労働問題909 手待時間について教えて下さい。

 手待時間とは、使用者の指示があれば直ちに作業に従事しなければならない状態にある時間をいい、労働時間であるとされています。例えば、休憩中の電話当番、トラックドライバー等の運転手の駐停車時間などが考えられます。通達上、出勤を命じられて一定の場所に拘束されている場合は労働時間であるとされています(通達昭和33年10月11日基発6286号)。これに対して、休憩時間というためには労働からの解放が保障されている必要があります。
 手待時間か休憩時間かが争われた事案では、ガソリンスタンドにおいて三交代制で稼働していた社員について、1人で勤務している時間帯は、消防法上の規制から、営業時間中は常時監視員である従業員が監督に当たる必要があるとともに、顧客対応の面でも、食事中であっても顧客が来れば顧客対応を行い、また、休憩時間とされていた時間も従業員がそれぞれ異なる業務をしていたため休憩時間の自由利用ができていなかったことなどから、手待時間(労働時間)であると判断された裁判例があります(クアトロ事件東京地裁平成17年11月11日判決)。
 また、仮眠時間が手待時間か否かが争われた事案では、仮眠中に、労働契約に基づく義務として、仮眠室における待機と警報や電話などに対して直ちに相応の対応が義務付けられており、実作業への従事がその必要が生じた場合に限られるとしても、その必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に義務付けがなされていないと認めることができるような事情が存在しないことから、当該仮眠時間が労働からの解放が保障されているとはいえず手待時間に当たると判断された裁判例があります(大星ビル管理事件最高裁第一小法廷平成14年2月28日判決)。

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