労働問題972 事業場外のみなし労働時間制は、どのような場合に認められますか?

1.事業場外のみなし労働時間制が認められるための要件
 事業場外のみなし労働時間制が認められるには、次の要件を満たす必要があります。
 ① 労働者が事業場外で労働に従事したこと
 ② その事業場外での労働時間が算定しがたいこと

2.「① 労働者が事業場外で労働に従事したこと」とは
 ①労働者が事業場外で労働に従事したことについては、ある特定の日の労働時間の全部について事業場外労働に従事しなければならないということではなく、一部のみであっても適用があります。
 当該労働が「事業場外」に当たるかどうかは、業務についての指揮監督の困難性から労働時間算定義務を免除した趣旨から判断され、労使協定の締結単位や就業規則の制定単位である事業場とは必ずしも一致しません。
 たとえば、労働者が自宅でパソコン等の情報通信機器を用いて行う在宅勤務については、行政解釈上、
 ① 当該業務が起居寝食等私生活を営む自宅で行われること
 ② 当該情報通信機器が使用者の指示により常時通信可能な状態に置くこととされていないこと
 ③ 当該業務が随時使用者の具体的指示に基づいて行われていないこと
のいずれの要件も満たす場合には、原則として事業場外労働のみなし労働時間制の適用が認められるとされています(行政通達平成16年3月5日基発0305001号、平成20年7月28日基発0728002号)。

3.「② その事業場外での労働時間が算定しがたいこと」とは
 行政解釈は、次のような場合は、事業場外で業務に従事する場合であっても、使用者の具体的な指揮監督が及んでいるとして、労働時間の算定が可能であり、みなし労働時間制の適用はないとしています(行政通達昭和63年1月1日基発1号)。
 ① 何人かのグループで事業場外労働に従事する場合、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
 ② 事業場外で業務に従事するが、無線やポケベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
 ③ 事業場において訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおり業務に従事し、その後事業場に戻る場合

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