労働問題636 懇親会や二次回、接待ゴルフは労働時間に該当しますか?

1.労働時間とは
 労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと判断できるか否かによって、客観的に決まります。
 しかし、実際には、取引先との懇親会や、接待ゴルフなど、労働契約上の主要な業務とは関わりが低い、又は関わりがない活動に参加する場合があり、このような時間が労働時間に該当するか否かが問題になることがあります。

2.懇親会の労働時間性
 懇親会は、取引先等との関係を円滑にするという意味では、業務とは全く関係ないとはいえませんが、通常は酒食を伴い親しく話し合うことを目的としており、労働契約上の主要な業務との関わりはかなり低いと考えられます。また、懇親会に出席しないからといって、労働契約上の主要な業務に支障が生じるとも考え難いです。したがって、使用者から義務付けられておらず、参加が奨励されている程度であれば、懇親会の時間は労働時間として取り扱う必要は無いと考えます。
 懇親会に参加しないことで不利益が課せられたり、参加が義務付けられている場合には、業務命令によるものと考えられ、労働時間として取り扱うことになります。

3.懇親会後の二次会の労働時間性
 懇親会後の二次会についても、懇親会と同様の考え方になります。
 二次会は懇親会と比べ、業務との関わりが更に稀薄であることから、使用者から参加が義務付けられていたり幹事をやるよう指示を受けていたりする場合でない限り、労働時間として取り扱う必要は無いと考えます。

4.接待ゴルフの労働時間性
 日本では、ゴルフを通じた社交が企業文化として根付いているため、使用者が労働者に対してゴルフ代や旅費を負担し、参加を奨励することが多く行われています。
 もっとも、接待ゴルフといってもその主たる目的はゴルフのプレーであることから、仮に、使用者から参加を義務付けられていたり、会社が費用を負担していたとしても、プレー中に労働者が使用者の指揮命令下に置かれているとはいえず、原則、労働時間として取り扱う必要は無いと考えられます。

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