Q65 法定労働時間後に研修をした時間は労働時間であると主張して,残業代を支払うよう要求する社員がいる。

 労基法上の労働時間とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,客観的に定まるものです。

 したがって,客観的にみて労働者が使用者の指揮命令下に置かれた状態で研修をしていると判断された場合には,当該時間は労働時間になり,法定労働時間を超えている場合には残業代を支払う必要があります。

 研修をした時間が労働時間に該当するかについて,平成29年1月20日付けで厚生労働省が公表した労働者の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインが参考になります。

 このガイドラインでは「参加することが業務上義務づけられている研修」を受講した時間は労働時間として取り扱うこととしていますので,研修をした時間が労働時間に該当するかは,当該研修の参加が業務上義務づけられているか,参加が余儀なくされていたのかどうかを客観的に判断して,労働者が使用者の指揮命令下に置かれていたかを判断していくことになります。

 したがって,形式上,研修の参加が任意だったとしても業務を行っていく上で必須で事実上参加が義務づけられていたり,不参加の場合に労働者が不利益を被る可能性があったりする場合には,当該研修時間は労基法上の労働時間と認定される可能性が高いと言え,労働時間と判断され,当該時間が法定労働時間を超えている場合には残業代を支払う必要があります。

文責:飯島 潤

Return to Top ▲Return to Top ▲