労働問題508 労働協約でチェックオフをすることとされている労働組合の組合員から、自分の組合費のチェックオフを中止するよう要請された場合、どうすればいいですか。

 使用者が有効なチェックオフを行うためには、チェックオフ協定の外に、個々の組合員から、組合費相当分を賃金から控除して労働組合に支払うことにつき委任を受けることが必要であり、組合員はいつでもチェックオフの中止を求めることができるとするのが最高裁判例です(エッソ石油事件最高裁平成5325日第一小法廷判決等参照)。したがって、組合員から、自分の組合費のチェックオフを中止するよう要請された場合は、チェックオフを中止すべきこととなる可能性が高いです。
 もっとも、チェックオフの中止は、会社がチェックオフ協定を締結している労働組合との間の信頼関係に重大な影響を与えかねない問題ですので、チェックオフ中止の意思確認は丁寧に行って下さい。口頭でチェックオフ中止の要請があった場合は、書面での申請を促すなどして、チェックオフ中止の要請が組合員の真意によるものであることを確認するとよいでしょう。組合員から、書面でチェックオフ中止の要請がなされた場合は、不当労働行為が問題となるような事案でない限り、組合員の真意によるものであると考えていいことが多いと思います。
 書面の提出を拒絶された場合は、チェックオフ中止を要請する意思に変わりはないのかを確認して下さい。チェックオフ中止の要請を取り下げると回答された場合は、チェックオフを継続して構いません。チェックオフ中止を要請するが書面は提出しないと回答された場合は、書面を提出しない理由を質問して説明内容を検討するなどして、個別に判断することとなります。
 判断が難しい場合は、労働組合対応を数多く取り扱っている弁護士と作戦会議を繰り返しながら対応することをお勧めします。弁護士との打合せでは、どういった段取りで、誰が誰に何を話すか、どういった行動を取るかといった具体的対応の内容を議論して下さい。法律・判例・学説の解説や一般論を聞いただけで打合せを終えてはいけません。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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