Q59 有期の嘱託社員として定年後再雇用したが,雇止めをしたい社員がいる。

1 定年後再雇用の場合は,嘱託社員が契約更新に合理的な期待をするのが通常であること

 高年法は希望者全員につき65歳までの雇用の確保を義務付けていますので,定年後再雇用された一般的な社員は65歳まで契約更新できるのではないかと合理的な期待をするのが通常です。

 そのため,当該労働者が,契約が更新されると期待することについて合理的な理由(労働契約法19条2号)があるとされるため,雇止めをするためには,客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当であることが必要になります。

2 雇止めの要件(労働契約法19条柱書,同条2号)

 定年後再雇用後の雇止めの問題は,労働契約法19条の問題となります。

 すなわち,①当該労働者が当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該契約の更新を期待することについて合理的な理由があるものと認められる場合であって,②当該有期労働契約の契約期間満了日までの間に更新の申込みをしたか,または,当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをしており,③使用者が②の申込みを拒絶することが,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないときは,従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされることになり,従前と同一の労働契約が成立します。  

3 実務対応  

 多くの会社は1年ごとの契約をしていると思われますが,雇止めをしたいと考えている場合には,当該労働者との間で「次期更新をしない」という不更新条項を定めることが考えられます。

 そして,不更新条項の説明及び当該社員が納得した上で,契約更新をすることができれば,更新の期待が否定される可能性が生じる結果,トラブルの可能性が低くなると考えます。

文責:飯島 潤

Return to Top ▲Return to Top ▲