労働問題919 定年退職した労働者を再雇用した場合、継続勤務年数との関係で有給休暇取得日数をどう扱えば良いですか。

 有給休暇の発生要件は、①雇い入れの日から起算して「6ヶ月間」、「継続勤務」したこと、②その間、「全労働日」の「8割以上」出勤したことです。
 再雇用の場合には、定年前と再雇用後とが継続勤務といえるかどうかが問題となります。
 通達(昭和63年3月14日基発150号)では、この点について次のとおり述べています。

継続勤務とは、労働契約の存続期間、すなわち在籍期間をいう。継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものであり、次に掲げるような場合を含むこと。この場合、実質的に労働関係が継続している限り勤務年数を通算する。
イ.定年退職による退職者を引き続き嘱託等として再採用している場合 (退職手当規程に基づき、所定の退職手当を支給した場合を含む 。) 。ただし、退職と再採用との間に相当期間が存し、客観的に労働関係が断続していると認められる場合はこの限りでない。
ロ.法第21条各号に該当する者でも、その実態より見て引き続き使用されていると認められる場合
ハ.臨時工が一定月ごとに雇用契約を更新され、一年以上に及んでいる場合であって、その実態より見て引き続き使用されていると認められる場合
ニ.在籍型の出向をした場合
ホ.休職とされていた者が復職した場合
ヘ. 臨時工、パート等を正規職員に切替えた場合
ト.会社が解散し、従業員の待遇等を含め、権利義務関係が新会社に包括承継された場合
チ.全員を解雇し、所定の退職金を支給し、その後改めて一部を再採用したが、事業の実体は人員を縮小しただけで、従前とほとんど変わらず事業を継続している場合

 通達のイからすると、定年退職と再雇用との間に相当期間のタイムラグがないのであれば、勤務は継続していることになりますので、有給休暇日数は定年退職前の勤務から通算して計算することになります。

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