判の答弁書においても否認の理由を記載すべきでしょう。　少なくとも，重要な事実の否認については，それなりの理由を記載すべきです。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　民事訴訟では，答弁書その他の準備書面において，相手方の主張する事実を否認する場合には，その理由を記載しなければならないとされています（民訴規則７９条３項）。<br />　審理充実の観点から否認の理由を答弁書に記載すべき要請は労働審判においても変わりませんので，労働審判の答弁書においても否認の理由を記載すべきでしょう。<br />　少なくとも，重要な事実の否認については，それなりの理由を記載すべきです。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/183.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>労働審判の答弁書では，「答弁を基礎付ける具体的な事実」（労働審判規則１６条１項３号）の記載が求められていますが，この項目には具体的に何を書けばいいのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/182.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/182.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Dec 2011 01:13:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2142</guid>
		<description><![CDATA[
労働審判の答弁書の「答弁を基礎付ける具体的な事実」（労働審判規則１６条１項３号）の項目には，解雇，弁済等の抗弁事実を記載することになります（『労働事件審理ノート』）。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>労働審判の答弁書の「答弁を基礎付ける具体的な事実」（労働審判規則１６条１項３号）の項目には，解雇，弁済等の抗弁事実を記載することになります（『労働事件審理ノート』）。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/182.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>毎月一定額の基本給と成績に応じた出来高払の給料がある場合，割増賃金の基礎となる賃金はどのように計算すればよいのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/181.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/181.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 06:19:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2107</guid>
		<description><![CDATA[
　毎月一定額の基本給と成績に応じた出来高払の給料がある場合，割増賃金の基礎となる賃金は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項７号・４号・６号）。　割増賃金の基礎となる賃金＝基本給÷一年間における一月平均所定労働時間数　＋出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　毎月一定額の基本給と成績に応じた出来高払の給料がある場合，割増賃金の基礎となる賃金は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項７号・４号・６号）。<br />　割増賃金の基礎となる賃金<br />＝基本給÷一年間における一月平均所定労働時間数<br />　＋出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数<!-- /A-box --><!-- /content --></p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/181.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>出来高払制の場合にも残業代を支払う必要がありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/180.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/180.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 06:09:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2104</guid>
		<description><![CDATA[
　出来高払の給料は，除外賃金（労基法３７条５項・労基則２１条）に該当しませんので，出来高払制の場合であっても，残業をすれば残業代を支払う必要があります。　この場合の割増賃金の基礎となる賃金の計算は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項６号）。　出来高払制における割増賃金の基礎となる賃金＝出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　出来高払の給料は，除外賃金（労基法３７条５項・労基則２１条）に該当しませんので，出来高払制の場合であっても，残業をすれば残業代を支払う必要があります。<br />　この場合の割増賃金の基礎となる賃金の計算は，以下の計算式により算出されます（労基則１９条１項６号）。<br />　出来高払制における割増賃金の基礎となる賃金<br />＝出来高払制によって計算された賃金の総額÷当該賃金算定期間における総労働時間数</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/180.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>労基法２７条に違反して保障給が定められていない場合，保障給の支払義務はありますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/179.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/179.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 05:33:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2098</guid>
		<description><![CDATA[
　労基法２７条は保障給の額については何ら規定していませんので，保障給の定めがない場合は，民事上，労働者は，同条に基づいて保障給の支払を請求することはできないと考えられ，使用者は同条に基づく保障給の支払義務を負うものではないと考えられます。　労働者から請求を受けるとすれば，保障給相当額の損害賠償請求か，労働時間に応じた最低賃金の請求あたりではないでしょうか。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法２７条は保障給の額については何ら規定していませんので，保障給の定めがない場合は，民事上，労働者は，同条に基づいて保障給の支払を請求することはできないと考えられ，使用者は同条に基づく保障給の支払義務を負うものではないと考えられます。<br />　労働者から請求を受けるとすれば，保障給相当額の損害賠償請求か，労働時間に応じた最低賃金の請求あたりではないでしょうか。</p>
<!-- /A-box --><!-- /content -->]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/179.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>給料を完全出来高払制にすることはできますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/178.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/178.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 05:25:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2094</guid>
		<description><![CDATA[
　労基法２７条は，「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については，使用者は，労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」としており，本条に違反して賃金の保障をしない使用者は，３０万円以下の罰金に処せられます（労基法１２０条１号）。　したがって，労働者の給料を，全く保障給がないという意味での完全出来高払制にすることはできません。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法２７条は，「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については，使用者は，労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」としており，本条に違反して賃金の保障をしない使用者は，３０万円以下の罰金に処せられます（労基法１２０条１号）。<br />　したがって，労働者の給料を，全く保障給がないという意味での完全出来高払制にすることはできません。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/178.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>契約期間３年の契約社員が勤務開始１年半で辞めたいと言い出し，退職届を提出してきました。退職を拒絶することはできますか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/177.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/177.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2011 05:08:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=2090</guid>
		<description><![CDATA[
　労基法１３７条は，所定の措置が講じられるまでの間は，労働者は，１年を超える契約期間を定めた場合であっても，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等を除き，契約期間の初日から１年を経過した日以後は，いつでも退職できるものとしています。　このＦＡＱを執筆している時点では，所定の措置は講じられていませんので，貴社の契約社員が，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等に該当する場合を除き，契約期間中の退職であっても，拒絶することはできないことになります。
 
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労基法１３７条は，所定の措置が講じられるまでの間は，労働者は，１年を超える契約期間を定めた場合であっても，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等を除き，契約期間の初日から１年を経過した日以後は，いつでも退職できるものとしています。<br />　このＦＡＱを執筆している時点では，所定の措置は講じられていませんので，貴社の契約社員が，一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの，労基法１４条１項１号２号の専門的な知識等を有する労働者等に該当する場合を除き，契約期間中の退職であっても，拒絶することはできないことになります。</p>
<p> </p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/177.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>社外の合同労組に加入して団体交渉を求めてきたり，会社オフィスの前でビラ配りしたりする。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m23.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m23.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Sep 2011 14:25:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1901</guid>
		<description><![CDATA[
　社内の過半数組合との間でユニオン・ショップ協定（雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず，加入しないときは使用者においてこれを解雇するという協定）が締結されている会社の場合，ユニオン・ショップ協定を理由に，社内の労働組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を解雇することができないか検討したくなるかもしれませんが，「ユニオン・ショップ協定のうち，締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが，他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は，右の観点からして，民法９０条の規定により，これを無効と解すべきである（憲法２８条参照）。」とするのが最高裁判例（三井倉庫港運事件最高裁第一小法廷平成元年１２月１４日判決）ですので，ユニオン・ショップ協定を理由に，当該社員を解雇することはできません。
　社外の合同労組からの団体交渉申入れであっても，原則として応じる必要があります。　社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定（唯一交渉団体条項）のある労働協約が締結されていたとしても，団体交渉拒否の正当な理由とはならず，団交拒否は不当労働行為となります。
　会社オフィス付近での街宣活動が正当な組合活動と評価される場合には，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等をすることはできません。　他方，正当な組合活動を逸脱するようなものについては，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等が認められることになります。
　施設管理権との関係では，労働組合またはその組合員が，使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは，原則として使用者の施設管理権を不当に侵害するものであり，正当な組合活動とはいえません。　他方，会社敷地内での組合活動であっても，一般人が自由に立ち入ることができる格別会社の職場秩序が乱されるおそれのない場所での組合活動は，使用者の施設管理権を不当に侵害するものとはいえないと評価されることになります。　会社オフィス前でのビラ配りは，使用者の施設管理権を不当に侵害するとはいえないのが通常です。
　組合活動としてなされる文書活動であっても，虚偽の事実や誤解を与えかねない事実を記載して，会社の利益を不当に侵害したり，名誉，信用を毀損，失墜させたり，あるいは企業の円滑な運営に支障を来たしたりするような場合には，組合活動として正当性の範囲を逸脱すると評価することができ，懲戒処分，損害賠償請求等の対象となります。　したがって，ビラ配りがなされた場合は，ビラの内容をチェックし，対応を検討すべきこととなります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　社内の過半数組合との間でユニオン・ショップ協定（雇われた以上は特定の組合に加入せねばならず，加入しないときは使用者においてこれを解雇するという協定）が締結されている会社の場合，ユニオン・ショップ協定を理由に，社内の労働組合を脱退して社外の合同労組に加入した社員を解雇することができないか検討したくなるかもしれませんが，「ユニオン・ショップ協定のうち，締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが，他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は，右の観点からして，民法９０条の規定により，これを無効と解すべきである（憲法２８条参照）。」とするのが最高裁判例（三井倉庫港運事件最高裁第一小法廷平成元年１２月１４日判決）ですので，ユニオン・ショップ協定を理由に，当該社員を解雇することはできません。</p>
<p>　社外の合同労組からの団体交渉申入れであっても，原則として応じる必要があります。<br />　社内組合が唯一の交渉団体である旨の規定（唯一交渉団体条項）のある労働協約が締結されていたとしても，団体交渉拒否の正当な理由とはならず，団交拒否は不当労働行為となります。</p>
<p>　会社オフィス付近での街宣活動が正当な組合活動と評価される場合には，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等をすることはできません。<br />　他方，正当な組合活動を逸脱するようなものについては，懲戒処分，差止請求，損害賠償請求等が認められることになります。</p>
<p>　施設管理権との関係では，労働組合またはその組合員が，使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは，原則として使用者の施設管理権を不当に侵害するものであり，正当な組合活動とはいえません。<br />　他方，会社敷地内での組合活動であっても，一般人が自由に立ち入ることができる格別会社の職場秩序が乱されるおそれのない場所での組合活動は，使用者の施設管理権を不当に侵害するものとはいえないと評価されることになります。<br />　会社オフィス前でのビラ配りは，使用者の施設管理権を不当に侵害するとはいえないのが通常です。</p>
<p>　組合活動としてなされる文書活動であっても，虚偽の事実や誤解を与えかねない事実を記載して，会社の利益を不当に侵害したり，名誉，信用を毀損，失墜させたり，あるいは企業の円滑な運営に支障を来たしたりするような場合には，組合活動として正当性の範囲を逸脱すると評価することができ，懲戒処分，損害賠償請求等の対象となります。<br />　したがって，ビラ配りがなされた場合は，ビラの内容をチェックし，対応を検討すべきこととなります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m23.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m22.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m22.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 16 Sep 2011 14:23:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1899</guid>
		<description><![CDATA[
　高年齢者雇用安定法９条１項は，６５歳未満の定年の定めをしている事業主に対し，その雇用する高年齢者の６５歳までの安定した雇用を確保するため，①　定年の引上げ②　継続雇用制度（現に雇用している高年齢者が希望するときは，当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。）の導入③　定年の定めの廃止のいずれかの措置（高年齢者雇用確保措置）を講じなければならないとしています。　そして同条第２項において，過半数組合又は過半数代表者との間の書面による協定により，②継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めることができる旨規定されています。※　平成２２年４月１日から平成２５年３月３１日までは，上記「６５歳」を「６４歳」と読み替えることになるため（附則４条１項），雇用確保措置が義務付けられているのは６４歳までですが，６５歳までの雇用確保について「努力」義務が課せられています（附則４条２項）。
　厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」が取りまとめた「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」によると，平成２２（２０１０）年において，雇用確保措置を導入している企業の割合は，全企業の９６．６％であり，そのうち，①　定年の引上げの措置を講じた企業の割合　→　１３．９％②　継続雇用制度を導入した企業の割合　　　  →　８３．３％③　定年の定めを廃止した企業の割合　　　　　 →　２．８％ですから，トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくることに対する対策としては，通常は，②継続雇用制度を採用した上で，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」を定めるか，再雇用自体は認めた上で，担当業務内容，賃金額等の労働条件により不都合が生じないようにすることが考えられます。
　まずは，継続雇用の基準についてですが，継続雇用の基準は具体的で客観的なものである必要があり，トラブルが多い社員は継続雇用の対象とはならないといった抽象的な基準を定めたのでは，公共職業安定所において，必要な報告徴収が行われるとともに，助言・指導，勧告の対象となる可能性があります。　健康状態，出勤率，懲戒処分歴の有無，勤務成績等の客観的基準を定めるべきでしょう。　「JILPT「高齢者の雇用・採用に関する調査」（2008）」によると，実際の継続雇用制度の基準の内容としては，以下のようなものが多くなっています。①　健康上支障がないこと（９１．１％）②　働く意思・意欲があること（９０．２％）③　出勤率，勤務態度（６６．５％）④　会社が提示する職務内容に合意できること（５３．２％）⑤　一定の業績評価（５０．４％）
　常時１０人以上の労働者を使用する使用者が，継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定で定めた場合には，就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」に該当することとなるため，労働基準法第８９条に定めるところにより，労使協定により基準を策定した旨を就業規則に定め，就業規則の変更を管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。　高年齢者雇用安定法９条には私法的効力がない（民事訴訟で継続雇用を請求する根拠にならない）と一般に考えられていますが，就業規則に継続雇用の条件が定められていればそれが労働契約の内容となり，私法上の効力が生じることになります。　したがって，就業規則に規定された継続雇用の条件が満たされている場合は，高年齢者は，就業規則に基づき，継続雇用を請求できることになります。
　就業規則に定められた継続雇用の要件を満たしている定年退職者の継続雇用を拒否した場合，会社は損害賠償義務を負うことになります。　裁判例の中には，解雇権濫用法理の類推などにより，労働契約の成立自体が認められるとするものもあります。
　高年齢者雇用確保措置が義務付けられた主な趣旨が年金支給開始年齢引き上げに合わせた雇用対策であることからすれば，原則どおり，希望者全員を継続雇用するという選択肢もあり得ます。　統計上も，継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度により離職した者が定年到達者全体に占める割合は，わずか２．０％に過ぎません（「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」）。　トラブルが多い点については，トラブルが生じにくい業務を担当させる（接客やチームワークが必要な仕事から外す等。）ことや，賃金の額を低く抑えること等により対処することも考えられます。
　平成２４年３月９日に国会に提出された『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案』では，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」に基づく制度の廃止が規定されています。　平成２５年４月１日施行予定ですが，改正法施行の際，既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準については，平成３７年３月３１日までの間は，段階的に基準の対象となる年齢が以下のとおり引き上げられるものの，なお効力を有するとされています。①　平成２５年４月１日～平成２８年３月３１日　６１歳以上が対象②　平成２８年４月１日～平成３１年３月３１日　６２歳以上が対象③　平成３１年４月１日～平成３４年３月３１日　６３歳以上が対象④　平成３４年４月１日～平成３７年３月３１日　６４歳以上が対象
　平成２５年４月１日施行予定の改正法案では，その他，①　継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大すること②　高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に企業が従わない場合，企業名を公表することができるとすること③　従来，６５歳未満の高年齢者の雇用機会増大を目標としてきたところであるが，雇用機会増大の対象を６５歳以上の高年齢者にも拡大すること等についても規定されています。
　高年齢者雇用安定法上，再雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく，年金支給開始年齢の６５歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的，最低賃金法等の強行法規，公序良俗に反しない限り，就業規則，個別労働契約等において自由に定めることができます。　もっとも，就業規則で再雇用後の賃金等の労働条件を定めて周知させている場合，それが労働条件となりますから，再雇用後の労働条件を，就業規則に定められている労働条件に満たないものにすることはできません。　また，高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が，年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策，年金支給開始年齢である６５歳までの安定した雇用機会の確保である以上，継続雇用後の賃金額に在職老齢年金，高年齢者雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が，従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきだと思います。
　高年齢者雇用安定法が求めているのは，継続雇用制度の導入であって，事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく，事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば，労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず，結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても，改正高年齢者雇用安定法違反となるものではありません（ただし，平成２５年３月３１日までは，その雇用する高年齢者等が定年，継続雇用制度終了による退職等により離職する場合であって，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，再就職援助の措置を講ずるよう努めることとされているため，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，求人の開拓など再就職の援助を行う必要があります。）。　したがって，トラブルの多い社員との間で，再雇用後の労働条件について折り合いがつかず，結果として再雇用に至らなかったとしても，それが直ちに問題となるわけではありません。
　なお，組合員差別により再雇用の期待を侵害したと認定された事案において，代表取締役個人が会社法４２９条１項の責任を負うとされた裁判例が存在しますので，注意が必要です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　高年齢者雇用安定法９条１項は，６５歳未満の定年の定めをしている事業主に対し，その雇用する高年齢者の６５歳までの安定した雇用を確保するため，<br />①　定年の引上げ<br />②　継続雇用制度（現に雇用している高年齢者が希望するときは，当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。）の導入<br />③　定年の定めの廃止<br />のいずれかの措置（高年齢者雇用確保措置）を講じなければならないとしています。<br />　そして同条第２項において，過半数組合又は過半数代表者との間の書面による協定により，②継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めることができる旨規定されています。<br />※　平成２２年４月１日から平成２５年３月３１日までは，上記「６５歳」を「６４歳」と読み替えることになるため（附則４条１項），雇用確保措置が義務付けられているのは６４歳までですが，６５歳までの雇用確保について「努力」義務が課せられています（附則４条２項）。</p>
<p>　厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」が取りまとめた<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001fz36.html">「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」</a>によると，平成２２（２０１０）年において，雇用確保措置を導入している企業の割合は，全企業の９６．６％であり，そのうち，<br />①　定年の引上げの措置を講じた企業の割合　→　１３．９％<br />②　継続雇用制度を導入した企業の割合　　　  →　８３．３％<br />③　定年の定めを廃止した企業の割合　　　　　 →　２．８％<br />ですから，トラブルの多い社員が定年退職後の再雇用を求めてくることに対する対策としては，通常は，②継続雇用制度を採用した上で，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」を定めるか，再雇用自体は認めた上で，担当業務内容，賃金額等の労働条件により不都合が生じないようにすることが考えられます。</p>
<p>　まずは，継続雇用の基準についてですが，継続雇用の基準は具体的で客観的なものである必要があり，トラブルが多い社員は継続雇用の対象とはならないといった抽象的な基準を定めたのでは，公共職業安定所において，必要な報告徴収が行われるとともに，助言・指導，勧告の対象となる可能性があります。<br />　健康状態，出勤率，懲戒処分歴の有無，勤務成績等の客観的基準を定めるべきでしょう。<br />　「JILPT「高齢者の雇用・採用に関する調査」（2008）」によると，実際の継続雇用制度の基準の内容としては，以下のようなものが多くなっています。<br />①　健康上支障がないこと（９１．１％）<br />②　働く意思・意欲があること（９０．２％）<br />③　出勤率，勤務態度（６６．５％）<br />④　会社が提示する職務内容に合意できること（５３．２％）<br />⑤　一定の業績評価（５０．４％）</p>
<p>　常時１０人以上の労働者を使用する使用者が，継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定で定めた場合には，就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」に該当することとなるため，労働基準法第８９条に定めるところにより，労使協定により基準を策定した旨を就業規則に定め，就業規則の変更を管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。<br />　高年齢者雇用安定法９条には私法的効力がない（民事訴訟で継続雇用を請求する根拠にならない）と一般に考えられていますが，就業規則に継続雇用の条件が定められていればそれが労働契約の内容となり，私法上の効力が生じることになります。<br />　したがって，就業規則に規定された継続雇用の条件が満たされている場合は，高年齢者は，就業規則に基づき，継続雇用を請求できることになります。</p>
<p>　就業規則に定められた継続雇用の要件を満たしている定年退職者の継続雇用を拒否した場合，会社は損害賠償義務を負うことになります。<br />　裁判例の中には，解雇権濫用法理の類推などにより，労働契約の成立自体が認められるとするものもあります。</p>
<p>　高年齢者雇用確保措置が義務付けられた主な趣旨が年金支給開始年齢引き上げに合わせた雇用対策であることからすれば，原則どおり，希望者全員を継続雇用するという選択肢もあり得ます。<br />　統計上も，継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準制度により離職した者が定年到達者全体に占める割合は，わずか２．０％に過ぎません（<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001fz36-att/2r9852000001fzaz.pdf">「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」</a>）。<br />　トラブルが多い点については，トラブルが生じにくい業務を担当させる（接客やチームワークが必要な仕事から外す等。）ことや，賃金の額を低く抑えること等により対処することも考えられます。</p>
<p>　平成２４年３月９日に国会に提出された<a href="http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/180-23.pdf">『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案』</a>では，「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」に基づく制度の廃止が規定されています。<br />　平成２５年４月１日施行予定ですが，改正法施行の際，既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準については，平成３７年３月３１日までの間は，段階的に基準の対象となる年齢が以下のとおり引き上げられるものの，なお効力を有するとされています。<br />①　平成２５年４月１日～平成２８年３月３１日　６１歳以上が対象<br />②　平成２８年４月１日～平成３１年３月３１日　６２歳以上が対象<br />③　平成３１年４月１日～平成３４年３月３１日　６３歳以上が対象<br />④　平成３４年４月１日～平成３７年３月３１日　６４歳以上が対象</p>
<p>　平成２５年４月１日施行予定の改正法案では，その他，<br />①　継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大すること<br />②　高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に企業が従わない場合，企業名を公表することができるとすること<br />③　従来，６５歳未満の高年齢者の雇用機会増大を目標としてきたところであるが，雇用機会増大の対象を６５歳以上の高年齢者にも拡大すること<br />等についても規定されています。</p>
<p>　高年齢者雇用安定法上，再雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく，年金支給開始年齢の６５歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的，最低賃金法等の強行法規，公序良俗に反しない限り，就業規則，個別労働契約等において自由に定めることができます。<br />　もっとも，就業規則で再雇用後の賃金等の労働条件を定めて周知させている場合，それが労働条件となりますから，再雇用後の労働条件を，就業規則に定められている労働条件に満たないものにすることはできません。<br />　また，高年齢者雇用確保措置の主な趣旨が，年金支給開始年齢引上げに合わせた雇用対策，年金支給開始年齢である６５歳までの安定した雇用機会の確保である以上，継続雇用後の賃金額に在職老齢年金，高年齢者雇用継続給付等の公的給付を加算した手取額の合計額が，従来であれば高年齢者がもらえたはずの年金額と同額以上になるように配慮すべきだと思います。</p>
<p>　高年齢者雇用安定法が求めているのは，継続雇用制度の導入であって，事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく，事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば，労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず，結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても，改正高年齢者雇用安定法違反となるものではありません（ただし，平成２５年３月３１日までは，その雇用する高年齢者等が定年，継続雇用制度終了による退職等により離職する場合であって，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，再就職援助の措置を講ずるよう努めることとされているため，当該高年齢者等が再就職を希望するときは，事業主は，求人の開拓など再就職の援助を行う必要があります。）。<br />　したがって，トラブルの多い社員との間で，再雇用後の労働条件について折り合いがつかず，結果として再雇用に至らなかったとしても，それが直ちに問題となるわけではありません。</p>
<p>　なお，組合員差別により再雇用の期待を侵害したと認定された事案において，代表取締役個人が会社法４２９条１項の責任を負うとされた裁判例が存在しますので，注意が必要です。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m22.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）にいう「合理的な理由」があるといえるためには，どの程度の理由があることが必要なのですか？</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq1/176.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq1/176.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 11 Sep 2011 02:11:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[労働問題FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1872</guid>
		<description><![CDATA[
　賃金（退職手当を除く。）の支払を怠った場合，退職後の期間の遅延利息は年１４．６％という高い利率になる可能性があります（賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条）が，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）などの厚生労働省令で定める事由に該当する場合には，その事由の存する期間については上記規定の適用はありません（賃金の支払の確保等に関する法律６条２項）。　では，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）にいう「合理的な理由」があるといえるためには，どの程度の理由があることが必要なのでしょうか。
　退職後の労働者から支払が遅滞していると主張されている賃金の存否を争うことに，厳密な意味での「合理的な理由」があるような場合は，そもそも未払賃金元本自体が存在しないと認定されるケースが多いと考えられますから，未払賃金の遅延利息の利率に関する定めである賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条や，その適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条の適用は問題となりません。　とすると，賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条が適用され，賃金の遅延利息の利率が年１４．６％となる可能性があり，そのその適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条適用の可否が問題となるのは，結果として，厳密な意味での「合理的な理由」がなかった場面ということになります。　厳密な意味での「合理的な理由」がない場面において，賃確法施行規則６条４号の「合理的な理由」を限定的に考えなければならないとすると，賃確法施行規則６条４号は適用場面がなくなり，死文化してしまいます。　賃確法施行規則６条４号に存在意義を認めるのであれば，「合理的な理由」は限定的に考えるべきではなく，一応の合理的な理由，明らかに不合理とまではいえない理由があれば足りると考えるべきことになるのではないでしょうか。
　私が使用者側代理人を務めた東京地方裁判所民事第１９部平成２２年（ワ）第４１４６６号賃金請求事件において，平成２３年９月９日に言い渡された判決（伊良原恵吾裁判官，平成２３年９月２７日確定）では，賃確法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」の存在について以下のとおり緩やかに判断されており，当該事案における未払割増賃金に対する遅延損害金の利率も，商事法定利率（年６分）によるべきものとされています。
　そもそも賃確法６条１項の趣旨は，退職労働者に対して支払うべき賃金（退職手当を除く。）を支払わない事業主に対して，高率の遅延利息の支払義務を課すことにより，民事的な側面から賃金の確保を促進し，かつ，事前に賃金未払が生ずることを防止しようとする点にあるが，ただ，それは，あくまで金銭を目的とする債務の不履行に係る損害賠償について規定した民法４１９条１項本文の利率（民法４０４条又は商法５１４条に規定する年５分又は年６分である。）に関する特則を定めたものにとどまる。　以上によると上記(1)の賃確法６条２項，同法施行規則６条は，遅延利息の利率に関する例外的規定である同法６条１項の適用を外し，実質的に原則的利率（民法４０４条又は商法５１４条）へ戻すための要件を定めたものであると解することができ，そうだとすると賃確法施行規則６条所定の各除外事由の内容を限定的に解しなければならない理由はなく，むしろ上記原則的利率との間に大きな隔たりがあること及び賃確法施行規則６条５号が除外事由の一つとして「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由」を定め，その適用範囲を拡げていることにかんがみると，同条所定の除外事由については，これを柔軟かつ緩やかに解するのが同法６条２項及び同施行規則６条の趣旨に適うものというべきである。　このように考えるならば，賃確法６条２項，同法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」には，裁判所又は労働委員会において，事業主が，確実かつ合理的な根拠資料が存する場合だけでなく，必ずしも合理的な理由がないとはいえない理由に基づき賃金の全部又は一部の存否を争っている場合も含まれているものと解するのが相当である。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　賃金（退職手当を除く。）の支払を怠った場合，退職後の期間の遅延利息は年１４．６％という高い利率になる可能性があります（賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条）が，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）などの厚生労働省令で定める事由に該当する場合には，その事由の存する期間については上記規定の適用はありません（賃金の支払の確保等に関する法律６条２項）。<br />　では，「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し，合理的な理由により，裁判所又は労働委員会で争っていること。」（賃金の支払の確保等に関する法律施行規則６条４号）にいう「合理的な理由」があるといえるためには，どの程度の理由があることが必要なのでしょうか。</p>
<p>　退職後の労働者から支払が遅滞していると主張されている賃金の存否を争うことに，厳密な意味での「合理的な理由」があるような場合は，そもそも未払賃金元本自体が存在しないと認定されるケースが多いと考えられますから，未払賃金の遅延利息の利率に関する定めである賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条や，その適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条の適用は問題となりません。<br />　とすると，賃金の支払の確保等に関する法律６条１項・同施行令１条が適用され，賃金の遅延利息の利率が年１４．６％となる可能性があり，そのその適用除外を定めた賃金の支払の確保等に関する法律６条２項・賃確法施行規則６条適用の可否が問題となるのは，結果として，厳密な意味での「合理的な理由」がなかった場面ということになります。<br />　厳密な意味での「合理的な理由」がない場面において，賃確法施行規則６条４号の「合理的な理由」を限定的に考えなければならないとすると，賃確法施行規則６条４号は適用場面がなくなり，死文化してしまいます。<br />　賃確法施行規則６条４号に存在意義を認めるのであれば，「合理的な理由」は限定的に考えるべきではなく，一応の合理的な理由，明らかに不合理とまではいえない理由があれば足りると考えるべきことになるのではないでしょうか。</p>
<p>　私が使用者側代理人を務めた東京地方裁判所民事第１９部平成２２年（ワ）第４１４６６号賃金請求事件において，平成２３年９月９日に言い渡された判決（伊良原恵吾裁判官，平成２３年９月２７日確定）では，賃確法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」の存在について以下のとおり緩やかに判断されており，当該事案における未払割増賃金に対する遅延損害金の利率も，商事法定利率（年６分）によるべきものとされています。</p>
<p>　そもそも賃確法６条１項の趣旨は，退職労働者に対して支払うべき賃金（退職手当を除く。）を支払わない事業主に対して，高率の遅延利息の支払義務を課すことにより，民事的な側面から賃金の確保を促進し，かつ，事前に賃金未払が生ずることを防止しようとする点にあるが，ただ，それは，あくまで金銭を目的とする債務の不履行に係る損害賠償について規定した民法４１９条１項本文の利率（民法４０４条又は商法５１４条に規定する年５分又は年６分である。）に関する特則を定めたものにとどまる。<br />　以上によると上記(1)の賃確法６条２項，同法施行規則６条は，遅延利息の利率に関する例外的規定である同法６条１項の適用を外し，実質的に原則的利率（民法４０４条又は商法５１４条）へ戻すための要件を定めたものであると解することができ，そうだとすると賃確法施行規則６条所定の各除外事由の内容を限定的に解しなければならない理由はなく，むしろ上記原則的利率との間に大きな隔たりがあること及び賃確法施行規則６条５号が除外事由の一つとして「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由」を定め，その適用範囲を拡げていることにかんがみると，同条所定の除外事由については，これを柔軟かつ緩やかに解するのが同法６条２項及び同施行規則６条の趣旨に適うものというべきである。<br />　このように考えるならば，賃確法６条２項，同法施行規則６条４号にいう「合理的な理由」には，裁判所又は労働委員会において，事業主が，確実かつ合理的な根拠資料が存する場合だけでなく，必ずしも合理的な理由がないとはいえない理由に基づき賃金の全部又は一部の存否を争っている場合も含まれているものと解するのが相当である。</p>
<!-- /A-box --><!-- /content -->]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq1/176.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>管理職なのに残業代の請求をしてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m21.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m21.html#comments</comments>
		<pubDate>Sat, 03 Sep 2011 11:50:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1857</guid>
		<description><![CDATA[
　管理職であっても，労基法上の労働者である以上，原則として労基法３７条の適用があり，週４０時間，１日８時間を超えて労働させた場合，法定休日に労働させた場合，深夜に労働させた場合は，時間外労働時間，休日労働，深夜労働に応じた残業代（割増賃金）を支払わなければならないのが原則です。　当該管理職が，労基法４１条２号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」（管理監督者）に該当すれば，労働時間，休憩，時間外・休日割増賃金，休日，賃金台帳に関する規定は適用除外となりますので，その結果，労基法上，使用者は時間外・休日割増賃金の支払義務を免れることになりますが，裁判所の考えている管理監督者の要件を充足するのは，本社の幹部社員など，ごく一部と考えられますので，通常は，管理監督者扱いとすることで残業代の支払義務を免れることができると考えるべきではありません。
　なお，管理監督者であっても，深夜労働に関する規定は適用されますので，管理職が管理監督者であるかどうかにかかわらず，深夜割増賃金（労基法３７条３項）を支払う必要があることに変わりはありません（ことぶき事件最高裁第二小法廷平成２１年１２月１８日判決）。 　また，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効となり，無効となった部分については労基法で定める基準が適用されますので（労基法１３条），就業規則等で管理職には残業代を支給しない旨規定したり，個別労働契約で管理職であることを理由として残業代を支給しない旨規定し労働者に署名押印させるなどしてその同意を得ていたとしても，深夜割増賃金の支払義務は免れませんし，当該管理職が労基法上の管理監督者に該当しない限りは，深夜割増賃金以外の残業代（時間外・休日割増賃金）についても，支払義務を免れないことになります。

　管理監督者は，一般に，「労働条件の決定その他労務管理について，経営者と一体的な立場にある者」をいうとされ，管理監督者であるかどうかは，①　職務の内容，権限及び責任の程度②　実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無，労働時間管理の程度③　待遇の内容，程度等の要素を総合的に考慮して，判断されることになります。　この点，日本マクドナルド事件東京地裁平成２０年１月２８日判決は，①の要件に関し，「職務内容，権限及び責任に照らし，労務管理を含め，企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているか」という基準を用いています。　私見では，同判決が「企業全体の事業経営」に関する重要事項への関与まで要求している点は疑問であると考えていますが，そのように判断されても問題が生じないよう社内体制を整備しておく必要があると考えます。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　管理職であっても，労基法上の労働者である以上，原則として労基法３７条の適用があり，週４０時間，１日８時間を超えて労働させた場合，法定休日に労働させた場合，深夜に労働させた場合は，時間外労働時間，休日労働，深夜労働に応じた残業代（割増賃金）を支払わなければならないのが原則です。<br />　当該管理職が，労基法４１条２号にいう「監督若しくは管理の地位にある者」（管理監督者）に該当すれば，労働時間，休憩，時間外・休日割増賃金，休日，賃金台帳に関する規定は適用除外となりますので，その結果，労基法上，使用者は時間外・休日割増賃金の支払義務を免れることになりますが，裁判所の考えている管理監督者の要件を充足するのは，本社の幹部社員など，ごく一部と考えられますので，通常は，管理監督者扱いとすることで残業代の支払義務を免れることができると考えるべきではありません。</p>
<p>　なお，管理監督者であっても，深夜労働に関する規定は適用されますので，管理職が管理監督者であるかどうかにかかわらず，深夜割増賃金（労基法３７条３項）を支払う必要があることに変わりはありません（ことぶき事件最高裁第二小法廷平成２１年１２月１８日判決）。 <br />　また，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効となり，無効となった部分については労基法で定める基準が適用されますので（労基法１３条），就業規則等で管理職には残業代を支給しない旨規定したり，個別労働契約で管理職であることを理由として残業代を支給しない旨規定し労働者に署名押印させるなどしてその同意を得ていたとしても，深夜割増賃金の支払義務は免れませんし，当該管理職が労基法上の管理監督者に該当しない限りは，深夜割増賃金以外の残業代（時間外・休日割増賃金）についても，支払義務を免れないことになります。</p>
<!-- /A-box --><!-- /content -->
<p>　管理監督者は，一般に，「労働条件の決定その他労務管理について，経営者と一体的な立場にある者」をいうとされ，管理監督者であるかどうかは，<br />①　職務の内容，権限及び責任の程度<br />②　実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無，労働時間管理の程度<br />③　待遇の内容，程度<br />等の要素を総合的に考慮して，判断されることになります。<br />　この点，日本マクドナルド事件東京地裁平成２０年１月２８日判決は，①の要件に関し，「職務内容，権限及び責任に照らし，労務管理を含め，企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているか」という基準を用いています。<br />　私見では，同判決が「企業全体の事業経営」に関する重要事項への関与まで要求している点は疑問であると考えていますが，そのように判断されても問題が生じないよう社内体制を整備しておく必要があると考えます。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m21.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>勝手に残業して，残業代を請求してくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m20.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m20.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 24 Aug 2011 04:44:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1772</guid>
		<description><![CDATA[
　不必要に残業をする社員に対しては，注意，指導して，改めさせる必要があります。　長時間労働は，残業代（割増賃金）請求の問題にとどまるものではなく，過労死，過労自殺，うつ病等の問題にもつながりますので，放置してはいけません。　不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が指導に従わない場合は，現実にオフィスから外に出るまで指導する必要があります。
　終業時刻後も社内の仕事をするスペースに残っている場合，残業していると評価される可能性が高くなります。　残業させる必要がない場合は，社内の仕事をするスペースから現実に外に出すべきでしょう。　最低限，タイムカードを打刻させる必要がありますが，いつまでも部屋に残っているのを放置していると，タイムカード打刻後も残業させられていたと主張されて，残業代請求を受けるリスクが生じることになります。　やはり，現実に，社内の仕事をするスペースから外に出すのが本筋でしょう。
　仕事の合間に，食事したり，仕事とは関係のない本を読んだり，おしゃべりしたり，居眠りした場合であっても，それが何月何日の何時から何時までのことなのか特定できないと，所定の休憩時間を超えて労働時間から差し引いてもらえません。　まとまった時間，仕事から離脱したような場合でない限り，仕事をしていなかった時間を特定することはできないのが通常です。　居眠り等が目に余る場合は，その都度，上司が注意，指導して仕事させるのが本筋です。
　残業させたら残業代の支払を免れることはできないという前提で考える必要があります。　残業自体を減らすことで残業代の発生を抑制するか，残業代を支払済みにしておく必要があります。　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因であった場合であっても，現実に残業している場合は，残業時間として残業代の支払義務が生じることになります。　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことは，注意，指導，教育等で改善させるとともに，人事考課で考慮すべき問題であって，残業時間に対し残業代を支払わなくてもよくなるわけではありません。
　一定金額の残業手当を支給し，その金額の範囲内で残業を行う旨合意されていたとしても，残業手当の金額を超えて労基法上の割増賃金が発生している場合は，不足額部分の支払義務が生じることになりますので，そのような合意で割増賃金の支払額を限定することはできません。　例えば，「月５万円の残業代を払うから，５万円の範囲内で残業して下さい。」と伝えていたとしても，社員が現実に残業した時間で残業代を計算した結果，残業代の金額が５万円を超えた場合は，原則として追加の割増賃金の支払を余儀なくされることになります。
　部下に残業させて残業代を支払うのか，残業させずに帰すのかを決めるのは上司の責任ですから，社員の残業代問題は，上司の管理能力が問われることになります。　その日のうちに終わらせる必要がないような仕事については，翌日以降の所定労働時間内にさせるといった対応が必要となります。　明示の残業命令を出していなくても，残業していることを知りながら放置していた場合は，想定外の時間にまで残業していたような例外を除き，黙示の残業命令があったと認定されるのが通常です。　実際の事案では，どれだけ残業していたのかはよく分からなくても，残業していたこと自体は上司が認識しつつ放置していることが多いというのが実情です。　上司が残業に気付いたら，残業をやめさせて帰宅させるか，残業代の支払を覚悟の上で仕事を続けさせるか，どちらかを選択する必要があります。　残業する場合には，上司に申告してその決裁を受けなければならない旨就業規則等に定められていたとしても，実際には決済を受けずに仕事をしていて，上司がそれを知りつつ放置していた場合は，黙示の残業命令により残業していたと認定され，残業代の支払を余儀なくされることになります。　「上司が先に帰って，部下が上司の知らないところで残業したような場合も，残業代を支払わなければならないのですか？」といった質問を受けることがありますが，弁護士に相談するような事案はたいてい，毎日のように部下が残業をしているのを上司が知りながら放置しているケースです。　部下がたまたま１日だけ，上司の知らないうちにこっそり残業したといった程度の場合は，そもそも，弁護士に相談しなければならないような問題にはなりません。
　残業代請求の訴訟では，タイムカードに打刻された出社時刻と退社時刻との間の時間から休憩時間を差し引いた時間が，その日の実労働時間と認定されることが多くなっています。　タイムカードの打刻時間が，実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合は，それを敢えて容認してタイムカードに基づいて割増賃金を支払うか，働き始める直前，働き終わった直後にタイムカードを打刻させるようにすべきでしょう。
　労働時間（残業時間）の自己申告制を採用している会社も多いですが，自己申告制では，現実の労働時間残業時間よりも少ない時間が申告されることがあります。　後から訴訟になった場合，自己申告した労働時間が，実際の労働時間に満たない場合は，実際の労働時間に基づいて残業代が算定されることになります。　適切に運用しないと，隠れ残業時間（残業代不払い）が生じるリスクを負うことになりかねません。　パソコンのオンオフのログで在社時間をチェックし，自己申告の労働時間との齟齬が大きい場合には事情説明を求める等の工夫をすべきでしょう。
　長時間労働は，過労死，過労自殺，うつ病等の問題が生じやすいという問題があります。　当該社員の人生が破壊されるだけでなく，会社も高額の損害賠償義務を負うことになることがあります。　本人の同意があったとしても，月８０時間を超えるような時間外・休日労働をさせるのは勧められません。　時間外・休日労働は，できる限り月４５時間以内に抑えるべきと考えます。
　なお，平成１３年１２月１２日基発第１０６３号「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」「(3) 長期間の過重業務について」には，以下のような記述があります。ア　疲労の蓄積の考え方　恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。　このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断することとする。イ　特に過重な業務　特に過重な業務の考え方は、前記(2)のアの「特に過重な業務」の場合と同様である。ウ　評価期間　発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月間をいう。　なお、発症前おおむね6か月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するに当たり、付加的要因として考慮すること。エ　過重負荷の有無の判断(ア)　著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚等にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。(イ)　業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、労働時間のほか前記(2)のウの(ウ)のbからgまでに示した負荷要因について十分検討すること。その際、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、[1]　発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること[2] 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。　ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。　また、休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連性をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。
　また，平成２３年１２月２６日基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」の「（４）時間外労働時間数の評価」には，以下のような記述があります。ア　極度の長時間労働による評価　極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、発病日から起算した直前の１か月間におおむね１６０時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。イ　長時間労働の「出来事」としての評価　長時間労働以外に特段の出来事が存在しない場合には、長時間労働それ自体を「出来事」とし、新たに設けた「１か月に８０時間以上の時間外労働を行った（項目１６）」という具体的出来事に当てはめて心理的負荷を評価する。　項目１６の平均的な心理的負荷の強度は「Ⅱ」であるが、発病日から起算した直前の２か月間に１月当たりおおむね１２０時間以上の長時間労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。項目１６では、「仕事内容・仕事量の（大きな）変化を生じさせる出来事があった（項目１５）」と異なり、労働時間数がそれ以前と比べて増加していることは必要な条件ではない。　なお、他の出来事がある場合には、時間外労働の状況は下記ウによる総合評価において評価されることから、原則として項目１６では評価しない。ただし、項目１６で「強」と判断できる場合には、他に出来事が存在しても、この項目でも評価し、全体評価を「強」とする。ウ　恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価　出来事に対処するために生じた長時間労働は、心身の疲労を増加させ、ストレス対応能力を低下させる要因となることや、長時間労働が続く中で発生した出来事の心理的負荷はより強くなることから、出来事自体の心理的負荷と恒常的な長時間労働（月１００時間程度となる時間外労働）を関連させて総合評価を行う。　具体的には、「中」程度と判断される「出来事」の後に恒常的な時間外労働が認められる場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。　なお、「出来事」の前の恒常的な長時間労働の評価期間は、発病前おおむね６か月の間とする。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　不必要に残業をする社員に対しては，注意，指導して，改めさせる必要があります。<br />　長時間労働は，残業代（割増賃金）請求の問題にとどまるものではなく，過労死，過労自殺，うつ病等の問題にもつながりますので，放置してはいけません。<br />　不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が指導に従わない場合は，現実にオフィスから外に出るまで指導する必要があります。</p>
<p>　終業時刻後も社内の仕事をするスペースに残っている場合，残業していると評価される可能性が高くなります。<br />　残業させる必要がない場合は，社内の仕事をするスペースから現実に外に出すべきでしょう。<br />　最低限，タイムカードを打刻させる必要がありますが，いつまでも部屋に残っているのを放置していると，タイムカード打刻後も残業させられていたと主張されて，残業代請求を受けるリスクが生じることになります。<br />　やはり，現実に，社内の仕事をするスペースから外に出すのが本筋でしょう。</p>
<p>　仕事の合間に，食事したり，仕事とは関係のない本を読んだり，おしゃべりしたり，居眠りした場合であっても，それが何月何日の何時から何時までのことなのか特定できないと，所定の休憩時間を超えて労働時間から差し引いてもらえません。<br />　まとまった時間，仕事から離脱したような場合でない限り，仕事をしていなかった時間を特定することはできないのが通常です。<br />　居眠り等が目に余る場合は，その都度，上司が注意，指導して仕事させるのが本筋です。</p>
<p>　残業させたら残業代の支払を免れることはできないという前提で考える必要があります。<br />　残業自体を減らすことで残業代の発生を抑制するか，残業代を支払済みにしておく必要があります。<br />　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因であった場合であっても，現実に残業している場合は，残業時間として残業代の支払義務が生じることになります。<br />　本人の能力が低いことや，所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことは，注意，指導，教育等で改善させるとともに，人事考課で考慮すべき問題であって，残業時間に対し残業代を支払わなくてもよくなるわけではありません。</p>
<p>　一定金額の残業手当を支給し，その金額の範囲内で残業を行う旨合意されていたとしても，残業手当の金額を超えて労基法上の割増賃金が発生している場合は，不足額部分の支払義務が生じることになりますので，そのような合意で割増賃金の支払額を限定することはできません。<br />　例えば，「月５万円の残業代を払うから，５万円の範囲内で残業して下さい。」と伝えていたとしても，社員が現実に残業した時間で残業代を計算した結果，残業代の金額が５万円を超えた場合は，原則として追加の割増賃金の支払を余儀なくされることになります。</p>
<p>　部下に残業させて残業代を支払うのか，残業させずに帰すのかを決めるのは上司の責任ですから，社員の残業代問題は，上司の管理能力が問われることになります。<br />　その日のうちに終わらせる必要がないような仕事については，翌日以降の所定労働時間内にさせるといった対応が必要となります。<br />　明示の残業命令を出していなくても，残業していることを知りながら放置していた場合は，想定外の時間にまで残業していたような例外を除き，黙示の残業命令があったと認定されるのが通常です。<br />　実際の事案では，どれだけ残業していたのかはよく分からなくても，残業していたこと自体は上司が認識しつつ放置していることが多いというのが実情です。<br />　上司が残業に気付いたら，残業をやめさせて帰宅させるか，残業代の支払を覚悟の上で仕事を続けさせるか，どちらかを選択する必要があります。<br />　残業する場合には，上司に申告してその決裁を受けなければならない旨就業規則等に定められていたとしても，実際には決済を受けずに仕事をしていて，上司がそれを知りつつ放置していた場合は，黙示の残業命令により残業していたと認定され，残業代の支払を余儀なくされることになります。<br />　「上司が先に帰って，部下が上司の知らないところで残業したような場合も，残業代を支払わなければならないのですか？」といった質問を受けることがありますが，弁護士に相談するような事案はたいてい，毎日のように部下が残業をしているのを上司が知りながら放置しているケースです。<br />　部下がたまたま１日だけ，上司の知らないうちにこっそり残業したといった程度の場合は，そもそも，弁護士に相談しなければならないような問題にはなりません。</p>
<p>　残業代請求の訴訟では，タイムカードに打刻された出社時刻と退社時刻との間の時間から休憩時間を差し引いた時間が，その日の実労働時間と認定されることが多くなっています。<br />　タイムカードの打刻時間が，実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合は，それを敢えて容認してタイムカードに基づいて割増賃金を支払うか，働き始める直前，働き終わった直後にタイムカードを打刻させるようにすべきでしょう。</p>
<p>　労働時間（残業時間）の自己申告制を採用している会社も多いですが，自己申告制では，現実の労働時間残業時間よりも少ない時間が申告されることがあります。<br />　後から訴訟になった場合，自己申告した労働時間が，実際の労働時間に満たない場合は，実際の労働時間に基づいて残業代が算定されることになります。<br />　適切に運用しないと，隠れ残業時間（残業代不払い）が生じるリスクを負うことになりかねません。<br />　パソコンのオンオフのログで在社時間をチェックし，自己申告の労働時間との齟齬が大きい場合には事情説明を求める等の工夫をすべきでしょう。</p>
<p>　長時間労働は，過労死，過労自殺，うつ病等の問題が生じやすいという問題があります。<br />　当該社員の人生が破壊されるだけでなく，会社も高額の損害賠償義務を負うことになることがあります。<br />　本人の同意があったとしても，月８０時間を超えるような時間外・休日労働をさせるのは勧められません。<br />　時間外・休日労働は，できる限り月４５時間以内に抑えるべきと考えます。</p>
<p>　なお，<a href="http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-42/hor1-42-62-1-0.htm">平成１３年１２月１２日基発第１０６３号「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」</a>「(3) 長期間の過重業務について」には，以下のような記述があります。<br />ア　疲労の蓄積の考え方<br />　恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。<br />　このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断することとする。<br />イ　特に過重な業務<br />　特に過重な業務の考え方は、前記(2)のアの「特に過重な業務」の場合と同様である。<br />ウ　評価期間<br />　発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月間をいう。<br />　なお、発症前おおむね6か月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するに当たり、付加的要因として考慮すること。<br />エ　過重負荷の有無の判断<br />(ア)　著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同僚等にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。<br />(イ)　業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、労働時間のほか前記(2)のウの(ウ)のbからgまでに示した負荷要因について十分検討すること。<br />その際、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、<br /><span style="text-decoration: underline;">[1]　発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること<br />[2] 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること<br /></span>を踏まえて判断すること。<br />　ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。<br />　また、休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連性をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。</p>
<p>　また，<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf">平成２３年１２月２６日基発１２２６第１号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」</a>の「（４）時間外労働時間数の評価」には，以下のような記述があります。<br />ア　極度の長時間労働による評価<br />　極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、<span style="text-decoration: underline;">発病日から起算した直前の１か月間におおむね１６０時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする</span>。<br />イ　長時間労働の「出来事」としての評価<br />　<span style="text-decoration: underline;">長時間労働以外に特段の出来事が存在しない場合には、長時間労働それ自体を「出来事」とし、新たに設けた「１か月に８０時間以上の時間外労働を行った（項目１６）」という具体的出来事に当てはめて心理的負荷を評価する。<br /></span>　<span style="text-decoration: underline;">項目１６の平均的な心理的負荷の強度は「Ⅱ」であるが、発病日から起算した直前の２か月間に１月当たりおおむね１２０時間以上の長時間労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。</span>項目１６では、「仕事内容・仕事量の（大きな）変化を生じさせる出来事があった（項目１５）」と異なり、労働時間数がそれ以前と比べて増加していることは必要な条件ではない。<br />　なお、他の出来事がある場合には、時間外労働の状況は下記ウによる総合評価において評価されることから、原則として項目１６では評価しない。ただし、項目１６で「強」と判断できる場合には、他に出来事が存在しても、この項目でも評価し、全体評価を「強」とする。<br />ウ　恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価<br />　出来事に対処するために生じた長時間労働は、心身の疲労を増加させ、ストレス対応能力を低下させる要因となることや、長時間労働が続く中で発生した出来事の心理的負荷はより強くなることから、<span style="text-decoration: underline;">出来事自体の心理的負荷と恒常的な長時間労働（月１００時間程度となる時間外労働）を関連させて総合評価を行う</span>。<br />　具体的には、<span style="text-decoration: underline;">「中」程度と判断される「出来事」の後に恒常的な時間外労働が認められる場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする</span>。<br />　なお、「出来事」の前の恒常的な長時間労働の評価期間は、発病前おおむね６か月の間とする。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m20.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>賃金が残業代込みの金額である旨納得して入社したにもかかわらず，残業代の請求をしてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m19.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m19.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 24 Aug 2011 03:09:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1761</guid>
		<description><![CDATA[
　残業代（割増賃金）の支払は労基法３７条で義務付けられているものですが，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり，無効となった部分は労基法で定める労働基準となりますので（労基法１３条），労基法３７条に定める残業代を支払わないとする合意は無効となるため，残業代を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させてから残業させた場合であっても，使用者は残業代の支払義務を免れることはできないことになります。
　割増部分（残業代に相当する金額）を特定せずに，基本給に残業代全額が含まれる旨合意し，合意書に署名押印させていたとしても，これを有効と認めてしまうと，残業代を支払わずに時間外労働等をさせるのと変わらない結果になってしまうため，残業代の支払があったとは認められません。　この結論は，年俸制社員であっても，変わりません。　モルガン・スタンレー・ジャパン（超過勤務手当）事件東京地裁平成１７年１０月１９日判決では，割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていないにもかかわらず，基本給に残業代が含まれているとする会社側の主張が認められていますが，基本給だけで月額１８３万円超えている（別途，多額のボーナス支給等もある。）等，追加の残業代の請求を認めるのが相当でない特殊事情があった事案であり，通常の事例にまで同様の判断がなされると考えることはできません。
　残業代が賃金に含まれている旨の合意が有効であるというためには，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができる必要があります。　割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていない場合は，残業代が全く支払われていない前提で残業代が算定され，その支払義務を負うことになります。　一般的には，支給した残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を計算できる定め方であれば，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができると評価することができるものと思われます。　労基法上の計算方法で残業代の金額を計算した結果，残業手当等の金額で不足する場合は，不足額を当該賃金の支払期（当該賃金計算期間に対応する給料日）に支払う法的義務が生じることになります。
　小里機材事件東京地裁昭和６２年１月３０日判決が「傍論」で，「仮に，月１５時間の時間外労働に対する割増賃金を基本給に含める旨の合意がされたとしても，その基本給のうち割増賃金に当たる部分が明確に区別されて合意がされ，かつ労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されている場合にのみ，その予定割増賃金分を当該月の割増賃金の一部又は全部とすることができるものと解すべき」判断し，控訴審判決である東京高裁昭和６２年１１月３０日判決はこの地裁判決の判決理由を引用して控訴を棄却し，上告審の最高裁第一小法廷昭和６３年７月１４日判決も高裁の認定判断は正当として是認することができるとして上告を棄却していることから，労働者側から，割増部分が「明確に」区別されていないから残業代の支払がなされていると評価することはできないとか，労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されていないから固定残業代部分を残業代の弁済と評価することはできないとかいった主張がなされることがあります。　この論争を回避するためには，固定残業代の「金額」を明示して給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄等にもその金額を明確に記載しておくとともに，賃金規定に労基法所定の計算方法による額が固定残業代の額を上回る場合にはその不足額を支払う旨規定し，周知させておくとよいでしょう。
　労働条件通知書等において基本給と時間外手当を明確に分けて「基本給○○円，残業手当○○円」と定め，給与明細書や賃金台帳でも項目を分けて金額を明示しているものについては，支給した残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうかを容易に計算できるのが通常のため，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができるものといえ，有効性が否定されるリスクは低いと思われます。　ただし，「基本給１５万円，残業手当１５万円」といったように，残業手当の比率が極端に高い場合は，合意内容があまりにも労働者に不利益なため，合意の有効性が否定されるリスクが高くなりますので，避けるべきです。　やり過ぎはよくありません。
　「基本給には，４５時間分の残業手当を含む。」といった規定の仕方も広く行われており，一応，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができるといえなくもありませんので，一般には有効と考えられています。　しかし，給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄が空欄となっていたり，０円と記載されていたりすることが多く，一見して残業代が支払われているようには見えないため，紛争となりやすくなっています。　また，「４５時間分の残業手当」が何円で，残業手当以外の金額が何円なのかが一見して分からず，方程式を解くようなやり方をしないと，残業代に相当する金額と通常の賃金に相当する金額を算定できなかったり，４５時間を超えて残業した場合にどのように計算して追加の残業代を計算すればいいのか分かりにくかったりすることがあるため，有効性が否定されるリスクが残ります。　労基法上，深夜の時間外労働（５０％増し以上），法定休日労働の割増賃金額（３５％増し以上）等は，通常の時間外労働の割増賃金額（２５％増し以上）と単価が異なりますが，どれも等しく「４５時間分」の時間に含まれるのか，あるいは時間外勤務分だけが含まれており，深夜割増賃金や法定休日割増賃金は別途支払う趣旨なのか，その文言だけからでは明らかではないこともあります。　支給した固定残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を容易に計算できるような定め方にしておくべきでしょう。
　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代の支払のための手当であるとは読み取れない手当を残業代の趣旨で支給する場合は，賃金規定等にその全部又は一部が残業代の支払の趣旨である旨明記して周知させておく必要があります。　労働条件通知書や賃金規定等に残業代の趣旨で支給する旨明記されていないと，裁判所に残業代の支払であると認定してもらうのが難しくなります。　これに対し，「残業手当」「時間外勤務手当」等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であることが分かる名目で支給し，給与明細書にその金額の記載がある場合は，リスクが小さくなります。　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代の支払のための手当であるとは読み取れない手当の「一部」を残業代の趣旨で支給する場合にも，割増部分（残業代に相当する金額）を特定して支給しないと，残業代の支払とは認められません。　例えば，役職手当として５万円を支給し，残業代が含まれているという扱いにしている場合，役職者としての責任等に対する対価が何円で，残業代が何円なのか分からないと，残業代の支払が全くなされていないことを前提として残業代額が算定され，支払義務を負うことになります。　管理監督者についても，深夜割増賃金の算定，支払が必要となるため，同様の問題が生じ得ます。
　固定残業代の比率が高い会社は，長時間労働が予定されていることが多く，１月あたりの残業時間が８０時間とか，１００時間に及ぶことも珍しくありません。　長時間労働を予定した給与体系を採用し，長時間労働により社員が死亡する等した場合は，会社が多額の損害賠償義務を負うことになるだけでなく，代表取締役社長その他の会社役員も高額の損害賠償義務を負うことになるリスクもあります。　固定残業代の金額は，１月当たり４５時間分程度の金額に抑えることが望ましく，月８０時間分の残業代を超えるような金額にすべきではありません。　固定残業代の比率が高い会社は，賃金単価が低いことが多く（極端な場合は時給１０００円を下回り，賞与を考慮しないとパート・アルバイトよりも時給単価が低いことさえあります。），優秀な社員が集まりにくく，社員の離職率も高くなりがちで，有能な社員ほど，すぐに退職してしまう傾向にあります。　固定残業代の比率が高い会社は，体裁が悪いせいか，採用募集広告では，固定残業代の比率が高いことを隠そうとする傾向にあります。　その結果，入社した社員は騙されたような気分になり，すぐに退職したり，トラブルに発展したりすることになりがちです。　採用募集広告に明示できないような給与体系は採用しないようにする必要があります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　残業代（割増賃金）の支払は労基法３７条で義務付けられているものですが，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は，労基法で定める基準に達しない労働条件を定める部分についてのみ無効となり，無効となった部分は労基法で定める労働基準となりますので（労基法１３条），労基法３７条に定める残業代を支払わないとする合意は無効となるため，残業代を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させてから残業させた場合であっても，使用者は残業代の支払義務を免れることはできないことになります。</p>
<p>　割増部分（残業代に相当する金額）を特定せずに，基本給に残業代全額が含まれる旨合意し，合意書に署名押印させていたとしても，これを有効と認めてしまうと，残業代を支払わずに時間外労働等をさせるのと変わらない結果になってしまうため，残業代の支払があったとは認められません。<br />　この結論は，年俸制社員であっても，変わりません。<br />　モルガン・スタンレー・ジャパン（超過勤務手当）事件東京地裁平成１７年１０月１９日判決では，割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていないにもかかわらず，基本給に残業代が含まれているとする会社側の主張が認められていますが，基本給だけで月額１８３万円超えている（別途，多額のボーナス支給等もある。）等，追加の残業代の請求を認めるのが相当でない特殊事情があった事案であり，通常の事例にまで同様の判断がなされると考えることはできません。</p>
<p>　残業代が賃金に含まれている旨の合意が有効であるというためには，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができる必要があります。<br />　割増部分（残業代に相当する金額）が特定されていない場合は，残業代が全く支払われていない前提で残業代が算定され，その支払義務を負うことになります。<br />　一般的には，支給した残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を計算できる定め方であれば，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができると評価することができるものと思われます。<br />　労基法上の計算方法で残業代の金額を計算した結果，残業手当等の金額で不足する場合は，不足額を当該賃金の支払期（当該賃金計算期間に対応する給料日）に支払う法的義務が生じることになります。</p>
<p>　小里機材事件東京地裁昭和６２年１月３０日判決が「傍論」で，「仮に，月１５時間の時間外労働に対する割増賃金を基本給に含める旨の合意がされたとしても，その基本給のうち割増賃金に当たる部分が明確に区別されて合意がされ，かつ労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されている場合にのみ，その予定割増賃金分を当該月の割増賃金の一部又は全部とすることができるものと解すべき」判断し，控訴審判決である東京高裁昭和６２年１１月３０日判決はこの地裁判決の判決理由を引用して控訴を棄却し，上告審の最高裁第一小法廷昭和６３年７月１４日判決も高裁の認定判断は正当として是認することができるとして上告を棄却していることから，労働者側から，割増部分が「明確に」区別されていないから残業代の支払がなされていると評価することはできないとか，労基法所定の計算方法による額がその額を上回るときはその差額を当該賃金の支払期に支払うことが合意されていないから固定残業代部分を残業代の弁済と評価することはできないとかいった主張がなされることがあります。<br />　この論争を回避するためには，固定残業代の「金額」を明示して給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄等にもその金額を明確に記載しておくとともに，賃金規定に労基法所定の計算方法による額が固定残業代の額を上回る場合にはその不足額を支払う旨規定し，周知させておくとよいでしょう。</p>
<p>　労働条件通知書等において基本給と時間外手当を明確に分けて「基本給○○円，残業手当○○円」と定め，給与明細書や賃金台帳でも項目を分けて金額を明示しているものについては，支給した残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうかを容易に計算できるのが通常のため，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができるものといえ，有効性が否定されるリスクは低いと思われます。<br />　ただし，「基本給１５万円，残業手当１５万円」といったように，残業手当の比率が極端に高い場合は，合意内容があまりにも労働者に不利益なため，合意の有効性が否定されるリスクが高くなりますので，避けるべきです。<br />　やり過ぎはよくありません。</p>
<p>　「基本給には，４５時間分の残業手当を含む。」といった規定の仕方も広く行われており，一応，通常の労働時間の賃金に当たる部分と残業代に当たる部分とを判別することができるといえなくもありませんので，一般には有効と考えられています。<br />　しかし，給与明細書・賃金台帳の時間外手当欄が空欄となっていたり，０円と記載されていたりすることが多く，一見して残業代が支払われているようには見えないため，紛争となりやすくなっています。<br />　また，「４５時間分の残業手当」が何円で，残業手当以外の金額が何円なのかが一見して分からず，方程式を解くようなやり方をしないと，残業代に相当する金額と通常の賃金に相当する金額を算定できなかったり，４５時間を超えて残業した場合にどのように計算して追加の残業代を計算すればいいのか分かりにくかったりすることがあるため，有効性が否定されるリスクが残ります。<br />　労基法上，深夜の時間外労働（５０％増し以上），法定休日労働の割増賃金額（３５％増し以上）等は，通常の時間外労働の割増賃金額（２５％増し以上）と単価が異なりますが，どれも等しく「４５時間分」の時間に含まれるのか，あるいは時間外勤務分だけが含まれており，深夜割増賃金や法定休日割増賃金は別途支払う趣旨なのか，その文言だけからでは明らかではないこともあります。<br />　支給した固定残業代の額が労基法３７条及び同法施行規則１９条の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか（不足する場合はその不足額）を容易に計算できるような定め方にしておくべきでしょう。</p>
<p>　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代の支払のための手当であるとは読み取れない手当を残業代の趣旨で支給する場合は，賃金規定等にその全部又は一部が残業代の支払の趣旨である旨明記して周知させておく必要があります。<br />　労働条件通知書や賃金規定等に残業代の趣旨で支給する旨明記されていないと，裁判所に残業代の支払であると認定してもらうのが難しくなります。<br />　これに対し，「残業手当」「時間外勤務手当」等，一見して残業代（割増賃金）の支払のための手当であることが分かる名目で支給し，給与明細書にその金額の記載がある場合は，リスクが小さくなります。<br />　営業手当，役職手当，特殊手当等，一見して残業代の支払のための手当であるとは読み取れない手当の「一部」を残業代の趣旨で支給する場合にも，割増部分（残業代に相当する金額）を特定して支給しないと，残業代の支払とは認められません。<br />　例えば，役職手当として５万円を支給し，残業代が含まれているという扱いにしている場合，役職者としての責任等に対する対価が何円で，残業代が何円なのか分からないと，残業代の支払が全くなされていないことを前提として残業代額が算定され，支払義務を負うことになります。<br />　管理監督者についても，深夜割増賃金の算定，支払が必要となるため，同様の問題が生じ得ます。</p>
<p>　固定残業代の比率が高い会社は，長時間労働が予定されていることが多く，１月あたりの残業時間が８０時間とか，１００時間に及ぶことも珍しくありません。<br />　長時間労働を予定した給与体系を採用し，長時間労働により社員が死亡する等した場合は，会社が多額の損害賠償義務を負うことになるだけでなく，代表取締役社長その他の会社役員も高額の損害賠償義務を負うことになるリスクもあります。<br />　固定残業代の金額は，１月当たり４５時間分程度の金額に抑えることが望ましく，月８０時間分の残業代を超えるような金額にすべきではありません。<br />　固定残業代の比率が高い会社は，賃金単価が低いことが多く（極端な場合は時給１０００円を下回り，賞与を考慮しないとパート・アルバイトよりも時給単価が低いことさえあります。），優秀な社員が集まりにくく，社員の離職率も高くなりがちで，有能な社員ほど，すぐに退職してしまう傾向にあります。<br />　固定残業代の比率が高い会社は，体裁が悪いせいか，採用募集広告では，固定残業代の比率が高いことを隠そうとする傾向にあります。<br />　その結果，入社した社員は騙されたような気分になり，すぐに退職したり，トラブルに発展したりすることになりがちです。<br />　採用募集広告に明示できないような給与体系は採用しないようにする必要があります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m19.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>期間雇用者を契約期間満了で雇止めしたところ，雇止めは無効だと主張してくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m18.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m18.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 12:59:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1757</guid>
		<description><![CDATA[
　有期労働契約は契約期間満了で契約終了となるのが原則です。　ただし，有期労働契約が反復更新されて期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となった場合，雇用継続に対する労働者の期待利益に合理性がある場合は，雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されることになります。　雇止めに解雇権濫用法理が類推適用される場合で，雇止めに客観的に合理的理由がない場合や，社会通念上相当なものでない場合は，雇止めが無効となり，契約が更新されることになります。　解雇権濫用法理を類推適用する場合か否か，要求される合理的理由の程度について，裁判例では，「当該雇用の臨時性・常用性，更新の回数，雇用の通算期間，契約期間管理の状況，雇用継続の期待をもたせる言動・制度の有無」等が考慮されてきました（菅野『労働法』第九版１９２頁）。
　有期労働契約は，一般に，以下の①②③④に類型化されています。　②③④のタイプに対しては解雇権濫用規制が類推適用され，当該有期労働契約の事案に即した合理的理由が必要とされることになります。　これに対し，①のタイプでは類推適用が否定され，期間満了による契約終了が肯定されることになります（菅野『労働法』第九版１９２頁）。①　契約期間の満了によって当然に契約関係が終了する「純粋有期契約タイプ」②　期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っていると認められる「実質無期契約タイプ」③　相当程度の反復更新の実態から，雇用継続への合理的な期待が認められる「期待保護（反復更新）タイプ」④　格別の意思表示や特段の支障がない限り当然に更新されることを前提に契約を締結したものと認められる「期待保護（継続特約）タイプ」
　基本的な対処方法としては，「実質無期契約タイプ」と評価されないためにも，最低限，契約更新手続を形骸化させず，更新ごとに更新手続を行う必要があります。　また，不必要に雇用継続を期待させるような言動は慎み，契約更新を拒絶する可能性があることを労働条件通知書等に明記するとともに，よく説明しておくべきでしょう。　有期労働者については，身元保証人の要否，担当業務の内容，責任の程度等に関し，正社員と明確に区別した労務管理を行うべきです。　雇止めが無効となるリスクが高い事案においては，合意により退職する形にすることをお勧めします。　上乗せ金の支払も検討せざるを得ないでしょう。　年休を消化させたり，年休買い上げの合意を盛り込んだりしておくと，退職合意の有効性が認められやすい傾向にあります。　
　労働者の適性を評価・判断する目的で労働契約に期間を設けた場合は，期間の満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き，契約期間は契約の存続期間ではなく，試用期間と評価されることになります。　したがって，労働者の適性を評価・判断する目的の期間満了による雇止めが有効とされるためには，試用期間満了時における本採用拒否と同様，解約権留保の趣旨・目的に照らして，客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認される場合であることが必要となります。　期間満了で労働契約を終了させられるようにしておきたいのであれば，当初の労働契約書において，期間満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意をしておくとともに，期間満了により当初の労働契約は現実に終了させ，その後も正社員として勤務させる場合には，通常の正社員採用の際と同様，労働条件通知書を交付する等の採用手続を改めて行う必要があります。　これを怠ると，当初から正社員として採用したものであり，当初の契約期間は試用期間に過ぎず，契約期間満了による退職（雇止め）は，試用期間における本採用拒否（解雇）と評価されるリスクが生じることになります。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　有期労働契約は契約期間満了で契約終了となるのが原則です。<br />　ただし，有期労働契約が反復更新されて期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となった場合，雇用継続に対する労働者の期待利益に合理性がある場合は，雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されることになります。<br />　雇止めに解雇権濫用法理が類推適用される場合で，雇止めに客観的に合理的理由がない場合や，社会通念上相当なものでない場合は，雇止めが無効となり，契約が更新されることになります。<br />　解雇権濫用法理を類推適用する場合か否か，要求される合理的理由の程度について，裁判例では，「当該雇用の臨時性・常用性，更新の回数，雇用の通算期間，契約期間管理の状況，雇用継続の期待をもたせる言動・制度の有無」等が考慮されてきました（菅野『労働法』第九版１９２頁）。</p>
<p>　有期労働契約は，一般に，以下の①②③④に類型化されています。<br />　②③④のタイプに対しては解雇権濫用規制が類推適用され，当該有期労働契約の事案に即した合理的理由が必要とされることになります。<br />　これに対し，①のタイプでは類推適用が否定され，期間満了による契約終了が肯定されることになります（菅野『労働法』第九版１９２頁）。<br />①　契約期間の満了によって当然に契約関係が終了する「純粋有期契約タイプ」<br />②　期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っていると認められる「実質無期契約タイプ」<br />③　相当程度の反復更新の実態から，雇用継続への合理的な期待が認められる「期待保護（反復更新）タイプ」<br />④　格別の意思表示や特段の支障がない限り当然に更新されることを前提に契約を締結したものと認められる「期待保護（継続特約）タイプ」</p>
<p>　基本的な対処方法としては，「実質無期契約タイプ」と評価されないためにも，最低限，契約更新手続を形骸化させず，更新ごとに更新手続を行う必要があります。<br />　また，不必要に雇用継続を期待させるような言動は慎み，契約更新を拒絶する可能性があることを労働条件通知書等に明記するとともに，よく説明しておくべきでしょう。<br />　有期労働者については，身元保証人の要否，担当業務の内容，責任の程度等に関し，正社員と明確に区別した労務管理を行うべきです。<br />　雇止めが無効となるリスクが高い事案においては，合意により退職する形にすることをお勧めします。<br />　上乗せ金の支払も検討せざるを得ないでしょう。<br />　年休を消化させたり，年休買い上げの合意を盛り込んだりしておくと，退職合意の有効性が認められやすい傾向にあります。　</p>
<p>　労働者の適性を評価・判断する目的で労働契約に期間を設けた場合は，期間の満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き，契約期間は契約の存続期間ではなく，試用期間と評価されることになります。<br />　したがって，労働者の適性を評価・判断する目的の期間満了による雇止めが有効とされるためには，試用期間満了時における本採用拒否と同様，解約権留保の趣旨・目的に照らして，客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認される場合であることが必要となります。<br />　期間満了で労働契約を終了させられるようにしておきたいのであれば，当初の労働契約書において，期間満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意をしておくとともに，期間満了により当初の労働契約は現実に終了させ，その後も正社員として勤務させる場合には，通常の正社員採用の際と同様，労働条件通知書を交付する等の採用手続を改めて行う必要があります。<br />　これを怠ると，当初から正社員として採用したものであり，当初の契約期間は試用期間に過ぎず，契約期間満了による退職（雇止め）は，試用期間における本採用拒否（解雇）と評価されるリスクが生じることになります。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m18.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>退職届を提出したのに，後になってから退職の撤回を求めてくる。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m17.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m17.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 12:17:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1749</guid>
		<description><![CDATA[
　退職届の提出は，通常は合意退職の申し出と評価することができます。　合意退職は退職の申込みに対する承諾がなされて初めて成立しますから，合意退職の申し出をした社員は，社員の退職に関する決裁権限のある人事部や経営者が承諾の意思表示をするまでは，信義則に反するような特段の事情がない限り，退職を撤回することができることになります。　したがって，退職を早期に確定したい場合は，退職を承諾する旨の意思表示を早期に行う必要があります。　退職を認める旨の決済がなされただけでは足りません。
　退職届を提出した社員から，心裡留保（民法９３条），錯誤（民法９５条），強迫（民法９６条）等が主張されることもありますが，なかなか認められません。　退職するつもりはないのに，反省していることを示す意図で退職届を提出したことを会社側が知ることができたような場合は，心裡留保（民法９３条）により，退職は無効となります。　錯誤，強迫が認められやすい典型的事例は，「このままだと懲戒解雇は避けられず，懲戒解雇だと退職金は出ない。ただ，退職届を提出するのであれば，温情で受理し，退職金も支給する。」等と社員に告知して退職届を提出させたところ，実際には懲戒解雇できるような事案ではなかったことが後から判明したようなケースです。　懲戒事由の存在が明白ではない場合は，懲戒解雇の威嚇の下，自主退職に追い込んだと評価されないようにしなければなりません。
　退職自体は有効であっても，退職勧奨のやり方次第では，慰謝料の支払を命じられることがあります。　退職勧奨のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。　退職勧奨を行う場合は，無断録音されていても不都合がないよう気をつけて下さい。
　退職届等の客観的証拠がないと，口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず，在職中であるとか，解雇されたとか認定されることがあります。　退職の申出があった場合は漫然と放置せず，速やかに退職届を提出させて証拠を残しておくようにして下さい。　印鑑を持ち合わせていない場合は，差し当たり，署名があれば十分です。　後から印鑑を持参させて，面前で押印させるようにして下さい。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　退職届の提出は，通常は合意退職の申し出と評価することができます。<br />　合意退職は退職の申込みに対する承諾がなされて初めて成立しますから，合意退職の申し出をした社員は，社員の退職に関する決裁権限のある人事部や経営者が承諾の意思表示をするまでは，信義則に反するような特段の事情がない限り，退職を撤回することができることになります。<br />　したがって，退職を早期に確定したい場合は，退職を承諾する旨の意思表示を早期に行う必要があります。<br />　退職を認める旨の決済がなされただけでは足りません。</p>
<p>　退職届を提出した社員から，心裡留保（民法９３条），錯誤（民法９５条），強迫（民法９６条）等が主張されることもありますが，なかなか認められません。<br />　退職するつもりはないのに，反省していることを示す意図で退職届を提出したことを会社側が知ることができたような場合は，心裡留保（民法９３条）により，退職は無効となります。<br />　錯誤，強迫が認められやすい典型的事例は，「このままだと懲戒解雇は避けられず，懲戒解雇だと退職金は出ない。ただ，退職届を提出するのであれば，温情で受理し，退職金も支給する。」等と社員に告知して退職届を提出させたところ，実際には懲戒解雇できるような事案ではなかったことが後から判明したようなケースです。<br />　懲戒事由の存在が明白ではない場合は，懲戒解雇の威嚇の下，自主退職に追い込んだと評価されないようにしなければなりません。</p>
<p>　退職自体は有効であっても，退職勧奨のやり方次第では，慰謝料の支払を命じられることがあります。<br />　退職勧奨のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。<br />　退職勧奨を行う場合は，無断録音されていても不都合がないよう気をつけて下さい。</p>
<p>　退職届等の客観的証拠がないと，口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず，在職中であるとか，解雇されたとか認定されることがあります。<br />　退職の申出があった場合は漫然と放置せず，速やかに退職届を提出させて証拠を残しておくようにして下さい。<br />　印鑑を持ち合わせていない場合は，差し当たり，署名があれば十分です。<br />　後から印鑑を持参させて，面前で押印させるようにして下さい。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m17.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>退職届提出と同時に年休取得を申請し，引継ぎをしない。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m16.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m16.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 11:09:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1745</guid>
		<description><![CDATA[
　労働者がその有する休暇日数の範囲内で，具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をしたときは，適法な時季変更権の行使がない限り，年次有給休暇が成立し，当該労働日における就労義務が消滅することになります。　年休取得に使用者の承認は不要です。
　使用者が，社員の年休取得を拒むことができるというためには，時季変更権（労基法３９条５項）を行使できる場面でなければなりませんが，時季変更権の行使は，「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては，他の時季にこれを与えることができる。」（労基法３９条５項）とするものに過ぎず，年休を取得する権利自体を奪うことはできません。　退職後に年休を与えることはできないため，退職までの全労働日の年休取得を申請された場合，使用者は時季変更権の行使ができず，退職日までの年休取得を拒絶することはできません。　昭和４９年１月１１日基収５５５４号も，「年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り，当該労働者の解雇予定日をこえての時季変更は行えないものと解する。」としています。
　引継ぎをしてもらわなければ業務に支障が生じることもあるかもしれませんが，法的にはやむを得ません。　退職する社員とよく話し合って，年休買い上げの合意をするか，退職日を先に延ばす合意をするなどして，引継ぎをするよう説得するほかありません。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　労働者がその有する休暇日数の範囲内で，具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をしたときは，適法な時季変更権の行使がない限り，年次有給休暇が成立し，当該労働日における就労義務が消滅することになります。<br />　年休取得に使用者の承認は不要です。</p>
<p>　使用者が，社員の年休取得を拒むことができるというためには，時季変更権（労基法３９条５項）を行使できる場面でなければなりませんが，時季変更権の行使は，「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては，他の時季にこれを与えることができる。」（労基法３９条５項）とするものに過ぎず，年休を取得する権利自体を奪うことはできません。<br />　退職後に年休を与えることはできないため，退職までの全労働日の年休取得を申請された場合，使用者は時季変更権の行使ができず，退職日までの年休取得を拒絶することはできません。<br />　昭和４９年１月１１日基収５５５４号も，「年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り，当該労働者の解雇予定日をこえての時季変更は行えないものと解する。」としています。</p>
<p>　引継ぎをしてもらわなければ業務に支障が生じることもあるかもしれませんが，法的にはやむを得ません。<br />　退職する社員とよく話し合って，年休買い上げの合意をするか，退職日を先に延ばす合意をするなどして，引継ぎをするよう説得するほかありません。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m16.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>退職勧奨したところ，解雇してくれと言い出す。</title>
		<link>http://www.y-klaw.com/faq2/m15.html</link>
		<comments>http://www.y-klaw.com/faq2/m15.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 23 Aug 2011 10:32:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>yklaw</dc:creator>
				<category><![CDATA[問題社員FAQ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.y-klaw.com/?p=1739</guid>
		<description><![CDATA[
　退職勧奨した社員から解雇してくれと言われたからといって，安易に解雇すべきではありません。　後日，解雇が無効であることを前提として，多額の賃金請求を受けるリスクがあります。　有効な解雇をすることは，必ずしも容易ではありません。
　即時解雇した場合，解雇予告手当の請求を受けることがありますが，解雇予告手当は平均賃金の３０日分を支払えば足りますので（労基法２０条１項），１か月分の給料の金額程度に過ぎず，たかが知れています。　解雇予告手当の請求は，解雇の効力を争わないことを前提とした請求なので，解雇予告手当の請求を受けた場合は，むしろ運がよかったと考えられる事案が多いと考えます。　解雇の無効を前提として，解雇日以降の賃金請求がなされた場合に会社が負担する可能性がある金額は，高額になることが多いからです。　単純化して説明しますと，月給３０万の社員を解雇したところ，解雇の効力が争われ，２年後に判決で解雇が無効と判断された場合は，既発生の未払賃金元本だけで，３０万円×２４か月＝７２０万円の支払義務を負うことになります。　解雇が無効と判断された場合，実際には全く仕事をしていない社員に対し，毎月の賃金を支払わなければならないことを理解しておく必要があります。
　解雇期間中の賃金として負担しなければならない金額は，当該社員が解雇されなかったならば労働契約上確実に支給されたであろう賃金の合計額です。　解雇当時の基本給等を基礎に算定されますが，各種手当，賞与を含めるか，解雇期間中の中間収入を控除するか，所得税等を控除するか等が問題となります。　通勤手当が実費保障的な性質を有する場合は，通勤手当について負担する必要はありません。　残業代は，時間外・休日・深夜に勤務して初めて発生するものですから，通常は負担する必要がありませんが，一定の残業代が確実に支給されたと考えられる場合には，残業代についても支払を命じられる可能性があります。　賞与の支給金額が確定できない場合は，解雇が無効と判断されても，支払を命じられませんが，支給金額が確定できる場合は，支払日が到来している賞与について支払が命じられることになります。
　解雇された社員に解雇期間中の中間収入がある場合は，その収入があったのと同時期の解雇期間中の賃金のうち，同時期の平均賃金の６割（労基法２６条）を超える部分についてのみ控除の対象となるとするのが，最高裁判例です。　中間収入の額が平均賃金額の４割を超える場合には、更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金（賞与等）の全額を対象として利益額を控除することが許されることになります。
　賃金から源泉徴収すべき所得税，控除すべき社会保険料については，これらを控除する前の賃金額の支払が命じられることになります。　その上で，実際の賃金支払に当たり，所得税等を控除することになります。
　仮処分で賃金の仮払いが命じられ，仮払いをしていたとしても，判決では仮払金を差し引いてもらえません。　賃金の支払を命じる判決が確定した場合は，労働者代理人と連絡を取って，既払の仮払金の充当について調整する必要があります。　他方，賃金請求が認められなかった場合は，仮払金の返還を求めることになりますが，労働者が無資力となっていて，回収が困難なケースもあります。
　最近では，経営者を挑発して解雇させ，多額の金銭を獲得してから転職しようと考える社員も出てきています。　また，退職勧奨，解雇のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。　退職勧奨，解雇を行う場合は，感情的にならないよう普段以上に心掛け，無断録音されていても不都合がないようにしなければなりません。
　労働者側弁護士事務所のウェブサイトの中には，解雇されるとお金をもらえるチャンスであるかのような宣伝しているものも見受けられます　解雇問題を「ビジネス」として考えている労働者側弁護士もいることに注意しなければなりません。
　解雇してくれと言われて解雇したところ，解雇の効力が争われ，解雇が無効と判断されるリスクが高いような場合は，解雇を撤回し，就労を命じる必要がある場合もあります。　この場合，概ね，解雇日の翌日から解雇撤回後に就労を命じた初日の前日までの解雇期間に対する賃金の支払義務を負うことになります。　解雇を撤回して就労を命じた場合，実際に戻ってくるのは３人～４人に１人程度という印象です。　解雇期間中の賃金請求をする目的で形式的に復職を求める体裁を取り繕う労働者が多いですが，要望どおり解雇を撤回して就労命令を出してみると，いろいろ理由を付けて，実際には復職してこないことも多いというのが実情です。
　勤務態度が悪い社員，能力が著しく低い社員を退職勧奨したところ，解雇して欲しいと言われ，本当の理由を告げて解雇すると本人が傷つくからといった理由で，解雇理由を「事業の縮小その他やむを得ない事由」等による会社都合の解雇（整理解雇）とする事案が散見されます。　このような事案で解雇の効力が争われた場合，整理解雇の有効要件を満たさない以上，会社側が負ける可能性が高くなります。　解雇が避けられない場合，ありのままの解雇理由を伝える必要があります。　無用の気遣いをして，ありのままの解雇理由を伝えられないと，裏目の結果となることが多くなります。
　「事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。」（雇用保険法施行規則３６条９号）は，「特定受給資格者」（雇用保険法２３条１項）に該当するため（雇用保険法２３条２項２号），退職勧奨による退職は会社都合の解雇等の場合と同様の扱いとなり，労働者が失業手当を受給する上で不利益を受けることにはなりません。　つまり，失業手当の受給条件を良くするために解雇する必要はありません。　退職届を出してしまうと，失業手当の受給条件が不利になると誤解されていることがありますので，丁寧に説明し，誤解を解く努力をするようにして下さい。　なお，助成金との関係でも，会社都合の解雇をしたのと同様の取り扱いとなることには，注意が必要です。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[
<p>　退職勧奨した社員から解雇してくれと言われたからといって，安易に解雇すべきではありません。<br />　後日，解雇が無効であることを前提として，多額の賃金請求を受けるリスクがあります。<br />　有効な解雇をすることは，必ずしも容易ではありません。</p>
<p>　即時解雇した場合，解雇予告手当の請求を受けることがありますが，解雇予告手当は平均賃金の３０日分を支払えば足りますので（労基法２０条１項），１か月分の給料の金額程度に過ぎず，たかが知れています。<br />　解雇予告手当の請求は，解雇の効力を争わないことを前提とした請求なので，解雇予告手当の請求を受けた場合は，むしろ運がよかったと考えられる事案が多いと考えます。<br />　解雇の無効を前提として，解雇日以降の賃金請求がなされた場合に会社が負担する可能性がある金額は，高額になることが多いからです。<br />　単純化して説明しますと，月給３０万の社員を解雇したところ，解雇の効力が争われ，２年後に判決で解雇が無効と判断された場合は，既発生の未払賃金元本だけで，３０万円×２４か月＝７２０万円の支払義務を負うことになります。<br />　解雇が無効と判断された場合，実際には全く仕事をしていない社員に対し，毎月の賃金を支払わなければならないことを理解しておく必要があります。</p>
<p>　解雇期間中の賃金として負担しなければならない金額は，当該社員が解雇されなかったならば労働契約上確実に支給されたであろう賃金の合計額です。<br />　解雇当時の基本給等を基礎に算定されますが，各種手当，賞与を含めるか，解雇期間中の中間収入を控除するか，所得税等を控除するか等が問題となります。<br />　通勤手当が実費保障的な性質を有する場合は，通勤手当について負担する必要はありません。<br />　残業代は，時間外・休日・深夜に勤務して初めて発生するものですから，通常は負担する必要がありませんが，一定の残業代が確実に支給されたと考えられる場合には，残業代についても支払を命じられる可能性があります。<br />　賞与の支給金額が確定できない場合は，解雇が無効と判断されても，支払を命じられませんが，支給金額が確定できる場合は，支払日が到来している賞与について支払が命じられることになります。</p>
<p>　解雇された社員に解雇期間中の中間収入がある場合は，その収入があったのと同時期の解雇期間中の賃金のうち，同時期の平均賃金の６割（労基法２６条）を超える部分についてのみ控除の対象となるとするのが，最高裁判例です。<br />　中間収入の額が平均賃金額の４割を超える場合には、更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金（賞与等）の全額を対象として利益額を控除することが許されることになります。</p>
<p>　賃金から源泉徴収すべき所得税，控除すべき社会保険料については，これらを控除する前の賃金額の支払が命じられることになります。<br />　その上で，実際の賃金支払に当たり，所得税等を控除することになります。</p>
<p>　仮処分で賃金の仮払いが命じられ，仮払いをしていたとしても，判決では仮払金を差し引いてもらえません。<br />　賃金の支払を命じる判決が確定した場合は，労働者代理人と連絡を取って，既払の仮払金の充当について調整する必要があります。<br />　他方，賃金請求が認められなかった場合は，仮払金の返還を求めることになりますが，労働者が無資力となっていて，回収が困難なケースもあります。</p>
<p>　最近では，経営者を挑発して解雇させ，多額の金銭を獲得してから転職しようと考える社員も出てきています。<br />　また，退職勧奨，解雇のやり取りは，無断録音されていることが多く，録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は，証拠として認められてしまいます。<br />　退職勧奨，解雇を行う場合は，感情的にならないよう普段以上に心掛け，無断録音されていても不都合がないようにしなければなりません。</p>
<p>　労働者側弁護士事務所のウェブサイトの中には，解雇されるとお金をもらえるチャンスであるかのような宣伝しているものも見受けられます<br />　解雇問題を「ビジネス」として考えている労働者側弁護士もいることに注意しなければなりません。</p>
<p>　解雇してくれと言われて解雇したところ，解雇の効力が争われ，解雇が無効と判断されるリスクが高いような場合は，解雇を撤回し，就労を命じる必要がある場合もあります。<br />　この場合，概ね，解雇日の翌日から解雇撤回後に就労を命じた初日の前日までの解雇期間に対する賃金の支払義務を負うことになります。<br />　解雇を撤回して就労を命じた場合，実際に戻ってくるのは３人～４人に１人程度という印象です。<br />　解雇期間中の賃金請求をする目的で形式的に復職を求める体裁を取り繕う労働者が多いですが，要望どおり解雇を撤回して就労命令を出してみると，いろいろ理由を付けて，実際には復職してこないことも多いというのが実情です。</p>
<p>　勤務態度が悪い社員，能力が著しく低い社員を退職勧奨したところ，解雇して欲しいと言われ，本当の理由を告げて解雇すると本人が傷つくからといった理由で，解雇理由を「事業の縮小その他やむを得ない事由」等による会社都合の解雇（整理解雇）とする事案が散見されます。<br />　このような事案で解雇の効力が争われた場合，整理解雇の有効要件を満たさない以上，会社側が負ける可能性が高くなります。<br />　解雇が避けられない場合，ありのままの解雇理由を伝える必要があります。<br />　無用の気遣いをして，ありのままの解雇理由を伝えられないと，裏目の結果となることが多くなります。</p>
<p>　「事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。」（雇用保険法施行規則３６条９号）は，「特定受給資格者」（雇用保険法２３条１項）に該当するため（雇用保険法２３条２項２号），退職勧奨による退職は会社都合の解雇等の場合と同様の扱いとなり，労働者が失業手当を受給する上で不利益を受けることにはなりません。<br />　つまり，失業手当の受給条件を良くするために解雇する必要はありません。<br />　退職届を出してしまうと，失業手当の受給条件が不利になると誤解されていることがありますので，丁寧に説明し，誤解を解く努力をするようにして下さい。<br />　なお，助成金との関係でも，会社都合の解雇をしたのと同様の取り扱いとなることには，注意が必要です。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://www.y-klaw.com/faq2/m15.html/feed</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
	</channel>
</rss>

